市原隼人、“生・甘利田”熱演で会場沸騰！映画『おいしい給食炎の修学旅行』完成披露舞台挨拶――「どこまでもお客様のために」舞台あいさつ80回宣言

2025.10.04

10月3日、東京・新宿ピカデリーで映画『おいしい給食炎の修学旅行』の完成披露舞台挨拶が行われた。登壇したのは主演の市原隼人をはじめ、武田玲奈、田澤泰粋、栄信、いとうまい子、六平直政、小堺一機、そして綾部真弥監督。シリーズ4作目の公開を目前に、キャスト陣が熱気あふれるトークを繰り広げた。

開演早々、観客を驚かせたのは市原の“公開本読み”だった。ボロボロになった台本を手に甘利田幸男の口上を声高に読み上げ、メロンパンの食感を「ザクッ、カリッ、ふわ～」と全身で表現。熱々のせんべい汁に挑む場面では「熱っ！耐えろ幸男！熱さにダメージを受ける子供とは違うのだ！」と叫び、観客を笑いの渦に巻き込んだ。最後に「うまそげすぎるだろ～！」と敗北宣言をして締めると、場内は拍手喝采となった。

改めて挨拶に立った市原は、「この日を本当に楽しみにしていました。2019年に小さく始まった作品が6年かけてここまで続いたのは、皆さんのおかげです」と感謝を重ねた。さらに今作では「炎の全国キャラバン」として約80回の舞台挨拶を予定。「呼ばれればどこへでも行く。どこまでもお客様のためだけの作品でありたい」と真摯な思いを語った。

6年ぶりにシリーズへ復帰した武田玲奈は、久々に御園先生の衣装に袖を通した時の心境を「甘利田先生のパワーに圧倒されました」と笑顔で明かした。第一作以来となる再登場に「まさかこんな形で戻ってこられるとは思っていなかった」と喜びを噛みしめると、市原も「続けてきたからこそまた御園先生に会えた」としみじみ。シリーズの歴史を共に振り返るような温かいやり取りに、会場からは拍手が送られた。

粒来ケン役の田澤泰粋は、現役高校生らしい初々しさを残しつつも「監督に“一か月を意味あるものにしてほしい”と言われました」と撮影前に託された言葉を振り返った。甘利田への思いを告げる難しい場面に挑んだ時の緊張感を口にしながらも、「皆さんに支えられて演じ切れました」と仲間への感謝を述べた。11月には実際に自身の修学旅行を控えるという田澤に、市原は「友達と一緒にいる時間こそが宝物。全力で楽しんでほしい」と熱いエールを贈った。

体育教師・木戸を演じた栄信は、せんべい汁を食べるシーンを「甘利田先生の隣で食事をするのは初めて。作品の核に触れる時間でした」と語り、さらに「隼人くんが朝から徹底的に役に向き合う姿を見て、“この人だから甘利田幸男なんだ”と実感しました」と真剣な眼差しで語った。

いとうまい子は「“自信は自分を信じること”という台本の言葉に泣きました」と率直に明かし、観客から共感の声が漏れる場面も。六平直政は「市原さんをはじめ、みんな芝居がうますぎる！日本一の役者が集まった現場」と断言し、ベテランらしい迫力で場を盛り上げた。小堺一機は「寒い時期に撮影したのに、座長の熱気で“窓を開けてくれ”と言ったほど」と笑わせながらも、「甘利田先生を見ていると、ただの文字だった台本のセリフがどんどん感情になっていく。人生の先生に出会ったような気持ちでした」と真剣な賛辞を送った。

舞台挨拶の最後に口を開いた綾部監督は「若い頃に旅をした東北でロードムービーを撮ることが夢だった」と語り、今回の修学旅行編が自らの夢と重なっていたことを明かした。「次があるなら今度は南へ」と冗談交じりに投げかけると、客席から「待ってます！」と声が飛び、会場は一層和やかな空気に包まれた。

続いてマイクを握った市原隼人は、静かに観客を見渡しながら「本作には日本人のわびさびがたくさん詰まっています。そこには愛が込められているんです」と語りかけた。そして劇中の印象的なせりふ「御園先生はこんなものですか？」に触れ、「自分に対しても常に“こんなものか？”と問い続けたい。『いや、こんなものじゃない！』と思える気持ちを大切にしたいんです」と強い眼差しで言葉を紡ぐ。「この作品を観ていただいた皆さんが、自分自身の中に秘めた魅力と出会ってくれたらうれしい」と熱を込めてメッセージを送り、会場から大きな拍手が鳴り響く中、舞台挨拶は幕を下ろした。