吉永小百合×阪本順治『てっぺんの向こうにあなたがいる』がTIFFオープニングに登場!吉永「皆さんのお心に届きますよう願っています」

第38回東京国際映画祭のオープニング作品として『てっぺんの向こうにあなたがいる』が上映され、吉永小百合、のん、阪本順治監督が登壇した。会場は丸の内ピカデリー2。10月27日(月)19:15開演の回で舞台挨拶が行われた。
本作は、1975年に世界最高峰エベレストの女性初登頂を成し遂げた登山家・田部井淳子の実話に基づき、偉業から晩年までの歩みを描く。主人公・多部純子を吉永小百合、青年期をのんが演じ、夫・正明役の佐藤浩市、盟友・北山悦子役の天海祐希らが脇を固める。監督は『北のカナリアたち』以来、吉永と13年ぶりのタッグとなる阪本順治。
吉永小百合は田部井淳子さんの写真を複写した白の帯、お太鼓には田部井さんが撮られたエベレストと月の写真があしらわれ、着物のピンクと紫は帯に合わせご自身で選ばれた色味の華やかなお着物、のんさんは肩を出したブラウンのシックなドレスで登場。観客から大きな拍手で迎えられました。
阪本順治監督は「本日は東京国際映画祭のオープニングにお越しいただきありがとうございます。スマホやPCの画面ではなく、大きなスクリーン、迫力のある音響でご堪能ください」とあいさつ。吉永小百合、のんも東京国際映画祭のオープニング作品の上映に足を運んでくれた観客に感謝を示しあいさつ。田部井淳子さんがモデルの多部純子を演じられたことについて聞かれると吉永は「田部井さんには2012年にお目にかかっていて、それ以来明るく積極的で生き生きとした彼女のファンでした。山には20代の頃によく登っていました。本作で富士山やそのほかの色々な山に登って、大変では?と聞かれますが、とても幸せな時間でした」とコメント。多部純子の青年期を演じたのんは共演シーンは無かったものの、オールアップの時にプロデューサーらに止められながらも、吉永が一人で現場に来てくれたことを回顧し「富山の山での撮影で、駅からも離れていて来にくい場所だったんですけど、サプライズで吉永さんが現場にお1人で駆けつけてくださり喜びでいっぱいでした」とコメント。吉永とのんが同一人物を演じることについて2人にアドバイスしたことを問われると阪本監督は「田部井さんの本や出演されていたテレビを見て、キャラクターを箇条書きにしてお2人に伝えました。あとのんさんには吉永さん昔の映画を観てもらいイメージをつかんでもらいました」と役作りの裏側を明かしました。

レッドカーペットの感想を聞かれると吉永は「日本でレッドカーペットを歩くのはほぼ初めて。たくさんの方の応援を実感しました。以前はモントリオールで歩かせていただきましたが、やはり日本は格別でした」のんは「本当にうれしかった、吉永さん、阪本監督と3人で私も歩けたのが幸せでした」と感想を述べ、阪本監督は「吉永さんとレッドカーペットを歩けるなんて思ってもいなかった。あと1km位あっても良いですね」と笑いを誘った。
また東京国際映画祭を契機に“世界の田部井”がさらに加速するのではないかと問われると「まずは国内のお客様に感動していただくということが優先されるのですが、先日行ったサンセバスティアン映画祭でオーストリアの著名な登山家ゲルリンデさんにお会いした時、“つい最近、誰か田部井淳子さんの映画を撮ってくれないかしらって仲間と話していたんですけど、それが今年公開されると聞いてとっても驚きでした”と言われて色々な国に田部井さんのファンの方がいるんだなと実感しました」と世界での飛躍にもさらなる期待をのぞかせた。

締めのあいさつで、のんは「今日はお越しいただきありがとうございます。吉永さん、阪本監督と楽しくお話ができて幸せです。この映画をご覧いただくと、私もこんなふうに生きられたらなと、少し人生が豊かになると思いますので、楽しんでください」とコメント。
吉永は「撮影中はのんさんと話す機会がなく、今日こうやってずっと一緒にいられて嬉しいです。映画をご覧になって、皆さんのお心に届きますよう願っています」とコメント。阪本監督は「今日ご覧になっていただき気に入っていただけましたら、公開中に知り合いを誘って来てください。監督だから言えるここだけの話をしますよ……この映画は二回目が一番面白いです」と締め、終始和やかな舞台挨拶は終了しました。

『てっぺんの向こうにあなたがいる』
2025年10月31日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか 全国公開
【STORY】
1975年、エベレスト山頂を目指す一人の女性がいた。名は多部純子。日本時間16時30分、純子は女性として初めて世界最高峰の登頂を達成する。世界を驚かせた偉業は、彼女自身と友人・家族に光をもたらす一方で、深い影も落とした。晩年、余命宣告を受けながらも「苦しい時こそ笑う」と周囲を励まし続け、人生をかけて山に挑み続けた純子。登山家として、母として、妻として、一人の人間として——純子が最後に「てっぺん」の向こうに見たものとは。
出演:吉永小百合、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加/茅島みずき、円井わん、安藤輪子、中井千聖、和田光沙、天海祐希/佐藤浩市
監督:阪本順治
脚本:坂口理子
音楽:安川午朗
原案:田部井淳子『人生、山あり“時々”谷あり』(潮出版社)
製作総指揮:木下直哉
製作:「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会、木下グループ、朝日新聞社、読売新聞社、報知新聞社
制作プロダクション:キノフィルムズ/ドラゴンフライ
配給:キノフィルムズ
協力:一般社団法人 田部井淳子基金
©2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会
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