『ジョーカー』だって入り口!奥深いホアキン・フェニックスの世界
4月22日(金曜日)より、ホアキン・フェニックス主演のA24作品『カモン カモン』が公開されます。ホアキンは『ジョーカー』で壮絶な狂気の演技を見せたことで話題になりましたが、決してそれだけの役者ではないんです! そこで今回はホアキンの魅力にさらに迫りたいと思います。
①『グラディエーター』(2000)
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン
U-NEXTで視聴する⇒こちら
Amazonプライムで視聴する⇒こちら
NETFLIXで視聴する⇒こちら
〈『ジョーカー』の予兆? 悪の皇帝ホアキン!〉
本作でホアキンが演じたのは、主人公のマキシマス(ラッセル・クロウ)と敵対することになる悪逆非道の皇帝コモドゥス。実力と徳を併せ持ったマキシマスに次期皇帝の座を奪われそうになり、父親である現皇帝とマキシマスの妻子を殺めてローマの頂点に君臨する、深い闇を抱えたキャラクターです。『ゲーム・オブ・スローンズ』で最低最悪の王として有名なジョフリー・バラシオンを演じたジャック・グリーソンは、コモドゥスを参考にしたと明かしています。コモドゥスがダークサイド堕ちしていることは濃い目のクマにも表れていますが、歪んだ愛情を向けている姉のルッシラ(コニー・ニールセン)に対し「私は慈悲深くないというのか!」と凄むところなど、後にホアキンがジョーカーを演じることを示す予兆(“サイン”)のようです。ちなみにこのセリフはアドリブだったそうで、コニーも物凄く怯えています。うーんホアキン恐ろしや。
②『サイン』(2002)
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ローリー・カルキン
ディズニープラスで視聴する⇒こちら
Amazonプライムで視聴する⇒こちら
U-NEXTで視聴する⇒こちら
〈野球選手としてはダメだけど、バットで家族を救うホアキン!〉
今回のホアキンは、輝かしい記録とワースト記録を持っている元マイナーリーグの野球選手役という、ちょっと変わった役です。映画自体は突如世界中に現れたミステリーサークルの話で、SFスリラーと言っても良いはずの内容なのですが、キャラクターたちのセリフや行動がいちいちキュートで笑えるので、筆者はコメディだと思っています。最初は宇宙人の存在など信じていなかったメリル(ホアキン)ですが、連日のニュースや甥っ子のSF知識(仕入れ元はトンデモ本)によってだんだん感化されていきます。同居の兄のグラハム(メル・ギブソン)が家に帰ってくると、「宇宙人に思考を読まれないよう」に子どもたちと一緒にアルミホイルを頭に被っているシーンは爆笑モノ。おちゃらけたりしなくても笑わせてくれるあたり、コメディ演技も“マスター”しているようですね。しかし最後には、ちゃんとバットで家族を守るカッコいいシーンもあります! 野球とは全く関係ないところで、ですが。
③『ザ・マスター』(2012)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス
U-NEXTで視聴する⇒こちら
Amazonプライムで視聴する⇒こちら
〈コントロール不能のバイオレンスホアキン!〉
お次は荒ぶるホアキン。第二次世界大戦でのトラウマを抱えた、極度のアルコール依存症の復員兵フレディを演じています。いつ暴力を振るうか予測できない危険な男ですが、新興宗教の教祖(マスター)であるランカスター(フィリップ・シーモア・ホフマン)と出会い、変わっていきます。おそらく観客にとって最も印象的なものとしてホアキンが留置所の折の中で暴れまわるシーンがあるのですが、そこで備え付きの便器を蹴り壊します。実はこれもアドリブで、しかも歴史的価値のある便器だったそうです! まさに一世一代の演技(誰にとって?)。女性とまともに付き合うこともできず、はじめはランカスターと意気投合しつつも、徐々に自分の道を歩んでいくこの複雑な役で、ホアキンはベネチア国際映画祭男優賞に輝きました。乗りに乗ったホアキンは、翌年“世界にひとりの彼女”に出会うことになります。
④『her/世界でひとつの彼女』(2013)
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス、スカーレット・ヨハンソン、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ
U-NEXTで視聴する⇒こちら
Amazonプライムで視聴する⇒こちら
〈女運がないのかあるのか、どっちなんだホアキン!〉
これまでお話してきたようにホアキンの演技の幅は凄まじく、今回は『ザ・マスター』と真逆の、非情に内気で繊細なセオドアを演じています。妻のキャサリン(ルーニー・マーラ)と別れた後、人格を持った人工知能型OSサマンサ(声:スカーレット・ヨハンソン)に恋をしてしまいますが、異常な速さで進化していくサマンサに追いつけないという、何とも女運の悪い役。ですが、この時共演したルーニーとは後に、ガス・バン・サント監督作『ドント・ウォーリー』と、ホアキンがイエス・キリスト、ルーニーがマグダラのマリアを演じた『マグダラのマリア』で運命的な再会を果たし、婚約に至ります。一昨年には第一子も産まれ、とびきりの幸せを掴んだホアキン。今後もアリ・アスター監督(『ミッドサマー』)の新作などへの出演も決定しており、まだまだ伝説は続いていくでしょう。
いかがだったでしょうか。
稀代の役者ホアキン・フェニックスの魅力が10分の1でも伝えられたなら良いと思いますが、これらもまだまだ氷山の一角。今まであまりホアキン・フェニックスに縁がなかった方は、ぜひこれをきっかけに彼の世界にカモンカモン!!
関連記事
A24製作『カモン カモン』/ホアキン・フェニックス、子供たちへ台本無しのインタビュー!本編映像&コメント到着!
https://moviemarbie.com/news/news-1184/
ホアキン・フェニックス主演『カモン カモン』新場面写真解禁!マイク・ミルズ監督モノクロへのこだわりを語る!
https://moviemarbie.com/news/news-1174/