MOVIE MARBIE

クリス・プラットが主演を務める映画『MERCY／マーシー　AI裁判』（原題：MERCY）が、2026年1月23日（金）より日米同時公開されることが決定した。このたび、最新予告編が全世界一斉に解禁され、あわせて本作の世界観を象徴するポスターも初公開された。

舞台は、AI〈人工知能〉が司法を担う近未来社会。凶悪犯罪の増加を背景に、人間に代わってAIが裁判を行う“マーシー裁判所”が設立され、社会は厳格な治安統制のもとに置かれている。物語の主人公は、かつて敏腕刑事として名を馳せたレイヴン。ある日、彼が目を覚ますと、妻殺しの容疑でマーシー裁判所に拘束されていた。冤罪を主張するレイヴンだが、事件当日の記憶は断片的にしか残っていない。無実を証明するためには、AIが支配する世界中のデータベースから証拠を集め、さらにAI裁判官が算出する“有罪率”を規定値以下まで下げなければならない。与えられた制限時間は90分。期限内に無罪を証明できなければ、即座に処刑が執行されるという極限の状況に追い込まれる。

本作は、リアルタイムで刻一刻と迫る制限時間の中、膨大な情報と選択を突きつけられる《リアルタイムリミット型》アクションスリラー。AIが管理するデータの信頼性や、人間の記憶と真実の曖昧さといった現代的なテーマを、スリリングなアクションとともに描き出す。解禁された最新予告編では、レイヴンがかつて“マーシー裁判所”の設立に深く関わっていた過去が明らかになる。凶悪犯罪の捜査中、相棒の警官が殉職し、その犯人が裁判で無罪放免となった経験が、彼をより厳格なAI裁判の制定へと駆り立てたという皮肉な背景が示唆される。しかし、その制度の象徴ともいえる裁判所に、今度は自らが被告として立たされることになる。

AI裁判官マドックスとしてレイヴンに立ちはだかるのは、レベッカ・ファーガソン。冷静かつ無機質に有罪率を提示し続ける存在として描かれるマドックスは、人間の感情や事情を一切考慮しない“完全な合理性”の象徴でもある。レイヴンが無実の証拠を追い求める過程で、社会の裏側や自身の過去に潜む闇が次第に明らかになり、善悪の境界すら揺らいでいく様子が予告編からも強く印象づけられている。

近未来都市を舞台にした本作では、進化した捜査技術を駆使した追跡劇、白熱するカーチェイス、街を巻き込む大規模な爆破シーンなど、スクリーン映えするアクションも見どころのひとつ。単なるSFスリラーにとどまらず、AIと人間の関係性を問う社会的なテーマが、エンターテインメント性の高い映像表現と融合している。

主演のクリス・プラットは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『ジュラシック・ワールド』シリーズで世界的な人気を誇るスター俳優。本作では、正義を信じてきた元刑事が制度そのものに裁かれるという、これまでとは異なるシリアスな役どころに挑んでいる。対するレベッカ・ファーガソンは、『ミッション：インポッシブル』シリーズのイルサ・ファウスト役や『DUNE／デューン 砂の惑星』シリーズなどで強い存在感を示してきた実力派で、映画史上でも異色と言える“AI裁判官”という役柄をどのように体現するのか注目が集まる。

監督を務めるのは、『search／サーチ』で革新的な映像表現を打ち出したティムール・ベクマンベトフ。全編をPC画面上で展開するという大胆な手法で話題を呼んだ同作に続き、本作でもテクノロジーと物語を密接に結びつけた演出が期待される。さらに、『オッペンハイマー』でアカデミー賞作品賞を受賞したチャールズ・ローヴェンがプロデューサーとして参加しており、キャスト・スタッフともに充実した布陣が揃った。

AIが人間を裁く時代に、正義とは何か、真実は誰のものなのか。主演級の俳優陣と実力派スタッフが集結した『MERCY／マーシー　AI裁判』は、2026年の映画シーンを占う一本として注目される作品となりそうだ。

『MERCY／マーシー　AI裁判』
2026年1月23日(金)日米同時公開

原題：MERCY
監督：ティムール・ベクマンベトフ（『ウォンテッド』『search／サーチ』）
製作：チャールズ・ローヴェン（『オッペンハイマー』）
出演：クリス・プラット、レベッカ・ファーガソン ほか
公開日：2026年1月23日（金）日米同時公開
配給：ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント