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第86回:『聖地 X』|困惑し続ける映画体験!これは果たして茶碗蒸しなのか、プリンなのか。【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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■今回の映画:『聖地 X』(2021)

今回は、現在劇場公開中の映画「聖地X」です!

はじめて題名を目にした時から、なんだか気になって忘れられなかった映画なのですが、実際に観てさらに!忘れられなくなりました!ホラーっぽいのかと思いきや、ジャンルレスな映画に困惑しつつもあっという間の二時間弱でした。

映画「聖地X」は劇団・イキウメによる同名の舞台を、入江悠監督が映画化した作品です。入江監督がイキウメの舞台を映画化するのは2016年の「太陽」に続き、二作目になります。主演は岡田将生さんと川口春奈さんで、韓国を舞台に繰り広げられる物語は、オール韓国ロケで撮影され、観光名所などは映っていないにもかかわらず、どこか日本とは違う雰囲気を放っていました。

物語は、小説家志望の兄・輝夫の元に、妹・要が転がり込んでくるところから始まります。日本で結婚生活を送っていたはずの要ですが、夫の滋との関係が悪化したことから、兄の住む韓国の別荘へとやってきたのです。そのまま韓国で暮らす輝夫と要でしたが、ある日突然、滋が現れます。が、様子がなんだかおかしいのです。

そして日本にいる滋の上司・星野から「滋は間違いなく日本にいて会社に出勤し、目の前にいる」ということを聞き、「滋が二人存在している」というおかしな事態に気が付き始めます。韓国に現れた滋の正体を知るべく、彼が最初に現れたオープン前の和食店に向かうのですが、そこでは同じような奇妙な出来事が続いていたのです。その地に宿る何かは一体何なのか、二人いる滋を輝夫と要は一体どうするのか。人間が立ち入ってはいけない場所「聖地X」で繰り広げられる物語です。

最初にも書いた通り、ホラーっぽいのを想像して少しビビりながら観に行ったのですが、本編に怖いシーンはほぼありませんでした!にもかかわらず、映画の途中まで、やはりドキドキしながら映画を観ていた私。予告編や前情報から「これは怖い映画だ」と思い込んでしまっていたのです。

今作ではこの「思い込み」というのもキーワードになっていて、私のように、人はすぐに思い込む生き物だなぁと感じました。ネタバレになってしまうのであまり書けないのですが、その「思い込み」というのをこんな風に描くなんて、「ものすごい発想だ!」驚きました!さらに映像として「思い込み」をいろんなアプローチで表現しているのがとても面白かったです。(実は既に二回観たのですが、一回目は困惑しっぱなしで、二回目にやっと少しずつ細部に目が行きました)

ではホラーでないなら何なのかというと、、、。

、、、とても難しいです。ジャンルレスというのが一番近い気がします。コミカルなシーンもかなりあるので何度もクスッと笑いながら観れますし、ミステリーや推理物の要素もあるし、さらにはヒューマンドラマを感じる所もありました。

なのに作品全体に奇妙な違和感もずっとあって。映画を観ていてかなり困惑しました。

実は一回観た直後は「なんだったんだこの映画は!?よく分からないぞ?」と戸惑いを隠せない状態でした。(笑)しかし帰り道にもずっと頭から離れず、「あれは何だったんだ?」「ここはどういう意味だろう」「辻褄あってるのかな?」と、考えれば考えるほど、奇妙な映画の世界に引き込まれていくという体験をしました。そしてあーでもないこうでもない、といろいろ考えた後に観た二回目では、はまた違う印象を受けました!

他の人の解釈を聞いたり、見方を変えて観たりすれば、まだまだ色んな発見がありそうです!

そしてすごく良かったのが、韓国の俳優を含めたキャストです。主演の岡田将生さんと川口春奈さんはもちろんの事、滋を演じた薬丸翔さんと、和食店の店長の妻を演じた山田真帆さん(聖地にて何やら様子がおかしくなる二人)がとても良かったです。二人とも「確かにその人なのに、なんか違う」という絶妙な不気味さを醸し出していて、素晴らしかったです!特に薬丸さんはシーンによって芝居にも違いがあるのですが、どれにも共通する違和感があり、動きや表情の一つ一つが忘れられない感じになっています!後半になるにつれ、激しい動きのあるシーンも出てくるのですが、とっても緊迫のシーンでもどこかコミカルさがあり、この滋という役は他の役者さんでは務まらなかっただろうと感じる独特の雰囲気がありました。

滋の上司の星野を演じた真木よう子さんと家政婦のスヨンを演じたパク・イヒョンさんは最高でした!特に星野は、変なことに巻き込まれているのに、数秒後には「ま、いっか。」と言いそうな、あっけらかんとした性格が素敵で、作中彼女のリアクションに何度も笑わせられました!彼女の様な面倒見が良くて明るくて、くサバサバした上司が欲しいです(笑)

さて、今回の映画メシは映画を観た人には分かる!茶碗蒸しとプリンです!

見た目が似ているこの二つの食べ物ですが、映画の中ではなんとも不思議なことが起こります。

今日は実際に二つを作ってみて、どれくらい似ているのか!?を検証してみたいと思います!

今日は蕎麦猪口とココットを器にして作ります。

まずは茶碗蒸しから。

かまぼこ、三つ葉を食べやすい大きさに切ります。

鶏モモ肉は火が上手く通るのか心配だったので、やりすぎなくらい小さく切りました。

卵をボウルに割入れたら、泡立てないように気を付けながらしっかりほぐします。

用意しておいただし汁をそっと流し入れ、塩を少し加えて混ぜ合わせます。

蕎麦猪口とココットに具材を並べていきます。

茶漉しで濾しながら卵液を入れます。ここでは完成よりも少し少なめに注ぎました。

一個ずつアルミホイルを被せていき、

蒸し器で蒸します。

ある程度固まったら一度取り出し、再び卵液を注ぎます。二回に分けて蒸すことで、具材が表面に浮いてきちゃうのを抑えます。

しっかり固まり、染み出す汁が透き通れば完成です!

お次はプリン!

卵を泡立てないようにほぐし砂糖を加えてさらに混ぜます。

牛乳を少しづつ加えて、静かに混ぜ合わせます。最後にバニラエッセンスを加えて卵液の完成です。

小さめのフライパンにグラニュー糖とお水を入れてゆっくり熱していきます。

だんだん色がついてくるので、お好みのタイミングで、少量のお水を加えます。(この水を入れた瞬間、アツアツの飴状の液体が跳ねまくるのですごく怖かったです、、、!)

カラメルが固まる前に器の底に広げます。

その上に、茶漉しで濾しながら卵液を注いでいきます。

一個ずつアルミホイルを被せ、蒸し器で蒸していきます。

茶碗蒸しとプリンは見た目だけでなく作り方もほぼ一緒なことが分かりました!

固まったら粗熱を取り、冷やして完成です!

どうでしょうか!これはかなり似ています!

写真にはプリンと茶碗蒸し、どちらも映っていますが、どれがどれだか分かりますか?(笑)

良ーく見ると、表面の質感がちょっとだけ違いますが、二つ並んでいるから違いが分かるのであって、単体で出せれたら絶対見分けがつかないと思います。

これは「プリンだよー」って渡されたら信じてしまいそうです!

 

それではいただきます。

茶碗蒸しは鶏肉から出てきた出汁のお味がとてもおいしいです!三つ葉の香りですっきりもしていて、風邪をひいたときに食べたくなる奴ですね!

プリンは滑らか柔らかめになるように作ったので、口の中に入れると、とろんとしていていい感じです。

作り方があんなに似ていたのに食感が結構違います。

どっちも美味しくできて良かったです。

ごちそうさまでした!

(余った分を冷蔵庫に入れておいたのですが、翌日母から「プリンごちそうさまでしたー」と言われました。余ったのは茶碗蒸しだけのはずだったんだけどな。

似てたから私の数え間違いですね!、、、きっと。)

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今回取り上げた作品はコチラ!

【キャスト】
岡田将生、川口春奈、渋川清彦、山田真歩、薬丸翔、パク・イヒョン、パク・ソユン、キム・テヒョン、真木よう子、緒形直人

【スタッフ】
原作:前川知大「聖地X」
監督・脚本:入江悠
音楽:SOIL&”PIMP”SESSIONS、海田庄吾
企画・制作プロダクション:ROBOT
配給:GAGA 朝日新聞社 
日本/カラー/114分
(C)2021「聖地X」製作委員会

公式HP:https://seichi-x.com/
公式ツイッタ-: @seichiX_movie

11月19日(金)劇場・配信/同時公開!
11月19日(金)渋谷HUMAXシネマ ほか全国ロードショー

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』
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