世界の名作を一足先に！今年のTIFFで観て欲しい作品を勝手にお勧め！【第35回東京国際映画祭】

2022.10.11

今年も開催される東京国際映画祭。今年で35回目となるこの映画祭は、毎年多くの映画ファンの注目を集めている。ここ最近は上映作品本数の減少などネガティブな話題も取り上げられることもあったが、今年は上映作品本数も昨年より増加。アジアの新鋭たちの作品はもちろん、世界の映画祭を沸かせた作品も上映される今年の東京国際映画祭。そこで今回は、本年度の東京国際映画祭で上映される作品の中から、特にこの作品に注目！というような作品を映画祭好きの編集部スタッフが独断と偏見でチョイス！

文：大西D（ヒカセン兼業ライター）

☆『波が去るとき』(ワールド・フォーカス部門)

『立ち去った女』でヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した、フィリピンの怪物的映画作家ラブ・ディアス監督の最新作。優秀な捜査官として麻薬戦争の際に任務を忠実に遂行したが、心身に深い傷を負った男の魂の葛藤を描いた作品。フィリピン映画作品は今世界中で大きな注目を集めており、その代表格とも言える映画作家がラブ・ディアス。実は自身の短編映画や脚本を務めた作品が上映されるなど、本映画祭とのつながりは意外にも多い。普段は中々観る機会がないフィリピン映画という点でも、注目の作品だ。

監督：ラヴ・ディアス
出演：ジョン・ロイド・クルーズ　ロニー・ラザロ　シャマイン・センテネラ＝ブエンカミーノチケット
詳しい情報は→ https://2022.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3504WFC11

☆『R.M.N』(ワールド・フォーカス部門)

『4ヶ月、3週間と2日』でパルム・ドールを受賞したルーマニアの鬼才、クリスティアン・ムンジウ監督の最新作。出稼ぎ先のドイツからトランシルバニアの村に戻ってきた男が直面する出来事を通して、多様な人種が錯綜するルーマニアの現状を描く。ムンジウはこれまでの監督作品でルーマニア社会の現状とそこに生きる人々を丁寧に描いてきたが、本作もまたそういった作品となっている予感。カンヌ国際映画祭で多くの賞を受賞しているムンジウ監督作品は、映画祭好きには見逃せない作品だ。

監督：クリスティアン・ムンジウ
出演：マリン・グリゴーレ　ユディット・スターテ　マクリーナ・バルラデアヌ
詳しい情報は→https://2022.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3504WFC07

©MOBRA FILMS, WHY NOT PRODUCTIONS, FILMGATE FILMS, FILM I VAST, FRANCE 3 CINEMA 2022

☆『ケイコ目を澄ませて』(Nippon Cinema Now部門)

耳が聴こえない女性が、ボクシングと向き合うことで少しずつ日常が変わっていく姿を描いた作品。実際に聴覚障害を患いながらプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルにした作品だ。ベルリン国際映画祭を始め、世界の映画祭でも高く評価されている注目の日本映画だ。主演は『愛がなんだ』で大ブレイクを果たした岸井ゆきの。12月の公開に先立ち、東京国際映画祭でいち早くチェックしたい作品だ。

監督：三宅唱
出演：岸井ゆきの　三浦友和　三浦誠己
詳しい情報は→ https://2022.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3505NCN04

配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022 映画「ケイコ目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS
公式サイト：https://happinet-phantom.com/keiko-movie/

☆『バルド、偽りの記録と一握りの真実』(ガラ・コレクション部門)

メキシコ映画界の鬼才アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督最新作。アカデミー賞を受賞した『レヴェナント』以来、実に7年ぶりの長編映画作品だ。著名なメキシコ人ジャーナリスト兼ドキュメンタリー作家が帰郷するも、アイデンティティや家族関係に苦悩し、メキシコという国を見つめる作品になっているという。Netflix配信作品だが、是非とも大きなスクリーンで、イニャリトゥの世界観を味わいたい！

監督：アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演：ダニエル・ヒメネス・カチョ、グリセルダ・シチリアニ、ヒメナ・ラマドリッド
詳しい情報は→https://2022.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3503GLS04

Netflixで12月16日（金）より独占配信

今回は上記4本を取り上げたが、見逃せない作品は他にもたくさんある。今年のアカデミー賞に絡んできそうな作品や、ここで見ないと日本公開が無いかも知れない作品も多くあるし、一般公開よりも先にこの映画祭で作品を見たいという映画ファンも多いだろう。今年の東京国際映画祭は上映される劇場も増えたことで、より多くの選択肢の中で作品を選ぶことが出来る。非常に悩ましいところではあるが、どの作品を見ようか迷っている時間も、映画祭の醍醐味の一つだ。

映画祭開催まであと2週間、映画祭マニアであるスタッフも今か今かと開幕を待ち望んでおります。第35回東京国際映画祭は10月24日(月)～11月2日(水)で開催。

【開催概要】
日程：10月24日(月)～11月2日(水)
会場：日比谷、有楽町、丸の内、銀座エリアの各映画館やホールなど
主催：公益財団法人ユニジャパン
公式サイト：https://2022.tiff-jp.net/ja/
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