『泣く子はいねぇが』第68回 サン・セバスティアン国際映画祭<最優秀撮影賞>受賞!
第68回サン・セバスティアン国際映画祭
オフィシャルコンペティション部門出品
『泣く子はいねぇが』
最優秀撮影賞 受賞!
是枝裕和監督が惚れ込んだ新たな才能、佐藤快磨(さとう たくま)監督の劇場デビュー作となる映画『泣く子はいねぇが』が、バンダイナムコアーツ/スターサンズ配給にて、11月20日(金)から全国公開となる。
今回、サン・セバスティアン国際映画祭(スペイン)のオフィシャルコンペティション部門で鮮烈のワールドデビューを果たした本作が、現地時間9月26日(土)20:30~から行われた授賞式で、最優秀撮影賞(Jury Prize for Best Cinematography)<撮影:月永雄太>を受賞した事が発表された。主要部門での日本映画の受賞は2011年『奇跡』(是枝裕和監督)の最優秀脚本賞以来9年ぶりの快挙となる。
第68回サン・セバスティアン国際映画祭
会期︓2020年9月18日(金)~26日(土) ※現地時間
<過去の受賞日本映画作品>
2018年 最優秀新人監督賞 奥山大史監督『僕はイエス様が嫌い』
2015年 観客賞 是枝裕和監督『海街 diary』
2013年 観客賞 是枝裕和監督『そして父になる』
2011年 最優秀脚本賞、SIGNIS 賞 是枝裕和監督『奇跡』
2010年 国際批評家連盟賞 河瀨直美監督『玄牝-げんぴん-』
1998年 最優秀新人監督賞 高橋陽⼀郎監督『水の中の八月 Fishes August』
最優秀撮影賞受賞の一報を受け、撮影監督の月永雄太、監督・脚本・編集の佐藤快磨、主演の仲野太賀より喜びのコメントが到着した。
■月永雄太(撮影監督)
まず映画祭開催が厳しい時期に、開催してくださりありがとうございます。正直まだ実感が湧かなく、残念ながら現地にも行けなかったですし、公開もしていませんので、早く公開して欲しいなというのが正直な今の気持ちです。男鹿半島の海、そして「ナマハゲ」がいる街の景色は強烈で、それを見た時にとても良いものが撮れるのではないかという印象を持ちました。撮影では、そんな男鹿の良さをなんとか出そうと意識し、現地で私が肌で感じたものを形にできればと思っていましたので、それが少しでも皆様に届けばと思っております。佐藤監督はじめ、全てのキャスト、スタッフに感謝しています。
プロフィール
1976年6月17日、静岡県出身。1999年、日本大学芸術学部映画学科卒業。2011年、撮影を手がけた青山真治監督『東京公園』と真利⼦哲也監督『NINIFUNI』の2作品が第64回ロカルノ国際映画祭にて上映。2018 年、沖田修⼀監督作『モリのいる場所』で第73回毎日映画コンクール撮影賞を受賞。
■佐藤快磨(監督・脚本・編集)
デビュー作にも関わらず、このような賞を頂き大変光栄です。賞を頂けると思っていなかったので、本当に驚いておりますが、とても嬉しいです。スタッフ、そしてキャストの皆さんに感謝します。僕のめちゃくちゃな絵コンテから、撮影賞まで持ち上げてくれたのは月永さんのおかげだと思っています。僕が役者さんから人間らしい瞬間をどう引き出せるかということを考えていたのに対し、そこから出てくるすごく繊細なものを、月永さんはこぼさないようすくい取ってくれました。撮影の現場はもちろん、準備から仕上げまでこの作品について⼀緒に考えてくれたことに心から感謝しています。これからも映画を撮り続けられるように頑張りたいと思います。
プロフィール
1989年6月11日、秋田県秋田市出身。初の長編監督作品『ガンバレとかうるせぇ』(14)が、ぴあフィルムフェスティバルPFF アワード2014で映画ファン賞と観客賞を受賞、第19回釜山国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされるなど、国内外の様々な映画祭で高く評価される。文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2015」に選ばれ、『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』(16)を監督。その後、『歩けない僕らは』(19)などを制作している。
■仲野太賀(主演)
最優秀撮影賞︕︕凄い︕︕︕佐藤監督に寄り添い、時に導きながら、監督のこだわりを”映画”に昇華されていた月永さんの姿が格好良くて、とても印象深かったです。僕がオールアップして、別れ際に「良い映画になってると思います」と月永さんに言われた時はどんなにホッとした事か… 今回の受賞、「泣く子はいねぇが」に携わった者として誇らしい気持ちでいっぱいです。月永さん、本当におめでとうございます︕︕
プロフィール
1993年生まれ、東京都出身。2006 年に俳優デビュー。主な出演作は、『桐島、部活やめるってよ』(12)、『走れ、絶望に追いつかれない速さで』、『アズミ・ハルコは行方不明』、『淵に立つ』(16)、『南瓜とマヨネーズ』(17)、『海を駆ける』、『母さんがどんなに僕を嫌いでも』、『来る』(18)、『静かな雨』、『今日から俺は︕︕劇場版』(20)など。公開待機作に『生きちゃった』(20)、『すばらしき世界』(21)などがある。
【ストーリー】
秋田県・男鹿半島で暮らす、たすく(仲野太賀)は、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことね(吉岡里帆)は、子供じみていて 父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿がテレビで全国放送されてしまうのだった。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波(寛 一 郎)からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった…。果たしてたすくは、自分の“生きる道”、“居場所”を見つけることができるのか?
監督・脚本・編集:佐藤快磨
出演:仲野太賀、吉岡里帆、寛一郎、山中崇、余貴美子、柳葉敏郎
企画:分福/是枝裕和
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
(C)2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
公式サイト:https://nakukohainega.com/
公式Twitter:https://twitter.com/nakukohainega
公式Facebook:https://www.facebook.com/nakukohainega2020
11月20日(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー