監督・是枝裕和 × 原作・藤本タツキ『ルックバック』実写映画化決定
映画監督・是枝裕和が、藤本タツキの漫画『ルックバック』を実写映画化することが発表された。公開は2026年。『万引き家族』(2018)のパルム・ドール受賞以降、常に世界が次作を待ち望む是枝監督と、『チェンソーマン』『ファイアパンチ』などで知られる藤本タツキという、国内外から注目を集めるクリエイター同士の初タッグが実現することになる。
原作『ルックバック』は、2021年に「少年ジャンプ+」で公開された、漫画家を志す二人の少女、藤野と京本の13年におよぶ足跡を描く青春物語。公開直後から大きな話題を呼び、「このマンガがすごい!2022」オトコ編1位を獲得。2024年には劇場アニメ化され、アヌシー国際アニメーション映画祭をはじめ世界各地で上映され、高い評価を得ている。
是枝監督は、偶然書店で手に取ったという原作について「藤本タツキさんはこの作品を描かないと先に進めなかったのだろうなと、そんな気持ちが痛いほど伝わってきました」とコメント。オファーを受け藤本本人と対面した帰り道、「やらないわけにはいかない」と覚悟を決めたという。現在は編集作業に入っており、「とても豊かなものが映し出される作品になるのでは」と語っている。一方、藤本タツキは是枝作品で最初に観た『海街diary』を挙げ、細部の演出に深い感銘を受けたとコメント。「是枝監督がルックバックを撮ってくれるなら僕はもう何も言う事はないです」と信頼を寄せている。
撮影はすでに終了しており、ロケ地は秋田県にかほ市。地元の協力を得ながら四季を通して行われた。現場には写真家の濱田英明が帯同し、今回解禁されたティザービジュアル2点も撮影している。雪深い道を歩く二人の後ろ姿、机を並べて漫画を描く姿と、いずれも物語を象徴するシーンが切り取られている。
なお本作は日本のみならず、韓国・台湾での公開もすでに決定。全世界公開に向けた準備が進められており、今後の続報が待たれる。
<コメント全文>
・脚本・監督・編集/是枝裕和
京都からの新幹線の帰り、品川駅の本屋に平積みされていた表紙の「背中」に惹かれて、思わず手に取ったのが、「ルックバック」との出会いでした。
その晩、一気に読みました。
漫画と映画でジャンルは違いますが、同じ作り手として、覚悟が切実に伝わってくる作品で、きっと藤本タツキさんはこの作品を描かないと先に進めなかったのだろうなと、そんな気持ちが痛いほど伝わってきました。
自分にとっては、『誰も知らない』がそんな作品でした。
その出会いのあと、小出プロデューサーから「ルックバック」を実写映画に、という誘いを受け、藤本さんにお会いする機会をいただきました。
まずは、このような作品を世に産み落としていただいたこと、その作品に同時代に出会うことができたことへの感謝をお伝えできればと思っていたのですが、その帰り道、「やらないわけにはいかない」と覚悟を決めたことを覚えています。
撮影は終了し、現在、編集中ではありますが、とても豊かなものが映し出される作品になるのではないかと思います。
・原作/藤本タツキ
是枝監督作品で初めて見たのは『海街diary』です。
主人公が新しく住む事になる家の中や、町の食堂の中の家具などがとても生活感があって物語に説得力を持たせるものになっていました。物語に関わらない細かい演技なども、キャラクターが日々、僕達の見えない所で生きていると思わせるもので感動しました。
是枝監督がルックバックを撮ってくれるなら僕はもう何も言う事はないです。楽しみにしています!
・企画・プロデューサー/小出大樹
ジャンプ+で公開された日に何度も読み返しました。衝撃でした。すごいものを読んでしまったと思いました。様々な感情とともに、ぼくは、藤野の背中から、なにか強い力をもらった気がしました。
その矢先、藤本タツキさんにご挨拶できる日がありました。藤本さんに読んだ直後の感想を伝えたいと思っていたのですが、ぼくは、間際になって、この漫画を、是枝監督による実写映画にさせていただけないかと伝えたいと思っていることに気がつきました。
是枝監督とは、ぼくが学生の頃に受けていた授業の先生として出会い、教室の席からその背中をみつめていました。『誰も知らない』で、1年をかけて四季をめぐりながら子どもたちの成長を撮影したこと、『海街diary』や『奇跡』で、子役の方に台本を渡さずにセリフを口伝えで演出されたことなど、これまで見聞きした話が思い出されました。なによりも、『誰も知らない』を観た際に抱いた強い感情が呼び起こされ、考えれば考えるほど、この実写映画化に際しては、是枝監督しかいないのではないかと思い、お声がけしました。
是枝監督をはじめ、キャストとスタッフの皆さん、秋田県にかほ市の方々と、四季を通じて、出来うる限り丁寧に撮影してきました。力を尽くして作りますので、楽しみにしていただければと思います。
『ルックバック』2026年公開
原作:藤本タツキ「ルックバック」(集英社ジャンプコミックス刊)
監督・脚本・編集:是枝裕和
企画・プロデューサー:小出大樹
配給:K2 Pictures
(C)藤本タツキ/集英社 (C)2026 K2Pictures・集英社
公式サイトURL: https://k2pic.com/film/lb/














