第59回:『アラジン』|ジャスミン香るロールケーキを食べながら聞きたい!新しい名曲の誕生!【瀬田ミナコのシネまんぷく】
共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『アラジン』(2019)
今回は実写版「アラジン」です!
言わずと知れたディズニーのアニメ映画が、2019年に実写映画としてリメイクされました。
近年、ディズニーの長編アニメーションは次々と実写化されていますが、個人的には現在公開されているものの中で一番リメイクして良かったと思える作品です。
続編の話も進められているという実写版「アラジン」。アニメ版の良さはそのままに、あらゆる面でさらに面白く、より豪華に、パワーアップして描かれていて最高でした!
まずはあらすじから。
物語の舞台はアラブのどこかにあるアグラバーという王国です。スパイスが香りが漂い、異国の文化が混ざり合うその国で暮らす貧しい青年が、主人公のアラジンです。彼は唯一の家族であるサルのアブーと共に、盗みを働きながら生活していました。もう一人の主人公はアグラバーの王女であるジャスミンです。こっそりと城を抜け出して街にやって来た彼女は、そこでアラジンと出会います。互いに惹かれ合うも、王女と貧しいコソ泥、結ばれるはずもない二人です。
そんな中、国を乗っ取ろうと秘かにたくらむ国務大臣・ジャファーが強大な力を欲して魔法のランプを手に入れようとします。アラジンを利用しランプを手に入れたジャファーでしたが、思惑は崩れランプはアラジンの手に。そしてアラジンは魔法のランプの中に閉じ込められていた最強の魔人・ジーニーと出会うのです。この出会いが登場人物たちの運命を変えていきます!
全体を通してとにかく音楽が素晴らしいです。ほとんどの挿入歌は、アニメの時からあるおなじみの曲ですが、そのすべてがパワーアップしていました!メロディーこそなじみ深いものですが、低音の響きやオーケストラの迫力が桁違いで、映画の前半を観ただけで「サウンドトラックが欲しい!」と思うほどです。基本的には劇場公開が終わっている作品ですが、ぜひ映画館の音響設備で観たい映画です!(私は自宅で観る時にわざわざ良いスピーカーに繋げました)
映画の始まりでは、「アラビアン・ナイト」という曲と共に、アグラバーの街並みと城と登場人物たちが登場します。この曲の持つ怪しげな雰囲気と、魔法の絨毯で空を飛ぶかのようにワンカットで映し出されるアラジンの世界がとても素敵でした。これから始まる物語の世界にあっという間に引き込んでくれる最高の始まり方です。
アニメ版アラジンの中で、もっとも有名な曲をあげるならばアラジンとジャスミンの歌う「ホール・ニュー・ワールド」だと思います。もちろん実写版の今作でも歌われますし、素敵だったのですが、他の曲のインパクトが強く、アニメ版ほど目立たなかったように感じました。(あくまで個人的な主観です)
今回リメイクにあたり一番変更が多かったのはジャスミンの描かれ方です。
アニメ版よりかなり能動的な女性になっていました。女性も声をあげて良いんだ。女だからと黙らせられる時代は終わったとのだという社会的流れを感じました。個人的には男女格差はあってはならないし、この映画に込められたメッセージは素晴らしいと思いますが、最初に映画を観た時はちょっと違和感を感じたのも事実です。物語やキャラクターの大部分がアニメに忠実に作られていたので、唯一の変更点とも言えるそこが不自然だったのです。30年前とは違う社会の価値観に対応した作品を作らねば!という作り手たちの事情に頭がいってしまって、一瞬現実に引き戻された感じがしました。
しかし!実写版のジャスミンの象徴ともいえる「スピーチレス~心の声」という曲が、私が感じた違和感を払拭してくれました。これまで、女だから、子供だからと黙って従うしかなかったジャスミンが、勇気をもって声をあげる、力強い曲です。さすがヒット曲を生み出すディズニー!!頭に残るメロディラインと、ジャスミン役のナオミ・スコットさんの圧倒的な歌唱力で、この映画になくてはならない名曲になっていました。アニメ版の看板曲が「ホール・ニュー・ワールド」なら、実写版の看板曲はこの「スピーチレス~心の声」だと思っています。
新しいジャスミン像に初めは違和感こそ感じたものの、映画が終わるころには実写版ジャスミンが大好きになったし、最終的にはあって良かったと思える変更点です!
実写化されると知ったとき、まず最初に思ったのが「ジーニーはどうやって表現するの?」という事でした。陽気でハイテンションなランプの魔人・ジーニーは、実写のイメージが出来ませんでしたし、ウィル・スミスが演じると知っても、アニメ版のあの独特のキャラクターを超えることはできないと思いました。
公開された当時、どうなっているのか心配が半分、期待が半分で観に行き、彼が最初に画面出てきた時に受けた印象は「青いウィル・スミス」(笑)ジーニーにはあまり見えませんでした。 しかし、なんと5分後にはすっかりジーニーとして受け入れられました!アニメ版に全く劣らない、主張が強くて楽しくて、最高な魔人ジーニーを演じきったウィル・スミスに拍手したいです!
彼が使う魔法の一つ一つの演出が面白かったのも好きなポイントです。夢があるし、ド派手でジーニーらしい魔法ばかりでした!
「フレンド・ライク・ミー」と「アリ王子のお通り」の二曲は、ジーニーの魔法がふんだんに使われるシーンでもありますが、とにかく派手!目が忙しいです。(笑)
どのシーンもカラフルで色彩豊かな映画ですが、特にここは衣装もダンスも激しいので印象的でした。
そしてもう一つの注目ポイントが、魔法の絨毯です!
絨毯に乗って空を飛ぶ、ロマンチックなシーンはもちろん、迫力満点のアクションシーンもありました。アグラバーの街の中を高速で飛び回り、追手から逃げる疾走感は病みつきです!私も絨毯に乗って追いかけっこしたい!メイキング映像には、絨毯の撮影用に作られた大きな装置に乗って撮影している姿が写っていましたが、それが本当に絨毯に乗っているような映像になるんだから、CGってすごいなと、改めて思いました。
さて今回作る料理は、実写版「アラジン」になくてはならない大事なメッセージを持ったプリンセス、ジャスミンをイメージして作りました!
ジャスミンフレーバーのロールケーキです。ペットの虎であるラジャーをイメージして虎模様に焼いていきます!
まずはスポンジ作り。
卵に砂糖を加えて、ハンドミキサーで泡立てていきます。筋が残るくらいしっかり泡立てます。
小麦粉と粉末状のジャスミンティー入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜたら、サラダ油を加えてツヤが出るまでさらに混ぜます。
生地を少量とりわけココアパウダーを混ぜ、色を付けたら虎の模様を描いていきます。
手早くやらないと、せっかく立てた泡がなくなってしまうので大急ぎです。
模様が描けたら上から残りの生地をかけて形を整え、オーブンで焼いていきます。
焼いている間に、水、砂糖、ラム酒を火にかけ、スポンジの乾燥を防ぐシロップを作ります。
焼きあがったスポンジにシロップを塗り、ラップに包んでおきます。
ホイップクリームを泡立てて、フルーツをカットしたら準備OK!いよいよロールしていきます!.
スポンジの上に生クリームを広げ、フルーツも散りばめ、思い切りよく巻きます!
形を整えたら冷蔵庫で冷やし固めて完成です!
虎柄が綺麗にできて良かったです!
いろんな色のフルーツもカラフルでアラジンの世界っぽいかも!?
気になるお味ですが、、スポンジが爽やかで驚きました!オーブンで焼いている時、意外とジャスミンの香りがしないなーなんて思っていましたが、食べてみるとほのかに香ってきます。今まで食べたことのない味のロールケーキで、クリームの甘さを中和してくれてとっても美味しいです。
爽やかだからつい食べ過ぎそうです。
今作でのジャスミンのように、勇気をもって声をあげられる素敵な女性になりたいです!
ごちそうさまでした。
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今回取り上げた作品はコチラ!
【キャスト】
ウィル・スミス、メナ・マスード、ナオミ・スコット、マーワン・ケンザリ、ナヴィド・ネガーバン、ナシム・ペドラド、ビリー・マグヌッセン
【スタッフ】
監督:ガイ・リッチー
脚本:ジョン・オーガスト
音楽;アラン・メンケン
原作:『アラジンと魔法のランプ』
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/
※瀬田ミナコが出演中の共感シアターのアーカイブ動画はこちら!
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