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【レコメン広場】「ベスト・オブ・リドリー・スコット」①『グラディエーター』希代の“大作男”リドスコよ永遠なれ!「将」の才を描く傑作、その続編はアメギャン?

巨匠リドリー・スコット。

1977年の『デュエリスト 決闘者』で長編監督デビューを果たし、その後『エイリアン』(79)や『ブレードランナー』(82)ですさまじい映像センスを発揮。われわれ観客の度肝を抜きました。その後も、『テルマ&ルイーズ』(91)、『グラディエーター』(00)、『ブラックホーク・ダウン』(01)でアカデミー賞ノミネートを連発したり、イギリスからナイトの称号をもらったり(なので正式にはSir Ridley Scott)、挙げだしたら切りがない超すごい映画監督です。

そんなリドスコ監督も今月末で87歳。
もうさすがに隠居する頃かなと思いきや、超ド級の最新作『グラディエーター2』が公開!
すごい元気!衰え知らず!

そこで、今回のレコメン広場では、「ベスト・オブ・リドリー・スコット」を開催!
これまでにリドスコ監督の手掛けてきた作品の中から、あなたが一番好きな作品を教えてください!
その作品にまつわる思い出や、この映画のここが好き!など、思いのたけを綴って下さい!

 

■投稿者:たんす屋

『グラディエーター』(2000)
希代の“大作男”リドスコよ永遠なれ!
「将」の才を描く傑作、その続編はアメギャン?

自らの名を隠し、一介の剣闘士としてコロッセウムに入場する男。
周囲には、走り回る戦車(ローマ式の馬車)の群れ。
絶体絶命の危機に怯える数人の剣闘士仲間たちを前に、彼は無敵の将軍マキシマスに戻る。

「この中で、軍にいたものは?」
「おう!」
「おう!」
「北方戦線であなたの部下でした。」

「うむ。どんな敵が来ようとも、共に戦った方がはるかに勝算がある」
「わかるな」
「決して離れるな、必ず勝つ。」

映画「グラディエーター」の白眉ともいえるシーンですね。
このシーンによって、この作品は妻子を殺された男の復讐モノから、誇り高い男の「捲土重来」の物語に変質してると思います。

特に「北方戦線であなたの部下でした。」っていうのが、同じ剣闘士仲間にいたのがすごい。彼はオリの中で一緒に幽閉生活を送るうらぶれた剣闘士の正体が、かつてローマ最強の将軍だったというのを知っていた。それなのにずっと黙ってたのだということになります。
その男は明らかに、この時を待っていたんでしょうね。

「北方戦線であなたの部下でした。」
それを言いたくてしょうがなかったと思います。
言われたマキシマスは深くうなずく。この部下は、もうすぐ死ぬかもしれない絶体絶命の状況下にも拘わらず天にものぼる心地だったことでしょう。全然メインのストーリーとは関係ない部分の話ですが、リドリー・スコットはそういう男同士のリスペクトをさりげなく描くのが実にうまいです。

その「グラディエーター」に続編が出来たという。
リドリー・スコットが自分の作品の続編を描くのは「エイリアン」の続編「プロメテウス」がありますが、あれはちょっと“飛ばし過ぎ”なので、実質初めてかもしれませんね。
彼が他の人の続編をやって化けさせた例はあります。ご存じ『ハンニバル』ですね。後輩監督のジョナサン・デミのアカデミー作品の続編という、あんまりやりたくない度満点の作品を、リドリー・スコットはデミ監督の作品を乗り越えて、トマス・ハリスの原作を塗りつぶして、紛うことなきリドリー映画としてこの世に降臨させました。
今回、自分の映画をどう料理するか?見ものですね。

あと、リドリー・スコットの映画ってちょっとづつ他のリドリー作品の要素が入ってるのがいいんですよね。「ブレード・ランナー」と「誰かに見られている」は同じ劇伴音楽を使うなど、探偵ものハードボイルドとして近い演出がされていますし、「デュエリスト」「ブラックレイン」も近いです。時代もジャンルも違いますが、彼の頭の中の世界観では近いところにある作品なんだなと思います。

「グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声」でいうと、「グラディエーター」要素はあって当たり前なわけですが、デンゼル・ワシントンが出てますね。彼はリドリー・スコットの「アメリカン・ギャングスタ―」という傑作に出てまして、それは彼とラッセル・クロウの2大スター競演のクライムサスペンスで、本作と微妙につながる感じなので「古代版アメギャン」とみて間違いないかもですね。そういう過去作オマージュも探してみるといいでしょう。

あんまり関係ないですが、予告編で流れえるジェイ・Z&カニエ・ウェストの「No Church In The Wild ft. Frank Ocean, The-Dream」はデンゼル主演の「デンジャラス・ラン」のテーマでもあります。期待感は高まりますね。

2000年製作/155分/アメリカ
原題または英題:Gladiator
配給:東宝東和
劇場公開日:2000年6月17日(日本初公開)、2024年10月11日

出演者:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン ほか

監督:リドリー・スコット
脚本:デヴィッド・フランゾーニ、ジョン・ローガン、ウィリアム・ニコルソン
原案:デヴィッド・フランゾーニ
製作:ダグラス・ウィック、デヴィッド・フランゾーニ、ブランコ・ラスティグ
製作総指揮:ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス
音楽:ハンス・ジマー、クラウス・バデルト、リサ・ジェラルド
撮影:ジョン・マシソン
編集:ピエトロ・スカリア

 

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    『グラディエーターII』
    2024年 11月15日(金)全国公開
    配給:東和ピクチャーズ
    ©2024 PARAMOUNT PICTURES.