ダニー・ボイル作品特集①『トレインスポッティング』

 

ダニー・ボイル作品特集①

いよいよ今週末に公開が迫った映画『イエスタデイ』。世界中の人々が伝説のバンド“ザ・ビートルズ”を忘れた世界で、そのザ・ビートルズの楽曲で人気を獲得していく歌手の物語だ。そんな『イエスタデイ』を手掛けたのはイギリスが誇る名監督ダニー・ボイル。今週の「今夜何観る?」コーナーでは、そんなダニー・ボイル監督作品をご紹介!

『トレインスポッティング』(1996年)

●世界に衝撃を与えた90年代を代表する青春映画

ダニー・ボイル監督作品を語るにあたってやはり外せないのが『トレインスポッティング』である。イギリスを始めとしたヨーロッパはもちろんアメリカや日本でも大ヒットを記録した。監督のダニー・ボイルはもちろん、ユアン・マクレガーやロバート・カーライルなど、多くのキャストにとっても出世作となった。

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【ストーリー】
ドラッグ中毒のマーク(ユアン・マクレガー)と悪友たちは常にハイ状態か、あるいはドラッグを手に入れるため盗みに精を出しているというていたらく。ある日、マークはこのままではいけないと更生するためにロンドンに行き職に就く。ところが、彼らの仲間が会社に押し掛けたことが原因で、マークはクビになってしまう。

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何と言ってもオープニングのインパクトが大きいだろう。主人公のレントンとスパッドが警備員に追われながら、全速力で走り抜けるシーンだ。この時バックに流れているのはイギー・ポップの「Lust For Life」だ。そしてレントンの「人生に何を望む・・・?」というモノローグが始まる。ちなみに「Lust For Life」は日本語にすると「人生への渇望」という意味になる。レントンが語るモノローグにこれ以上ピッタリの曲は無いのだ。

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レントンとその仲間たちは麻薬に溺れている。いわゆる麻薬中毒者というやつだ。本作にもそうした薬物中毒の典型とも言える場面が多数登場する。注射針からエイズに感染する、職を失い犯罪に手を染めるなどがその例だ。更生したくても抜け出すことの出来ない薬物の恐ろしさを、レントンとその仲間たちを通じて描いている。ただし、説教臭い感じは全くしない。私たちが観ているのは人生を変えようと、必死になっている若者たちの姿だ。

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キャストに目を向けると、本作に出ている俳優たちは今となっては皆映画界を牽引する存在になっている。主人公レントンを演じたユアン・マクレガーはご存知の通り『スター・ウォーズ』新3部作でオビ=ワン・を演じ、今では映画界に欠かせない俳優になった。同じくベグビーを務めたロバート・カーライルは本作の翌年には『フル・モンティ』ではメインキャストを務めた。ちなみにカーライルは今週末公開の『イエスタデイ』にも出演している。しかも“あの人”の役で。

映画界にとっても、ダニー・ボイルにとっても、キャストにとっても重要な作品となった本作。21年後の2017年に本作の続編『T2 トレインスポッティング』が公開されたが、その作品は本作は全く異なる角度から、人生を見つめた作品になっている。あのエネルギッシュでハチャメチャな若者たちがどうなったのか。そちらも併せて観てみるのも一興だろう。

 

トレインスポッティング

『トレインスポッティング』(1996年)

監督:ダニー・ボイル

キャスト:ユアン・マクレガー、ロバート・カーライル、ケリー・マクドナルド ほか

 

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