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暴力、セックス、ドラッグ、反体制・・・映画の歴史を変えたアメリカン・ニューシネマ特集② 『イージー★ライダー』

2月1日より『イージー★ライダー』の日本公開50周年を記念したリバイバル上映が行われる。そこで今週の「今夜何観る?」は一大ムーブメントを巻き起こした“アメリカン・ニューシネマ”作品を特集する。60年代後半から約10年間、アメリカ映画界を牽引してきたアメリカン・ニューシネマからは今も語り継がれる名作が数多く誕生した。その軌跡を辿る。

『イージー★ライダー』(1969)
アメリカは決して自由な国ではなかった

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この映画は60年代後半に登場した、ヒッピー文化の大きな軸をなす薬物が大きく取り上げられた作品だ。性の解放やマリファナなどのドラッグを吸う。一方で60年代後半は『俺たちに明日はない』の記事で述べたように混沌とした時代だった。そんな時代に翻弄された男を描いた映画が本作である。ちなみに撮影現場でも実際に役者は相当にラリっていたらしく、あのラリっている姿は演技でない可能性がある。

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主人公2人は自由に生きることを望み、アメリカ大陸横断の旅に出る。広大な大陸を、大型バイクに乗り、颯爽と走る2人の姿はまさに自由そのものだ。しかし、旅先で出会うのは彼らが思い描く自由とは程遠いアメリカの現実。差別的な言葉を吐きかけられ、暴力の対象となってしまう。なぜ彼らは差別されてしまうのか?それは「自由に生きる」という自由があるように、「誰かを差別する」自由が同時に存在してしまっているからに他ならない。

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これは自由ではなく、むしろ混沌だ。性や薬物の自由が存在していたように、アメリカには暴力の自由も存在していたのだ。その根深きアメリカの闇に気付いた時には既に手遅れ。彼らはその暴力の犠牲となってしまう。薬物や性の自由を描きながら、最後に絶望のどん底に突き落とされる。『イージー★ライダー』はまさに60年代後半のアメリカを象徴する作品と言えるだろう。

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【ストーリー】
1960年代、アメリカ。ドラッグ密輸で大金を手にしたワイアットとビリーは、ハーレーダビッドソンにまたがって旅に出る。ロサンゼルスから謝肉祭の行われるニューオーリンズを目指す2人は、農家で食事をご馳走になったり、ヒッピーのコミューンに滞在したりと気ままな旅を続けるが……。

【キャスト】
ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ジャック・ニコルソン ほか

【スタッフ】
監督:デニス・ホッパー