第115回:『ドランクモンキー 酔拳』|「ガツガツ」という言葉がピッタリの食べっぷり!ジャッキーのように豪快に「えびそば」を食べる!【瀬田ミナコのシネまんぷく】
共感シアターでもお馴染み、女優の瀬田ミナコによる連載コラム。毎回「映画」と「食」をテーマに、ゆるゆるとお届けします!
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■今回の映画:『ドランクモンキー 酔拳』(1979)
今回は「ドランクモンキー酔拳」です!
カンフー映画はあまり観たことのない私ですが、MCを務める配信番組で出演者と視聴者の皆様から「え!?酔拳知らないの!!?」と驚かれてしまい、無性に気になっていた映画です。
ジャッキー・チェン主演の「酔えば酔うほど強くなる映画」。このざっくりした説明だけでもう面白そう!
「ドランクモンキー 酔拳」は1978年の香港映画です。「拳シリーズ」は他に蛇拳や笑拳など色々あるようですが特にストーリーはつながっていません。監督はユエン・ウーピン、主演をジャッキー・チェンが務めています。
物語の主人公はジャッキー演じるフェイフォン。父親が運営する道場でカンフーの稽古を受けていますが、師範代をからかって遊んだり、大した理由もないのに街で喧嘩したりして、才能を持ちながらもチンピラのように暮らしていました。
そんなフェイフォンの行いを知った父は、息子を修行に出すことを決め、修行先はあまりの厳しさゆえに皆から恐れられる師匠ソウ・ハッイーの元でした。慌てて逃げ出したフェイフォンは空腹から無銭飲食をして従業員たちに取り囲まれますが、そこに居合わせた酒に酔った老人の助けでピンチを切り抜けます。その老人こそ「酔拳」の使い手、ソウ・ハッイーだったのです。
作品というよりもカンフーそのものへの感想になってしまいますが、踊っているかのような美しさに目が離せませんでした!重心が一体どこにあるのか分からない動きは、とても軽やかなのに力強く、柔らかいのに固そうで、すごく不思議。「人間の身体ってこんな風に動けるんだ~!」となんだか感心してしまいました。
しかも凄いのは「ずっと」戦っていること!戦っていない時間がほとんどありません。アクション指導の時、いったい何手つけたのでしょうか。
ジャッキーをはじめ、皆が当たり前のようにカンフーの技を披露しながらストーリーが進んでいくので、だんだん慣れてきてしまいますが、冷静に考えるとバク転したり転がったりずっと凄い動きをしています。
全然方向性は違うけど、歌ったり踊ったりしながら話が進んでいくミュージカルとなにか似たものを感じました。カンフーが武術であるとともに表現の一つというか芸術性の高い動きだなと。
そして「酔えば酔うほど強くなる」という酔拳ですが、驚きでした。最初は「ふざけてんのか!」と笑っていましたが、重心が視えずつかみどころのない動きは実際強そう!!本当の酔拳は飲酒しながら行うものではないそうですが、この独特の動きと「酔えば酔うほど」という設定は最高ですね!真似したくなります。
師弟モノの見どころといえばやはり修行のシーンですが、こちらも中々ハードで楽しかったです。クルミを握力で割るとか本当にできるのでしょうか、、、?ただ筋トレをするのではなく、その師匠ならではの変わったやり方が私の中の少年の心をくすぐってくれました!
ジャッキーの大げさでコミカルな演技は、コントを観ているようなアニメを観ているような感覚になれてとても面白かったです。表情がコロコロ変わるのが可愛い!私が物心ついたころにはジャッキーはもうおじさま年齢だったので、「カンフー映画のニコニコしたおじさん」というイメージがあったのですがこんなに可愛らしい青年だったとは!
そんなやんちゃで可愛らしいフェイフォンですが、私の一番のお気に入りシーンはカンフーでも修行でもありません。
ご飯を食べるシーンです!!
お腹を空かせて入った飲食店で彼は次から次へと注文します。
そして運ばれてきた山の様な食事をガツガツと平らげてしまうのでした。
この「ガツガツ」食べる姿がすごく印象的で、口から零れるわ、汁も飛び散るわ、口の周りも汚れるわで、決してお上品ではない食べ方なのですが、何故かすごく美味しそうに見えるのです!
お腹を空かせたフェイフォンにご飯を作ってあげたくなる食べっぷり。
という訳で今回の映画メシは、フェイフォンが食べていた中でも特に美味しそうだった「えびそば」を作りたいと思います!
まずは下ごしらえ。
青梗菜を切って茹でておきます。
長ネギと生姜はみじん切りに。
海老は殻を剥いて、背ワタを取っておきます。
片栗粉を揉みこんだ後水で流して汚れを落とします。
次に海老を包丁でたたきねっとりさせます。
ボウルにたたいた海老、刻んだネギと生姜、調味料を加えてよく混ぜます。
粘り気が出てきたらワンタンの皮に包んでいきます。
鍋に中華スープを作りワンタンを投入!
火が通る程度にスープの中で煮ておきます。
別の鍋にお湯を沸かし、中華麺を少し固めに茹でます。
ワンタンスープに麺と青梗菜を入れて仕上げに煮立たせ完成です!
ラーメンどんぶりに入れて、長ネギを散らしました。15.16.17.18.
ただの海老ワンタン麺ですが、周りにおちょこや他の料理を置くと、ごちゃごちゃして酔拳っぽい!?
麺が伸びる前にいただきまーす!
あっさりとした中華スープに海老の旨味が出ていてとっても美味しいです!
細めんは食べやすくて、お腹がすいてるときにはもってこい!噛まずに飲み込む勢いで食べられます。
海老ワンタンは想像以上にプリプリ!
麺とはまた違った食感が楽しいです。
「ジャッキーのように豪快に食べるぞ!」と思いましたが普通に熱くて無理でした。(笑)
映画ではこの後、お金を払わずに帰ろうとしてお店の人にボコボコにされます。
お腹を殴られ、せっかく食べた食事が出てきちゃうので可哀想ですが、つい、「あ、今出てきたのはさっきのえびそばかな?」なんて面白おかしく観てしまいます。
ふざけた設定を本気でやってくれる面白さと楽しさが詰まった一本でした!
ごちそうさまでした!
ショート動画も公開中!
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今回取り上げた作品はコチラ!
『ドランクモンキー 酔拳』(1979)
<キャスト>
ジャッキー・チェン、ユエン・シャオティエン ほか
<スタッフ>
製作:ウー・スーユエン
監督:ユエン・ウーピン
脚本:ウー・スーユエン、蕭龍、奚華安
武術指導:スー・シア、ユエン・ウーピン
武術副指導:ユン・ケイ、ユエン・シュンイー、ユエン・ジャンヤン
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瀬田ミナコ(Acstar所属)
1996年4月3日生まれ 東京都出身
出演作品:映画「ゆずりは」「不能犯」(2018)
映画「種まく旅人~華蓮のかがやき~」全国順次公開中!!
その他:共感シアターでMCやコメンテーターとして活躍中
Acstar:http://acstar.jp/talent/minako_seta.html
Twitter:@minako_seta
Instagram:https://www.instagram.com/cinemanpuku_minako/
『瀬田ミナコのシネまんぷく』
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