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第48回:『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』|主人公の頭の良さに終始驚き!そんな彼が食べたかったエクレアを作る!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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■今回の映画:『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2003

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『勝手に若かりしレオ様特集!!』というわけで、今回の映画は『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』です。前回、レオナルド・ディカプリオ主演の『ロミオ+ジュリエット』を題材にしました。あまりにもレオ様がかっこよすぎて、私の頭の仲が彼でいっぱいになってしまったので、今回も彼の出演作を題材にすることにしました!

今回選んだ『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は監督がスティーブン・スピルバーグ、主演二人がトム・ハンクスとレオナルド・ディカプリオということで、面白いこと間違いなしの一本です。私は初めて観たのですが、主人公の頭の良さに驚き、そしてこれが実話をもとにしたストーリーであると知ってさらに驚きました!!

物語の主人公はレオナルド・ディカプリオ演じる、フランク・W・アバグネイル・Jrという二十歳にも満たない少年です。フランクは16歳の誕生日に銀行の口座と小切手を手に入れ、その小切手を使い詐欺を始めます。それを皮切りに、世界各地で小切手詐欺をはじめ、パイロットや医師、弁護士など次々に身分を偽って詐欺を続けていきます。そんなフランクを追いかけるのは、トム・ハンクス演じるFBI捜査官のカール・ハンラティです。タイトルである「Catch Me If You Can」、「捕まえられるもんなら捕まえてみろ」の通り、天才詐欺師とFBI捜査官の攻防の日々を描いた作品です。

フランクの頭の回転の速さが痛快な映画ではありますが、私は一緒にハラハラしたり罪悪感を抱いたりしていたので、観ていてものすごく疲れました(笑)特に身分を偽り始めてからは、本物のパイロットと会話を合わせないといけなかったり、知識もないのに医者として治療の指示を求められたりして、嘘がばれそうなシーンが何度もやってくるので心臓に悪かったです。しかしその危ない局面を、見事な演技力と巧みな言葉でごまかしていくのがこの映画の面白い所!絶妙に話をずらしたり、抽象的な返事で逆に本物らしさが出ていたりして、このフランクという人物の頭の良さに終始驚きながら観ていました。

特に初めてカールと対面するシーンは、その大胆な嘘に思わず感心してしまいました。それは、フランクがハリウッドのあるモーテルに滞在していた時の事、小切手を頼りに後を追ってきたカールに滞在している部屋がばれてしまいます。そして銃を構えて突入してきたカールに対し、フランクは落ち着き払ってトイレから出てきて、自分は秘密検察局の人間で一足先に犯人を捕まえたという大嘘をつきます。信じられないような大嘘ですが、ここがフランクのすごい所で、ただの財布や通行人を巧みに利用してFBIをも騙しこんでしまいます!騙されたことに気づいたカールが憤慨している様子は観ていて最高に気持ち良かったです。

もうひとつ、スカッと気持ちよかったシーンは、初めて彼が周りを騙した、高校転校初日のシーンです。新入りというだけでぶつかられ、からかいの声をあびたフランクは怒りからとっさに臨時教員のふりをします。そしてなめた態度で接してきたクラスメイト達をあっという間に静かに座らせ、授業を始めてしまうのでした。最終的に学校にバレるまでの一週間、同い年の高校生相手にフランス語の授業を行い、宿題まで出していたのです。

これから先に起こす大胆な詐欺事件を予感させるようなエピソードですが、いじめっこに教科書を読ませたりして、とても面白かったです。

そんな頭の良すぎるフランクですが、結局は離婚した両親の復縁のためであったり、幸せな家庭を求めてやまない所が切ないです。父親には事あるごとに母親と出かけるように持ち掛けているし、結婚寸前までいった彼女の両親の仲の良い姿を見つめる眼差しは、ただただ家族と幸せに過ごしたい男の子の目そのもので可哀そうでした。ずっと嘘をついた状態なので本当のことを話せる人もおらず、心の許せる友達もいない彼は、クリスマスになるとカールに電話を掛けます。時には自分の居場所を自ら伝えたりして、寂しいのが感じ取れます。だからこそ早く捕まえてあげてほしいし、もう嘘をつかずに過ごせるようにしてあげたかったです。なので映画のラストで「フランクとカールは今でも仲の良い友人」というテロップが出たのはすごく嬉しかったです。自分の犯罪歴も何もかも知っている友達ができたことは、フランクにとって素晴らしいことどったと思います。カールのモデルは複数人いるという説もあり、そこはフィクションなのかもしれませんが、この映画の終わり方としてはこれ以上ないハッピーエンドだと感じました。

トム・ハンクス演じるカールはものすごく真面目な人物です。他のFBI捜査官たちのジョークに少しも笑わず、捜査も人一倍熱心です。とても真面目な役で決して表情豊かではないのに、さすがはトム・ハンクス、微妙な心の動きがしっかり伝わってきます。カールが一生懸命になればなるほど、フランクに逃げられる姿が面白いし、最後には心がじんわり温かくなる感動も与えてくれるので、本当にすごい役者だなと思います。

カールにも離婚歴があり、子供にもほぼ会えない生活を送っているので、フランクの事を調べていくうちに何か共感できる部分があったのかもしれません。追いかける側と、追いかけられる側の二人の間に、微かな絆が生まれていくのが感じられて良かったです。

レオナルド・ディカプリオについてもすごいと思ったことがあり、それは年齢についてです。撮影当時27歳前後だと思うのですが、ちゃんと16歳の少年に見えるんです。フランクが詐欺を始める前の両親といるシーンなんかは本当に子供に見えて、後半との印象がかなり違いびっくりしました。物語の中でフランクは10歳ほど上にさばを読んでいて、それもすごい話ですが、「子供が大人のふりをしている」のを完璧に演じたレオナルド・ディカプリオも素晴らしかったです!

「タイタニック」や「ロミオ+ジュリエット」のような恋愛要素のかっこよさよりも、クレバーな格好良さが目立つ今作でしたが、結婚するはずだった彼女に語り掛けるシーンなど、ところどころ私の好きな甘いレオ様も垣間見えて良かったです。(笑)

映画と同様に、実際のフランク・W・アバグネイル・Jrさんも刑期が縮められ、詐欺罪の調査に協力したようです。凄まじい才能も、その使い方が大切なんだと感じました。きちんと才能を活かせる場所を見つけられたことがハッピーエンドへ向かう一歩目だったのだと思います!

さて、今回のお料理は作中登場したスイーツです。フランクの身柄をアメリカに移す機内でのエピソードで、フランクはカールに「そのエクレアを半分くれたら秘密を話す」と言ってねだります。単に食べたかっただけなのか(そうだったら可愛い)、からかっているのか、カールを試しているのか、、真意は分かりませんが、提案に応じず美味しそうに一人で平らげるカールが最高のワンシーンでした!

というわけでエクレア作りスタートです。

まずは鍋に牛乳、無塩バター、水、砂糖、塩をいれ沸騰させます。

しっかりバターが溶けたら小麦粉を一気に入れ素早く混ぜます。

ひとまとまりになったらボウルに移し、溶き卵を少しずつ加えて混ぜていきます。生地が冷めないうちにオーブンに入れなければならないので、急いで混ぜます。腕が筋肉痛になりそうです。

卵を足していきトロッとしたらOK!絞り袋に入れて鉄板の上に絞り出していきます。なんだか黄色いミミズのような見た目になり、こんなのがエクレアになるの!?という気持ちです。
が、どうにもできないのでオーブンで焼いていきます。

そして焼きあがると、、びっくり!!ちゃんと膨らんでエクレアっぽくなっているではありませんか!32.2.3

間にクリームを挟めるように半分にカットすると中はしっかり空洞になっています。

卵、砂糖、牛乳、小麦粉、バニラエッセンスを加熱して作ったカスタードクリームを入れていき、サンドしたら仕上げにチョコレートをつけて完成です!

ちょっと小ぶりのエクレアになりました!

食べてみると、甘さのほぼないシュー生地に、カスタードとチョコレートがよく合います!

市販のエクレアよりも、サクサクした食感になってしまいましたが、これはこれで美味しい!

作中カールはエクレアをあげませんでしたが、私だったらレオ様と半分こして一緒に食べたいです♡(笑)が、今日は最後の一口まで一人でいただきました。
ごちそうさまでした!

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今回取り上げた作品はコチラ!

監督:スティーブン・スピルバーグ

出演:レオナルド・ディカプリオ, トム・ハンクス, クリストファー・ウォーケン

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~ 2021年 春より全国順次公開
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/

 

※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!