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『貞子DX』公開記念! 個性的でガチ怖&オモシロ邦画ホラー4選

邦画ホラーと聞いて、すぐに思い浮かぶのはやはり『呪怨』や『リング』でしょうか。伽椰子・俊雄くんや貞子は今でも恐怖のアイコンとして不動の人気を誇っています。去年にはNetflixドラマ『呪怨:呪いの家』が配信されており、10月28日(金)からは『リング』シリーズ最新作の『貞子DX』が劇場公開となります。両シリーズとも、1作目は20年以上も前の作品であるのにもかかわらず。Jホラーの勢いは未だ衰えず! …ただし、この2シリーズだけで語れるほどJホラーの世界は狭くありません。今回は、比較的最近の作品の中から、一癖ありながら「ここまで怖く面白いホラーがあったのか!」と驚くこと請け合いのJホラーを4作品紹介します。

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

 

 

〈昇天レベルでテンションブチ上げ!!ホラー:エンタメ 2:8〉
①『来る』(2018)

ホラーというのは基本ダウナー系です。「来る」とか言われると、稲川淳二ばりに「来たら嫌だな~恐ろしいな~」とビクビクしながら見るものです。ところが本作の場合は全然違います。常に気持ちは「どんどん来いや!」。怪奇現象が起こるシーン全て、怖さより面白さが先に来るのです。お守りは弾け飛び、人も吹っ飛び、観客もブッ飛び。ホラーで恐怖の対象がCGで表現されていると一気にリアリティを削いでしまう危険がありますが、『来る』では功を奏しています。ホラーにもかかわらず非常にスタイリッシュな映像で、ここまで気分が高揚するエンタメホラーは中々お目にかかれません。怪異と日本最強の霊媒師たちのアツい除霊バトルはこれ以上ないほど盛り上がり、もはやライブかフェスとしか呼べない状態に。一番怖いのは前半、妻夫木聡演じるサイコパス感漂う自称イクメンパパかもしれませんが、こんなホラーがあっても良いじゃないですか。どんどん来いや!

監督:中島哲也
出演:岡田准一、妻夫木聡、黒木華、小松菜奈、松たか子、青木崇高、柴田理恵 他

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〈見ておいて、ただで済むと思うなよ。ホラー:エンタメ 9:1〉
②『残穢 -住んではいけない部屋-』(2016)

『来る』とは真逆の、ガチホラーです。本作は映画では珍しく、『ほんとにあった怖い話』のように、竹内結子演じる作家の主人公が読者からの体験談を聞いていくという作りになっています。橋本愛演じる読者は、住んでいるマンションの自室で謎の音に悩まされています。そこから、かつてこの部屋で自殺があったのかと疑いはじめるので、タイトルにあるように事故物件系のホラーかと思ったら、物語はさらに暗闇の奥深くへ。作家も自ら出向き、過去へ過去へ遡りながら怪異の原因を追い求めていく様はミステリーのようですらあります。しかし世の中、原因が分かったからといって必ずしも有効な手段があるわけではなく、また原因にはさらにその原因があるのです。「本当の原因」などないのです。決して過去は変えられなイのです。怪異は「知る」だけで影キョウを及ボしマす。安ぜン圏なドありまセん。作家と同ジく、もウあナタもブジでハいラレません。

監督:中村義洋
出演・竹内結子、橋本愛、遠藤憲一、佐々木蔵之介、坂口健太郎 他

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〈こっちが本当の『事故物件』だ!! ホラー:エンタメ 5:5.5〉
③『真・事故物件 本当に怖い住民たち』(2022)

真の事故物件系ホラーを挙げるならばコレでしょう。え? 『事故物件 恐い間取り』と間違えていないかって? 確かに向こうは『リング』の中田秀夫監督作品で、主人公が事故物件に住み込んでYouTube配信をするという流れも同じですが、こっちは「真」ですから。本作の事故物件では過去にカルトなバラバラ殺人事件が起きており、幽霊モノより血なまぐさい雰囲気。水の出ない部屋、変わった隣人など不穏な要素を撒き散らしながらも、YouTuberたちがボヤきまくるユルい前半と打って変わって、後半は怒涛のゴアゴアバイオレンス展開に! しかもただのグロじゃなく、「やっちゃえ! 殺っちゃえ!」と応援したくなる“エモい”グロなのです。見終わってみれば殺りすぎなくらいエンタメ。しかも、本作が今年2月に公開されたばかりなのに、何と12月23日からは続編の『真・事故物件パート2 全滅』(タイトル!)が公開予定。フットワーク軽すぎでしょ! さ、今のうちに予習、復讐。

監督:佐々木勝己
出演:海老野心、小野健斗、小島みゆ、RaMu、渋江譲二 他

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〈こっちが本当の“村”系ホラーだ!! ホラー:エンタメ 5:10〉
④『黄龍の村』(2021)

真の“村系”ホラーを挙げるならばコレでしょう。え? やっぱりそこは『犬鳴村』とか『牛首村』などの“村”シリーズの方じゃないのかって? 確かに向こうは『呪怨』の清水崇監督作品で、奇妙な村を訪れた若者たちの恐怖体験を描いているところも同じですが、こっちは犬や牛じゃなくて「龍」ですから。失礼な大学生たちがたまたま訪れた村はカルトな儀式を行っており、状況が分からないうちに殺されていく展開は巷では『ミッドサマー』っぽいとか言われているようですが、映画が半分を過ぎると観客が全く想像していなかった方向に。血は血でも熱く煮えたぎる方に振り切っています。66分しかない超コンパクトな作品ながら、ジャンルミックスでかなりの満足感。ホラーが苦手でも十五分に楽しめます。同じ阪元裕吾監督の『ベイビーわるきゅーれ』が気に入った方はぜひ。見終わったらこう思うはずです。「え、黄色い龍(ドラゴン)ってそういう意味かよ!」と。

監督:阪元裕吾
出演:水石亜飛夢、松本卓也、鈴木まゆ、秋乃ゆに、ウメモトジンギ、石塚汐花、大坂健太、伊能昌幸 他

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いかがだったでしょうか。
Jホラーと聞くと、徐々に幽霊が迫ってくるなどの一定のイメージを想起するかもしれませんが、ホラーは日々進化しています。『貞子DX』では貞子も進化して、ネットを使いこなすまでになってしまいました。ホラーが苦手な人は『来る』や『黄龍の村』、さらなる刺激を求めるホラー愛好家は『残穢』や『真・事故物件』にトライしてみると良いのではないでしょうか。それでは、より充実したホラーライフを。

 

【ストーリー】
“呪いのビデオ”を見た人が24時間後に突然死するという事件が全国各地で発生。IQ200の大学院生・一条文華(小芝風花)は、TV番組で共演した人気霊媒師のKenshin(池内博之)から謎の解明を挑まれる。呪いがSNSで拡散すれば人類滅亡と主張するKenshinに対し、「呪いなんてあり得ない」と断言する文華だったが、興味本位でビデオを見てしまった妹の双葉から一本の電話がかかってくる。「お姉ちゃん助けて。あれからずっと白い服の人につけられてて……」文華は「すべては科学的に説明可能」と、自称占い師の前田王司(川村壱馬)、謎の協力者・感電ロイド(黒羽麻璃央)とともに、<呪いの方程式>を解き明かすべく奔走する。しかし24時間のタイムリミットが迫る中、仮説は次々と打ち砕かれ――。

【キャスト】
小芝風花、川村壱馬(THE RAMPAGE)、黒羽麻璃央、八木優希、渡辺裕之、西田尚美、池内博之

【スタッフ】
監督:木村ひさし
脚本:高橋悠也
音楽:遠藤浩二
世界観監修:鈴木光司
主題歌:「REPLAY」三代目JSOULBROTHERS from EXILE TRIBE(rhythm zone / LDH JAPAN)
製作:『貞子DX』製作委員会
配給・制作:KADOKAWA
©2022『貞子DX』製作委員会

10月28日(金)全国ロードショー

公式サイト:movies.kadokawa.co.jp /sadako-movie/

 

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