【#映画が語る真実】『#311』 #東日本大震災 から8年 今改めて振り返りたい3.11 テレビが伝えない“真実”とは? #震災の日
ドキュメンタリー映画『311』(2012)
2011年3月11日に起きた東日本大震災。毎年3月11日になると思い出す人は多いと多います。
皆さんの“3.11”の記憶は何でしょう?町を丸ごと飲み込む津波の恐ろしい映像や原発関連のニュース、政府の記者会見。家族を失った被災者たちの悲痛な叫びや不自由な生活、自衛隊やボランティアたちの献身的な姿…それらは皆、地上波テレビのニュース映像なのです。多くの日本人にとって東日本大震災とはテレビに他ならない、それほど圧倒的な存在なのです。
しかし、テレビ報道も万能ではありません。お茶の間に向けに発信されるニュース番組は過激な描写や誰かを攻撃するようなバランスを欠いた報道はできません。我々が信じ込んで共有しているテレビニュースはオブラートに包まれた真実ではない可能性もあるのです。
ネット社会になってテレビ報道の信頼性が大きく揺らぎつつある現代において「望んだ人がお金を払って観る」映画ジャーナリズムは大きな意味を持ち始めています。それはテレビが迫れない“真実の絶対領域”へ到達することのできる数少ない道です。
このコーナーでは、映画ならではの真実への肉薄がなされた映画を取上げたいと思います。
第一回は、東日本大震災の真実に迫った森達也の意欲作「311」です。
お茶の間が見たいものしか見せない、何でも感動オペラにしてしまうテレビ報道とは一線を隠すリアリティがそこにはあります。
「あの日」を知らない若い世代が増えてきた今だからこそ、あの時の“真実”を直視することが必要な時期になっているのかもしれません。そんな震災の様子を正面から受け止め、壊したもの、取り残された人々の真実を記録した映画です。
「ドキュメンタリストだから何でも撮るのは当たり前。不都合がある人の映像だけを切るのは違うと思う。」と森達也監督は語っており、その言葉からも映像がいかにリアルなものになっているかがわかります。
(出典:シネマトゥデイ「『311』で遺体にカメラを向けた森達也監督、クソ映画と言われ、物を投げられ…なぜ撮ったのか?」より https://www.cinematoday.jp/news/N0040127)
【作品情報】
東日本大震災発生から2週間後の被災地の様子と、惨状を目の当たりにした4人の映像作家の姿をありのままにとらえたドキュメンタリー。
森達也(映画監督・作家)、綿井健陽(映像ジャーナリスト)、松林要樹(映画監督)、安岡卓治(映画プロデューサー)の4人は「震災をその目で確認すること」を目的に、岩手、宮城を縦断。被災地の様子とともに、惨状を目の前に恐怖で高揚してしまう自身たちの姿や、遺族を前にしてもカメラを回すことを止めず批判を浴びる様子など、マスメディアでは扱われない「撮る側の素顔」を映し出す。
監督:森達也、綿井健陽、松林要樹、安岡卓治
配給:東風
(C)森達也・綿井健陽・松林要樹・安岡卓治
公式HP:http://docs311.jp
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