MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

明るい気持ちになれる!“生きる原動力”になるコメディ映画20選/#9『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』福田組オールスターが集結!シンデレラに一捻りを加えた本格サスペンス?!

映画・ドラマライターの伊藤万弥乃です。全20回に渡って「生きる原動力になるコメディ映画」をテーマに1本ずつ映画を紹介させていただきます!私がコメディ映画を観たいと思うのは、心が沈んでいるときや現実逃避をしたいとき。だからこそ、爆笑までしなくとも、観ている間だけでも楽しい気分にさせてくれる作品をテーマにピックアップしていこうと思います。

今回選んだのは福田雄一監督最新作、
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』

前回、アダム・サンドラー主演ラブコメディ『50回目のファースト・キス』の日本版をご紹介しました。その日本版リメイクを手掛けた福田雄一は、日本のコメディ映画を生み出し続ける映画監督です。

今回はそんな福田監督が手掛けた最新作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』をご紹介。この映画は9月14日よりNetflixにて配信が開始されたオリジナル作品で、公開されるとすぐに日本の映画ランキングのトップとなり、51の国と地域でも週間映画TOP10に選ばれるなど注目度が高い作品です。

原作となったのは青柳碧人の著作である同名小説。様々な童話・昔話の登場人物が直面した殺人事件を解決していくという新感覚ミステリーとなっており、本作では主人公の「赤ずきん」が旅の途中で「シンデレラ」と死体に出会い、その不可解な事件の謎を解明していきます。

豪華俳優大集合!
主人公の赤ずきんを演じるのは、『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』など福田組の常連ヒロイン・橋本環奈。シンデレラ役は福田組初出演となる新木優子が演じています。また、「シンデレラ」の中でキーキャラクターになるのは継母と姉二人、そして王子様。継母は真矢みき、長女は夏菜、次女は若月佑美が演じており、福田監督の魔法によって、頑固だけど少し愛おしさすら感じてしまうようなキャラクターに。王子様役にはいかにも“王子様”らしい岩田剛典。しかし、ただ舞踏会でシンデレラと恋に落ちるという役割ではない、というところがこの映画最大のポイントだと言えるでしょう……。(詳しくは後ほど記述します)

前回の記事でも述べた、福田組の最常連である佐藤二朗とムロツヨシはそれぞれ、国王とかぼちゃの馬車の御者(ねずみ)という、やはり重要な役どころで登場。そのほか、まるで「勇者ヨシヒコ」で登場する盗賊のようなシチュエーションで現れる魔女たちも物語には欠かせません。黒い魔女・バーバラはキムラ緑子、靴をガラスの靴に変える魔法をかける白い魔女・テクラは桐谷美玲が演じており、まさに福田組オールスターが集結しています。

「シンデレラ」に一捻りを加えた本格サスペンス?!
シンデレラと赤ずきんが出会い、魔法で着飾り、舞踏会に行く途中で「死体に出会う」のですが、彼女たちは舞踏会を逃さないよう、通報せずに死体を隠して城に向かいます。しかし、その舞踏会の最中に、死体が見つかったという情報が国王の耳に入り、舞踏会に出席した女性たちの中に犯人がいるかもしれないと、彼女たちは結局城の中に閉じ込められてしまいます。

先述の通り、この物語の鍵となるのは王子様と、彼を取り巻く女性たちです。私たちの知っている童話「シンデレラ」では王子様はシンデレラ一筋なはず。でもよく考えると、モテモテだったはずの王子様が今までに恋をしてこなかった可能性は低いですよね……。そう、この映画では王子様は過去の恋愛を引きずっているのです。確かに、王子様が一目見ただけのシンデレラより、過去の恋愛を引きずっている方がリアル。童話の当たり前を根底から覆しています。そしてそれが大事件の謎を解く最大のヒントに繋がっています。

死体を見つけたのに、平然と舞踏会に行こうとする赤ずきんとシンデレラが「完全犯罪だ……」と変顔をしながら死体を隠すなど、シリアスにならなければいけない場面で、思いっきりふざけられるのも福田組ならでは!最終的には赤ずきんが意外な犯人を捕らえることに成功し、不可解な謎の数々が明らかになっていきます。

 

「勇者ヨシヒコ」のような低予算作品から、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』のようなNetflixの予算がしっかり付いたファンタジーまで、どんな規模でもしっかりおふざけを入れるという一貫性のある福田組作品たち。実力派俳優たちの違った一面を見ることができる、貴重な作品ばかりです。

なぜ死体は彼女たちの目の前に現れたのか?なぜその人物は殺されることになってしまったのか?シンデレラは本当に純粋な心の持ち主なのか……?日頃の息抜きとして観てみてはいかがでしょうか。

 

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』(2023
Netflixで視聴する⇒こちら

【ストーリー】
ハワイでコーディネイターをするプレイボーイ弓削大輔(ゆげだいすけ)はある日、カフェで藤島瑠衣(ふじしまるい)という女性と出会い恋に落ちる。しかし、翌日同じカフェで会った彼女は大輔の事をまるで覚えていない。実は彼女は交通事故の後遺症により、新しい記憶は1日で消えてしまう短期記憶障害を負っていたのだ。彼女を想う父と弟の手で、その事実を隠され、同じ日を繰り返す瑠衣。事情を知った大輔は、毎日、自分を覚えていない彼女に一途に愛を告白し続ける。瑠衣にとっては毎日が大輔との初対面。大輔の機転と努力により結ばれた二人だが、大輔の本当の夢を知った時、瑠衣はある行動に出る。

【キャスト】
橋本環奈、新木優子、岩田剛典、夏菜、若月佑美、桐谷美玲、ムロツヨシ、加治将樹、長谷川朝晴、犬飼貴丈、山本美月、キムラ緑子、真矢ミキ、佐藤二朗

【スタッフ】
監督:福田雄一
原作:青柳碧人「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」(双葉社刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:佐藤善宏(Netflix)
企画統括:佐々木基プロデューサー:松橋真三(クレデウス)
制作プロダクション:クレデウス
制作著作:テレビ朝日企画・製作

 


伊藤万弥乃(いとうまやの)
海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。
大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。
シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

執筆記事:https://linktr.ee/mayano
ブログ:https://ladybird99.com/

関連記事:【ENDROLL】「ライターとして生きる。」ライター 伊藤万弥乃 さん(前編)