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第28回:『TENET/テネット』|バター醤油ポップコーンを頬張りながらTENETの世界に入り込む!【瀬田ミナコのシネまんぷく】

共感シアター「KIQ STATION」のキャスターとしてもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!

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若干のネタバレがあります!

これから映画館に行く予定の方はお気を付けください!

 

■今回の映画:『TENET/テネット』(2020)

クリストファー・ノーラン監督の最新作「TENET」を観てきました!

「TENETみるならぜひIMAXで!」と、いろんな人から聞いていたので、IMAXのある TOHOシネマズ新宿で観てきました。

結論から言うと、すごいけど凄すぎてよく分からない!!です。

そもそも観終わった後に、あれ、、主人公の名前なんだっけ、、となりました。調べてみると作中主人公の名前は明かされていないそうです!私が大混乱のうちに見逃していたんじゃないみたい。公式ホームページには「彼の名前が明らかになる時、大いなる謎が解き明かされる」という文があるのですが、私は映画を観終わった今も主人公の名前が分かりません、、、やっぱり私が見逃してたんじゃないか?という気持ちになります。 脳みそフル回転で集中して観てたはずなんですが、それだけ情報量の多い映画でした。

主人公/名もなき男(演 – ジョン・デヴィッド・ワシントン)

今作は「時間の逆行」が軸となっており、時間軸が複雑に絡み合っています。タイムマシンのように過去や未来の好きな地点に飛んでいけるわけではなく、時間を逆向きに進んでいくのがこの映画の面白いところであり、難しいところでもありました。 三日前に行きたければ、三日間かけて時間を逆に進まなければならないわけ訳です。しかも普通の時間の進み方で行動している人と、逆行で行動している人が一つの画面の中に同時に存在するので、見ていると自分の中にあった時間という概念がぐちゃぐちゃになります。

そんな訳で、細かなストーリーの説明は難しすぎるので諦めますが、ざっくりいうと、未来人が、現代に生きるすべての生き物を破滅させようとしており、主人公はそれを阻止するミッションを遂行する。ということです。作中では第三次世界大戦を阻止するという言い方をしていました。

これだけよく分からなかったと言っておきながら、何がすごかったのかというと、映画の中の世界に圧倒されるところです。私が映画を好きな理由の一つに「現実とは違う世界に入り込むことができる」というのがあるんですが、その点ばっちりな映画でした。 私たちの中にある時間の概念を壊して話が進んでいくので、そもそもキャパオーバーで、「人知の及ばない領域のお話に近いけど絶妙に及ぶ距離」という感じです。映画を観終わった後は、脳が覚醒状態というか、いろんな考えや考察が頭の中を駆け巡って、TENETのハイレベルな世界線にすっかり入り込んでいました。

もちろん、映像や音響のクオリティもすごかったです。迫力がすごくて4Dじゃないのに4D映画を観ているような気分でした!ジェット機のエンジン音シーンなんかは、低音の響きで実際に振動で椅子が揺れました(笑  今回はIMAX®レーザーのスクリーン10で観たんですが、去年の11月に誕生したスクリーンのようです。とにかく画面が大きくて、席が端のほうだったこともあり、映像を追いかけるのが大変かもなぁなんて思ったんですがいらない心配でした。目の前全部に映画の世界が広がるすごい光景でした! 

アクションシーンは今まで見たことのないアクションで驚きました。時間の進み方が逆の人と戦うので何がどうなってるんだか分かりません!倒れたのか飛び起きたのか見分けがつかない感じです。でも逆に登場人物たちもそれをうまく利用して戦術を立てるので、次々に予測のつかないアクションが待っていてとても面白いです。逆行している人が打つ銃弾は、普通の人からすると、壁から銃身に戻っていくように見えるため、次の相手の動きも逆算しながら考えていかなくてはなりません。こんなに頭を使いながらみるアクションシーンは初めてでした。

特に面白いのがカーチェイスのシーンとクライマックスの乱戦です! 「挟撃作戦」つまり目的の時間の前と後ろから、時間の挟み撃ちをする戦法が使われます。正直、特に理解が追い付かなかったシーンでもありますが、臨場感が半端じゃなかったので、一度ゆっくり整理してからもう一度見たいです!ちゃんと理解して観たらもっと面白い場面だったんだろうなと確信できるシーンでした。

瀬田による時間挟撃作戦の図解

主人公のほかに重要人物が三人いました。一人は悪役セイターです。彼は未来人の仲介役のような存在で、主人公が実際に戦うのはこのセイターです。自分が死ぬときに世界を道連れにしようとするヤバい考えの人。そして奥さん束縛男。怖くてダンディなおじさんでした。 もう一人がセイターの奥さんのキャットです。セイターに接触するためにキャットに近づく主人公ですが、彼女の境遇に同情したのか惚れたのか、ミッション遂行に加えて彼女を助けるための行動も増えていきます。 

アンドレイ・セイター(演 – ケネス・ブラナー)

キャサリン・“キャット”・バートン(演 – エリザベス・デビッキ)

そして、主人公の相棒となる仲間のニールです。最初は主人公のミッション内容を知らないふりをしていましたが、実は主人公よりも逆行や今回のミッションについて詳しく知っている謎のある人物でした。死亡フラグが立っている気がして、ハラハラしながら見てました。そして最後に主人公との熱い友情を見せてくれて、ショート寸前だった脳みそと心をジーンとさせてくれました。ありがとう。ニール。

ニール(演 – ロバート・パティンソン)

映画を観てから我慢できずに解説を読んだんですが、時系列や各人物の逆行の回数を整理してみた時に、一番驚いたのがニールの行動歴でした。映画は主人公とともに進んでいくので、私たちは主人公のやってきたことしか観てないのですが、ニールはもっとたくさんの時間、このミッションにあたっていたのです。主人公が霞んでしまう勢いでかっこいいです。人気投票したらニールが一位を取る!と思います(笑

ネットに出ている皆さんの解説を読んで、物語の全容をちゃんと把握した時「クリストファーノーランの頭の中はどうなってるんだ!」と本気で思いました。 絶対もう一回観に行きたいと思います!

さて今回は久しぶりの劇場での鑑賞ということで、映画館の食べ物を楽しんできました!

最近は映画館のフードメニューも豊富ですよね!ポップコーンもキャラメルと塩だけじゃないし、ドリンクもお洒落でカフェみたいです。何を食べようか悩んだ結果、

ちょっと変わった味の「シネマイクポップコーン」のセットにしました。

クレイジーソルト味、ごま油、バター醤油、コンソメ味と、食欲の沸くしょっぱい系のラインナップ。店員さんにどれが人気か尋ねてみたところ、北海道濃厚バター醤油が人気とのことでそれに決定!ドリンクはコーラです!

久しぶりに映画館で食べるポップコーン、ワクワクします。この黒いトレー、椅子の横に設置できて便利ですよね!

濃厚なバターが美味しくって、なんだかおつまみにぴったりなお味でした!

味のパウダー?がしっかり全体に行き届いていて、味のない粒がないのが素晴らしい!
最初から最後まで美味しかったです。
ごちそうさまでした!

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今回取り上げた作品はコチラ!

【キャスト】
ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナー

【スタッフ】
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
音楽:ルドウィグ・ゴランソン
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ

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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
今後の公開予定作品:映画「種まく旅人〜華蓮(ハス)のかがやき〜」
その他:共感シアター「KIQ STATION」でキャスターとしても活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta

 

『瀬田ミナコのシネまんぷく』これまでの連載記事はこちらから!
https://moviemarbie.com/special/cinemanpuku_index/

 

※瀬田ミナコが出演中の「KIQ STATION」アーカイブ動画はこちら!