鈴木福「すごくワクワクしています」――映画『ヒグマ!!』公開記念舞台挨拶開催 内藤瑛亮監督、円井わん、宇梶剛士が撮影秘話を語る
映画『ヒグマ!!』の公開を記念して1月24日(土)にTOHOシネマズ日比谷にて舞台挨拶が開催され、鈴木福、円井わん、宇梶剛士、内藤瑛亮監督が登壇した。
クマによる人的被害の拡大の影響などもあり、一度は公開が延期された本作だが、1月23日(金)より無事に劇場公開を迎えた。闇バイトに手を染め、ヒグマと対峙することになる小山内を演じた鈴木は「いよいよ本当に公開して、SNSの反応なども見させていただいて、本当に『届いているな』というか、ここからさらに多くの人に見てもらえる映画になるのかなと感じて、すごくワクワクしています」と笑顔で公開を迎えての思いを語る。
小山内とバディを組む戦闘力高めの桜子を演じた円井は「延期になった時は正直、どうなるかわからなくて、みんなザワザワしていたんですけど、もうどうすることもできなさ過ぎて、時に身を任せるしかないなという思いでした。昨日から公開することができて、とても嬉しいです。本当にありがとうございます」と喜びを口にする。
謎めいたハンター・神崎を演じた宇梶は「狡猾なオヤジハンターを演じました(笑)。撮影が、もう本当に極寒の中で泥と血糊にまみれて、朝も早いし、なかなかに過酷な日々だったので、福くんとわんちゃんはどう思っているかわかんないけど、俺は勝手に友情を感じていました。だから延期を聞いた時はショックで、福くんとわんちゃんの活動の追っかけみたいなことをしていたんです(笑)。でも、ようやく公開となって、本当に皆さんのおかげです。ありがとうございます」と感慨深げに語った。
内藤監督は「2025年はクマによる人的被害が過去最多を更新して、公開が延期になるのもやむを得ないというか、(映画を見ても)現実とフィクションの距離感がつかみづらくて動揺しちゃう方もいるかもしれないので、仕方ないかなとは思っていたんですけど、果たして公開できるのか? という不安は常につきまとっていました。映画館で見てもらうものとしてつくったので、やはり映画館で届けたいし、映画館で見知らぬ人々と一緒に作品を体感してほしいなと思っていたので、今日という日が迎えられて本当に嬉しいです。公開決定に向けて尽力してくださった方々、上映を受け入れてくださった劇場、そして見に来てくれた皆さんには本当に感謝しております」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。
鈴木に“座長”として現場で意識したことについて尋ねると「あんまなくて…」と笑いつつ「“座長として”というよりも、自分がちゃんとお芝居をしないと作品が台無しになるという自覚はあったので、何より現場でちゃんとすること――いちばん元気に、楽しく皆さんとコミュニケーション取ってやっていけたらいいのかなっていうのがずっとありました」と述懐。撮影では、バディを組む円井とのシーンが多かったが「(クランクイン前の)お祓いの時は(低いボソボソした声で)『円井わんです。よろしくお願いします…』みたいな感じだったので『絶対しゃべってくれない人だ。どうしよう…』と思ったんですけど、現場に入ったら初日からすごく楽しかったです」と明かす。
円井は「人見知りで初対面が本当にダメ過ぎて…(苦笑)」と申し訳なさそうに釈明しつつ、撮影に入ると待ち時間には2人で楽しく会話したり、ゲームをしていたそう。当時、流行っていた「M!LK」の「イイじゃん」ダンスに興じ、さらに2人で考えた顔芸ゲームなどをしていたとのことで「ずっと遊んでいました」(鈴木)、「仕事しろよ!ってくらい(笑)」(円井)と凄惨な作品ながらも現場は鈴木の人柄もあって和気あいあいとした雰囲気だったよう。
宇梶は「(主演が)好かれる、委縮させないって一番大事。作品の真ん中を見て、みんなが位置を取るものなので。真ん中がハッキリ見えていたので、本当に主役俳優だなと思いました」と鈴木の座長ぶりを絶賛!
内藤監督は「小山内が(闇バイトに募集するために)バイトアプリを使う場面があって、演出部が(アプリを)用意してくれて、現場で福くんに『こうやって使うんです』と説明するんですけど、(説明する)演出部の子が『福さん、バイトアプリ使ったことあります?』って聞いて(笑)。あるわけないんですけど、福くんがすごく落ち着いて『ないですね』って淡々と説明を聞いていたのが、すごく面白くて、初日に(現場が)温まったなと思いました」と心温まる(?)エピソードを明かし会場は笑いに包まれた。
自然の中での撮影で、時間的な制約もあり、大変な部分も多々あったよう。鈴木は「最初のヒグマの登場のところは静岡で撮影したんですが、山の中で、日没から始まり、夜明けがタイムリミットで、4日間で撮影したんですけど大変でしたね。雪で一日は撮影ができなかったんですが、バイトのメンバーで楽しみながら頑張りました」と述懐。さらに「雪が残っていたことは、内藤監督の白の世界と赤い血という世界観が好きだったので、その中に入れて嬉しかったです。臓物がたくさん飛んでくるシーンがありますが、僕の顔にピチャっと当たるところは、一発でしか撮影できないんですけど、(臓物は)人が投げているんです。学生インターンの方たちなんですけど、監督が直前に『顔にいっちゃっても大丈夫だから!』と言ったら、ドンピシャで来ました(笑)。なので、あのビジュアルは偶然で、カットがかかった瞬間に冗談で『誰だ!?』って言っちゃいました」と楽しそうに振り返っていた。
円井は、空手経験者だが、ここまで本格的なアクションを映画で披露するのは初めての経験。事前にかなり練習を積んだかと思いきや「(アクション練習の日は)意外となくて、一日くらいでした。実は福くんのほうがアクションできるんです。なので相談に乗ってもらっていました」と個人的にアクション練習をやっていた経験のある鈴木から助言をもらいながら臨んだと明かす。宇梶曰く、本作のアクション部は『キングダム』や『ゴールデンカムイ』、『ジョン・ウィック』などにも参加した経験のある「世界トップクラスのアクション部」とのこと。鈴木は円井について「かっこいい女性が似合います!」とそのアクションを絶賛していた。
宇梶は、現役のハンターに指導を受けながら、役をつくっていったという。内藤監督は、宇梶がこの日も身に着けているクマの爪のネックレスを触れ「気合が入っていました」と語り「北海道にも詳しくて、北海道弁にしたらという提案も宇梶さんがしてくださって、現役のハンターの方にも『厳しく指導してください』とおっしゃっていました。実際にサマになっていてカッコよかったです」と称賛を送っていた。
ヒグマに関しても内藤監督は細かい部分に心血を注いでつくり上げていったが、劇中のヒグマの声には鈴木の声も入っているという。内藤監督は「クマの声とブタの声、福くんと僕の声でつくっています」と説明。鈴木は「僕が『ヒグマの声もやりたい』とボソッと言ったのを監督が本気にしてくれて、ガチでやりました」と嬉しそうに明かした。
この日は、映画にちなんで登壇陣に「ヒグマより怖いもの」をフリップに書いて発表してもらった。鈴木は「内藤監督」と書かれたフリップを掲げ「血のカットになると、ニヤニヤするんです(笑)。画面を見ながら、何も言わずにニヤニヤしてる。あとは、こんなヒグマの作品を考えられるというのが、面白いし怖いです」と称賛(?)の言葉を送る。
一方、円井の答えは「宇梶剛士」。円井は「宇梶さんは本当に優しいです!」と断りつつ、その真意について「ヒグマより怖い(笑)。ヒグマに立ち向かえそうだし、勝てそう」と語る。宇梶は「割と最近まで『俺、最期に死ぬ時はヒグマと戦って死にたい』と言ってました…(笑)。息子に『勝てるわけないじゃん』とか言われるんですけど、勝とうとしてなくて、戦いたいんです。そんなことを言ってた自分が恥ずかしい…(苦笑)」と語り、円井の主張があながち間違いではないことが証明された形に…。
そんな、ヒグマも怖くない宇梶が怖いのは「insect G」つまりゴキブリ。「僕は(ゴキブリが)とんでもなく無理で…。カンボジアの湖の上で船で食事している時に、突然バーって現れて、びっくりして船からバーンって飛んじゃったんです。空中で『これはいかん!』と(船の)柵にアクション映画みたいに掴まりました。あと、2階にある居酒屋の入口に(ゴキブリが)現れた時は、1階まで一歩で降りたことがあります」と意外な弱点を明かしてくれた。
内藤監督のフリップには「12/28 23:31」という怪しい文字列が…。これは昨年末12月28日の23時31分のことで「(本作の)宣伝部から『謹賀新年』という字を手書きで書いてほしいという依頼があったのが12月28日23時31分で、僕はもう仕事が収まって寝ていたので、夜中に起きて(スマホを)ちらっと見て戦慄しました(笑)。嘘かな?と思って、(もう一度)寝て、29日の朝起きて、メールを見たら嘘じゃなかったです」と年末に仕事に追われる恐怖体験を明かし、会場は笑いに包まれた。
そして、トークの最後にキャスト陣にもサプライズとなる重大な発表が! 本作が『HIGUMA!! The Killer Bear』という英題で、海外で上映されることが決定し、4月21日より開催のスイスのブルッグ・ゴア映画祭でプレミア上映されるほか、台湾やドイツの映画祭からも問い合わせが来ているということが明かされた。
内藤監督は「嬉しいですね。日本では、なかなかモンスターパニック映画はつくられていないので、『日本でつくるとこうなるぞ!』というのがお伝えできたらいいなと思います」と喜びを語り、鈴木は「日本の中でも挑戦的な作品だと思うんですけど、それを海外の方々がどういうふうに見てくれるのか? すごく楽しみです」と期待を口にした。
内藤監督は舞台挨拶の締めの挨拶として「本当に劇場で上映が迎えられてよかったです。クマ問題に苦しむ社会に生きる僕らだからこそ、ヒグマが大暴れする映画を見るってすごく大切だし、それこそフィクションの力だと思っています。現実ではどうしようもない鬱屈した感情がフィクションを見ることによって、昇華されたりすると思います。だから何としても劇場に届けたかったし、いまこそ見る価値がある作品だなと思っています。ジャンル映画って見たら『バカバカしかった』とか『くだらなかったな』と笑顔で言う良さがあると思います。この作品も、くだらなさを誠実に真面目に愚直に突き進んだ映画で、そこにキャストもスタッフも一緒に取り組んでくれたので、良い意味でのバカバカしさ、爽快さが伝わるといいなと思っています」と本作への思いを語り、会場は温かい拍手に包まれた。
『ヒグマ!!』
TOHOシネマズ日比谷ほか2026年1月23日(金)公開
※本作はフィクションであり、実際の事件とは関係ありません
出演:鈴木福、円井わん、岩永丞威、上村侑、住川龍珠、占部房子、清水伸/宇梶剛士
監督・脚本:内藤瑛亮
主題歌:「knuckle duster」 the bercedes menz
製作幹事:NAKACHIKA PICTURES、VAP
制作プロダクション:Lat-Lon
配給:NAKACHIKA PICTURES
©2025映画「ヒグマ」製作委員会
公式サイト:https://higuma-movie.jp




















