【あなたの勇気を呼び覚ます! 強くて魅力的な女性キャラクター特集】#20『ワーキング・ガール』のテス
画・ドラマライターの伊藤万弥乃です。この特集では「あなたの勇気を呼び覚ます! 強くて魅力的な女性キャラクター特集」と題して、やる気が出ない時、スカッとしたい時、どんな人でも楽しんでもらえる映画をご紹介していきます!
今回取り上げるのは、第46回ゴールデングローブ賞で作品賞(ミュージカル・コメディ部門)に輝いた『ワーキング・ガール』。ニューヨークを舞台に、秘書として働くテス(メラニー・グリフィス)がキャリアアップしていく姿を描いた物語です。1988年に公開当時のバブリーなファッションや性別による社会的な格差など、時代の違いを感じる作品ではありますが、仕事に真摯に向き合うことで成果を得られるという、根本的な教訓は現代にも通じることでしょう。
2022年にはセレーナ・ゴメスのプロデュースによってリブート版が製作されると報じられており、今後さらに注目されるはず。今のうちに予習しておくのもオススメです!
※以下ネタバレを含みます
■秘書からキャリアアップを進めるテス
今回注目したいのは、主人公のテスです。彼女は夜間学校に5年間通い、現在は秘書として働いている30歳のキャリアウーマン。男性上司や彼氏から甘く見られたり、学歴が低いからと“証券マン育成コース”に誘われなかったり、自分の能力に関係ないところで上手くいかなくなってしまう、悔しい日々を過ごしていました。それでも折れてしまわないのが彼女の強いところ。どこか達観しているような、少しローテンションな性格からは想像もつきませんが、最低な上司にはしっかりとやり返して、部署を転々とすることを繰り返していました。
そんなある日、彼女は同い年の女性上司キャサリン(シガニー・ウィーバー)の下で働くことになります。同じ女性だからこそ自分を受け入れてくれている、とキャサリンを信頼したテスは、積極的に自分の意見を伝えるように。しかしキャサリンが負傷して休暇に入り、テスが彼女の身の回りの整理をしている時、自分の意見がキャサリンに盗用されていることを知り……ここからテスの反撃が始まります。
テスはキャサリン不在の間、キャサリンと協力関係にあったジャック(ハリソン・フォード)に近づき、計画を次から次へと成功させていきます。ジャックと公私ともに良い仲になった時、キャサリンとジャックが恋人同士であることが明らかに。キャサリンが復帰した残り30分間で怒涛の女同士のバトルが勃発します。
身分を偽り、会社を代表するような立場に立って、社外と物事を進めてしまうテスはいささか問題がありますが……クビになるかもしれない状況に人生を賭けて、自分の案を自信をもって進めることができるテスの度胸は凄まじい。秘書という立場を下に見て、意見を盗み出そうとする上司に真っ向から立ち向かう姿は、現代にも蔓延る権力社会において見習うべきものです。
■努力は必ず自分を成長させ、いつか実を結ぶ
また、盗まれてしまうほど斬新なアイデアが生まれたのは、寸暇を惜しんでいくつもの講座に通い、帰り道にもいくつもの新聞や雑誌を読み漁って、テスが熱心に勉強をし続けたから。アメリカのキャリアウーマンがパリへ行って奮闘する姿を描いたドラマ『エミリー、パリへ行く』のヒロイン・エミリーのように、その場でパッと思いつく天才タイプもいますが(もしかしたらエミリーも映っていないところで勉強しているかも)、テスのような野心から努力して勝ち取る人もいるのです。
映画の中で描かれているのと変わらず、競争の多い現代。その中で勝利を勝ち取るには、日々真面目に生きて、インプットを怠らないことが重要であるとテスから教わることができます。また、キャサリンの言う通り、積極的に動かなければ何も始まらないのも事実。現状に文句を言うのではなく、その中で自分ができることは何なのか、常にアンテナを張って行動することが自分の成功にも繋がるのです。当たり前のことですが、惰性で生きているとつい忘れてしまう、基本的な社会人としての人間の在り方を教えてくれる作品です。
『ワーキング・ガール』
1988年製作/113分/アメリカ
配給:20世紀フォックス
出演者:メラニー・グリフィス、ハリソン・フォード、シガニー・ウィーバー
監督:マイク・ニコルズ
脚本:ケビン・ウェイド
製作:ダグラス・ウィック
製作総指揮:ロバート・グリーンハット、ローレンス・マーク
音楽:ロブ・マウンジー
主題歌:カーリー・サイモン「Let the River Run」
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伊藤万弥乃 (いとうまやの)
海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。
映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。
執筆記事:https://linktr.ee/mayano
ブログ:https://ladybird99.com/
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【連載】
あなたの勇気を呼び覚ます!
<#強くて魅力的な女性キャラクター特集>#20『#ワーキング・ガール』#メラニー・グリフィス 演じる主人公テス!
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— MovieMarbie (@MovieMarbie) March 28, 2025