第87回:『パーフェクト・ケア』|甘党マフィアに捧げるエクレアとチョコスムージー!【瀬田ミナコのシネまんぷく】
共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『パーフェクト・ケア』(2021)
今回は劇場公開&配信中の映画『パーフェクト・ケア』です。
サングラスにイエローのスーツ姿のロザムンド・パイクが印象的なポスターを見かけてから、ずっと観たいと思っていた作品です!
「100%共感不能!なのに爽快!」というキャッチコピーを見て「どういうこと!?」と思っていましたが本編を観て納得。まさに「100%共感不能」なのに、ずっと目が離せない、しかもキャッチコピー通りのとても爽快な映画でした!
ロザムンド・パイクがゴールデン・グローブ賞、主演女優賞を受賞した本作は、法廷後見人の悪事と、そのブレない生き様を描いたクライムサスペンスです。
脚本・監督はJ・ブレイクソンで、コメディタッチでありながらダークな演出がとても良かったです!
物語の主人公は、ロザムンド・パイク演じる法廷後見人、マーラ・グレイソン。表向きは善良で、最高のケアを提供する信頼の厚い人物ですが、実は、ターゲットの高齢者から合法的に財産を奪う悪徳後見人なのです。公私共にパートナーであるフランと共に仕事をこなし、成功を収めているマーラが次のターゲットにしたのは、身寄りのない老婦人ジェニファーでした。
医師と結託して、あっという間にジェニファーをケアホームに軟禁し、いつものように資産を売り飛ばし始めるのですが、この一件を知ったロシアン・マフィアが裏で動き出します。そう、ジェニファーは「手を出してはいけない人」だったのです。
マーラたちはどうなってしまうのか!?
目が離せない展開の連続でした!最初はマーラたちの仕事の仕方が描かれるのですが、とっても見事!法の抜け道を行くようなやり方は、悪いことではあるものの、「頭いいなぁ」と、つい感心してしまいます。
そしてピーター・ディンクレイジ演じるロシアンマフィア、ローマンが動き出してからは、突然ハラハラドキドキする展開に。
後半は「まさか!そんな事になるなんて!」と言いたくなる予想外のストーリー展開が待っていました。
そして本当に共感できない!(笑)
このコラムを書くにあたって「一人くらい共感できそうな人いなかったかな?」と考えてみましたが、やっぱりダメでした。
主な登場人物が、法に触れてないだけでほぼ犯罪の悪徳後見人、マフィア、そしてマーラに狙われるおばあちゃん(かと思いきや、ヤバい人物)なので、主人公だけでなく周りの人物にも共感するのは難しいです!
しかし共感できないにも関わらず、だんだんとマーラを応援したくなってくるので不思議。マーラの勝ちへのこだわり、成功への執念が後半少しづつ見えてきて、そのエネルギーに圧倒されていきました!こういうパワーの事を「カリスマ性」というのかも知れないと感じました。彼女の様な強気でリスクを恐れない生き方は、自分にはできないからこそ、「彼女がどこまで行けるのか観てみたい」「応援したい」という気持ちになったのです。要するにマーラという人物の人間性のファンになってしまいました!
人間性には惹かれましたが、やっていることはかなり不愉快な行いで、例えば映画「オーシャンズ」シリーズは、やっていることは犯罪でも、観ていてあまり罪悪感を感じません。しかし、このマーラが行ってきた悪事は、「もしターゲットが自分の家族だったら?」と考えてしまって、どこか心から楽しむことが出来ないのです。
見事なテクニックに感心して喜んでいる自分と、嫌悪感を抱く自分が同時に存在して、今までにない気持ちになりました!
爽快に楽しく観れることは間違いないんだけど、なんだか心に引っかかる映画です。
そして、マーラが結託しているケアホームがとても怖い場所に見えました。
本来認知症などでケアが必要な高齢者が行くところで、安全を考えて外出や連絡を制限されているのが、突然そんな環境に置かれたらすごく怖いと思います。しかも他人の意図で、合法的にそんな事が起こるなんて本当に恐ろしい!
ニコニコと迎えてくれるケアホームのスタッフが、ホラー並みに怖く感じました。(この恐怖だけは共感できたところかもしれません。笑)
ロザムンド・パイクの凄さは先ほど触れた通りですが、共演者もとても良かったです!
ピーター・ディンクレイジ演じるローマンは、激シブですごくカッコいいのに、甘党だったりしてギャップが最高。さらにマフィアのボスにふさわしい、血も涙もないような冷たさを持ちながら、それだけじゃない所がまたかっこいいのです。「ピーター・ディンクレイジの出ている映画なら他の映画も観てみたい!」と思える素晴らしい演技でした。
最後に、抜けた歯を牛乳に浸けておくと良いことを初めて知りました。(笑)
その知識を活用できる場面には遭遇したくありませんが、一応覚えておこうと思います!
さて今回の映画メシは、甘党のロシアン・マフィア、ローマンに捧げるスイーツを作ります!
ローマンの登場シーンはカラフルなお菓子屋さんでした。そして、ことあるごとにスムージーを飲んでいたり。セリフにあるわけではありませんが、これは完全なる甘党!!
というわけで、スムージーと、どうやら大切な人と一緒に食べたいらしいエクレアを作ります!
まずはエクレア作り。
牛乳、水、バターを火にかけ温めていきます。
少量の塩と砂糖も加えたら沸騰するまで混ぜながら、さらに温めていきます。
ふるった小麦粉を加え手早くかき混ぜます。
なんだかモチモチした一塊になって、お餅っぽいです。
生地をボウルに移し、少しずつ溶き卵を加えヘラで混ぜ合わせていきます。
これがなかなか混ざり合わないわ、固くて重いわで、結構大変でした。。。
ここからは生地が冷めないうちにスピード勝負!(と、焦って作ったら写真を撮り忘れました笑)
生地を絞り袋に入れて、鉄板の上に絞り出し、オーブンで焼きました!
焼き上がりがこちらです!
前よりはうまくいったけど、やはりちょっと膨らみが足りないです。難しい。
でも卵蒸しパンの様な良い香りがして美味しそうです!
生地を二つにスライスし、チョコレートをコーティングします。
映画に映っていたものをまねて、ホワイトチョコで飾り付け、
カスタードを入れて重ねれば完成です!
お次はスムージー!見た目の色からチョコレートスムージーだと予想します。
こちらは簡単!
スムージーも作れるフードプロセッサーに、
バニラアイス、チョコレートシロップ、板チョコ、牛乳、氷を入れてスイッチオン!
だったのですが、、、。プロセッサーが壊れていて、氷をうまく砕けませんでした(泣)
あのドロッとした感じは再現できず、、ちょっとさらさらしたチョコレートドリンクが出来上がりました!(笑)
お味はばっちりチョコレートスムージーです!
そしてエクレア!
パリッとしたチョコや表面と裏腹に、中はしっとりとしていておいしいです!
ローマンは甘党でよくスイーツを食べるのに、気に入らないことがあると、すぐに食べ物を放り投げるのです。「スイーツ好きなギャップが可愛い」なんて思いましたが、実は彼の残忍さも際立つスイーツシーンでした。
それでは、ごちそうさまでした!
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今回取り上げた作品はコチラ!
【キャスト】
ロザムンド・パイク、ピーター・ディンクレイジ、エイザ・ゴンザレス、ダイアン・ウィースト
【スタッフ】
監督: J・ブレイクソン
配給:KADOKAWA
公式HP:movies.kadokawa.co.jp/perfect-care/
公式Twitter:@perfectcare_JP
(C)2020, BBP I Care A Lot, LLC. All rights reserved.
12/3(金)~全国劇場【3週限定】公開&デジタル配信開始
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
『瀬田ミナコのシネまんぷく』
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