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<映画『港のひかり』公開御礼舞台挨拶レポート>木村大作キャメラマン、大御所俳優からの反響を告白!舘、眞栄田、尾上、木村キャメラマンらが “ずっと大切にしている思い”について吐露する場面も

昨年に公開され数々の映画賞を総なめにした映画『正体』にて、第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督とキャメラマン・木村大作が初タッグを組み、北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本で描く、映画『港のひかり』が絶賛公開中。

公開後のSNSでは、鑑賞者から「舘ひろしさんすごいハマってたなぁ渡哲也さんの面影を感じるシーンもあった」「作品に込められたメッセージがこれでもかと伝わった。舘ひろしカッコ良すぎるよ。演技がすごいし渋さが滲み出すぎてる」「感動して泣いたシーンが3つもあった。素晴らしい作品」といった満足度の高い声が広がり続けている。そんな中行われた公開御礼舞台挨拶には、舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀に加え、撮影を務めた木村大作キャメラマンも登壇し、まずはそれぞれ一言ずつ挨拶が行われた。

舘ひろし「本日はお運びいただきありがとうございます。この作品は、日本映画の将来を担う藤井道人監督の演出を、眞栄田郷敦くんをはじめとする素晴らしい俳優さんたちが表現し、そして日本映画界を代表する木村大作キャメラマンが35ミリのフィルムに焼き付けてくださいました。本当に素晴らしい作品になったと思います

眞栄田郷敦「公開から数日が経って多くの方にこの映画が愛されている声をたくさんいただいて、本当に嬉しく思っております。もっともっと多くの方に届くようにお話しできたらと思います

尾上眞秀「この映画を早く皆さんに観ていただきたいなと思っていたので、すごく嬉しいです。今日は楽しんで行ってください

木村大作「今日観ている方はお金を払って観てくださっている方です。ただ、責任があります。この映画をもっともっと多くの方に観ていただきたいんですが、まだまだ届いていません。『国宝』までとは言いませんが(笑)皆さんが今日から宣伝を、この映画の営業部長としお頼み申します!

まずは無事に公開を迎え、周囲からの反応や感想についての質問が投げかけられると、舘は「皆さん口を揃えておっしゃるのは、“泣けた”と。そういう意味では良かったなと思います。何年振りかで突然連絡があって“観ましたよ”という声もあったりして、嬉しかったです」とニッコリ。そんな舘の言葉に眞栄田も頷きながら、「本当に良い映画だった、いいお話だったというお言葉をたくさんいただきましたね」と回顧し、「普段あまり連絡を取らないような方からも連絡いただいたり…上の世代の方からも日本映画って良いねっていう声もいただきました」と周囲の反響を明かしていた。尾上は「友達や担任の先生に観てもらって。良かったよと言ってもらって嬉しかったです」と照れ笑いを浮かべる。そして木村は「舘さんよりも年上のある俳優さんから電話をいただいて…」と話し出し、「(その方が)舘ひろしさんを絶賛していました。この映画を観て、“舘さんってすごいわね”とおっしゃっていました」とエピソードを披露。「絶賛していましたね。僕は舘ひろしさんを今まで以上に哀愁を漂う男として撮影できたという自負があります」と豪語し、力強い言葉に会場からは大きな拍手が沸き起こっていた。

今回、本作のプロモーションのために、舘をはじめとするキャスト陣は多数のイベント・TV出演や取材などをこなしてきたが、トークでは特に印象に残っていることについての話題に。舘は「私の希望で輪島での試写やらせていただいて。撮影を行なった朝市通りが(震災で)跡形もなくなっていたりとショックを受けることもありましたが、印象に残っています」と振り返る。さらに最近行った富山県でのキャンペーンも印象的だったようで、「ロケ地でお世話になった富山刑務所に250人くらいの受刑者の方がいらっしゃる中、僕と笹野(高史)さんでと慰問に行かせていただいたんですが、これはもう大変です」と当時の緊張を表現する舘。「冗談を言っても笑ってくれなくて、これが結構辛いんですよ(笑)拍手も最初だけで…でもくすくすっと笑ってくださっている方もいたので良かったかなと」と思い出しながら胸を撫で下ろしていた。続く眞栄田は「僕も輪島で行ったイベントですかね。地元の皆さんに喜んでいただいて逆に元気をもらった気がします。あとは何より舘さんと昼の生放送に出れたことが嬉しかったです」と笑顔を見せ、尾上も「僕もやっぱり輪島のイベントがすごく思い出です。学生の方々の熱気もすごくて、熱くて…」と続き、忘れられない思い出を語っていた。

そして本作のイベントには今回が初登壇となった木村大作キャメラマン。意外にも木村とタッグを組むのは今回が初だったという舘だが、「雨のシーンや、雪のシーンは圧巻です。これこそ、“木村ワールド”かなと。僕らはそういう状況を作ってくれると、もうお芝居をしなくていいくらい。その場にいるだけで成立するような感覚もあって、やりやすかったですね。大作さんありがとうございました」と感謝を語っていた。一方、眞栄田も木村について「本当に嘘のない方で。いつもエネルギッシュで(その力に)現場が伝染されて活気に溢れていた気がします」と当時の様子を明かし、尾上も「すごく元気で、エネルギーがすごい」と頷いていた。その流れで尾上から「(木村と)監督がバチバチしていて…」とまさかの暴露が飛び出す場面も!そんな思わぬ暴露に、「今、眞秀くんが正直に話してくれたので一つお話ししますが…要するに僕は若い頃から強く言ってしまうことがあるんですよね」話し始める木村。「年下のスタッフ、会社の偉い方にもそう言った感じになってしまうんですよね。眞秀くんが話してくれたのは、輪島の朝市通りでの撮影で、エキストラの方がたくさんいて。なかなか思い通りにならない時に、思わず熱くなって“バカヤロー!”と叫んでしまって。“こういうふうに歩くんだ!”と指導していたら藤井監督に隅っこの方に連れてかれて、“バカヤローだけはやめてください”と」となだめられたことを回顧。「僕はいつもこうだと話した翌日、保護施設で子供達が遊んでいるシーンの撮影で、藤井監督が子供達に色々と演出していたものの、何回テストを重ねても思い通りにならなくて。そうしたら藤井監督が思わず“バカヤロー!”って口走っていたんですが、僕がそれを見て“子供にそれを言ってはしょうがないんじゃないか”と言ったらスタッフはみんな笑ってましたね(笑)」とふたりの信頼関係が垣間見える熱いエピソードを披露する木村に、会場は笑い声に包まれた。このエピソードトークに舘も「(現場は)こんな感じでしたね。(熱くなってしまう両者に)“まあまあ”って何回も言ってました(笑)芝居なんかしている暇はないですよ!」とジョークを飛ばしながら笑顔を見せていた。

さらにイベントでは一般客から寄せられた質問に回答するコーナーも。「(舘演じる)おじさんと(眞栄田・尾上演じる)幸太は、お揃いの鈴をお大切にしていましたが、皆さんがずっと大切にしているもの、思い出深いものはありますか?」という質問が読み上げられると、眞栄田は「僕は思い出を形に残すタイプではないのですが…」と前置きしながらも、「3年前に父が亡くなったのですが、ある約束をして。それはいつも大切にしていますし、今回この作品で舘さんや大作さんをはじめとする皆さんとご一緒していることを喜んでいるんじゃないかなと思います」としみじみ語ると、会場は温かいエピソードに拍手が湧き起こる。一方の木村は、「この映画界が、自分の居場所です。最後まで映画の現場に立ちたいと思っています。もう86歳になり、人生の終末を歩いていますが、いなくなる寸前まで現場にいたいと思っています!」と力強く映画作りにかける思いを語っていた。続く尾上はペットを挙げながら、「一目惚れで、出会った瞬間に飼いたい!と思って…。家族になって今は5歳なんですが、おとなしくもあり、凶暴でもあり…(笑)」と溺愛している様子だった。最後に舘は、恩師・渡哲也の存在を明かす。「十数年前の話ですが、渡さんから時計を頂きまして…。それはすごく自分の中では大事なものです。なので、普段はあまり身につけていないようにしていますが、きっと渡さんが僕に残してくれたもの、(教えてもらった)生き様や俳優としてのあり方は、今でも心にあります。僕があるのは渡さんのおかげかなと思っています」と語りかけていた。

イベントの締めくくりにはマスコミと一般客に向けたフォトセッションが行われ、最後は代表して舘から挨拶。「本日はお越しいただきありがとうございます。この作品は私の俳優人生50年の中でも集大成になったような作品だと自負しております。ご家族の方、ご近所の方に映画を勧めてくださったら嬉しく思います」と語りかけると、会場が大きな拍手で包み込まれる中、登壇者は会場を後にした。

 

『港のひかり』
11月14日(金)全国公開

【キャスト】
舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀、黒島結菜、斎藤工、ピエール瀧、一ノ瀬ワタル、MEGUMI、赤堀雅秋、市村正親、宇崎竜童、笹野高史、椎名桔平

【スタッフ】
監督・脚本:藤井道人
企画:河村光庸
撮影:木村大作
美術:原田満生
音楽:岩代太郎
配給:東映、スターサンズ
©2025「港のひかり」製作委員会