MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

映画『愚か者の身分』完成披露試写会レポート!北村匠海「役者はヤドカリ」と本音トーク、綾野剛は“人間の業”に共感

映画『愚か者の身分』(10月24日公開)の完成披露試写会が9月24日、都内で行われ、主演の北村匠海、林裕太、綾野剛、そして永田琴監督が舞台挨拶に登壇した。

本作は、西尾潤の第2回大藪春彦新人賞受賞作を映画化した青春逃亡サスペンス。貧しさから闇ビジネスに足を踏み入れ、抜け出せなくなった若者たちの3日間を描く。Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズや「幽☆遊☆白書」を手がけたプロデューサー集団「THE SEVEN」が、企画・製作から配給まで一貫して手がける初の劇場映画として世に送り出す。脚本は『ある男』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した向井康介が務める。

試写会の冒頭には、第30回釜山国際映画祭のレッドカーペット映像が上映され、華やかな雰囲気に包まれたキャストの姿に場内から拍手が起こった。映像上映を受けて綾野が舞台上で指ハートを作ると、「かわいい!」「かっこいい!」と歓声が飛び交い、本人も照れ笑い。観客が掲げた名前入りのパネルを指差しながら「こういう応援は本当にうれしい。どう返していいか迷うこともあるけれど、役者はお客さんを通して学ばせてもらうことばかり」と率直に語り、「今日は皆さんに会えるのを楽しみにしていました。この場には映画を支えてくれたスタッフもたくさん集まってくれていて、胸がいっぱいです」と感謝を伝えた。

釜山での経験について北村は「初めての国際映画祭で、このメンバーで立てたことが感慨深かった。焼肉もすごく美味しかった」と笑顔を見せ、林は「観客の笑い声やすすり泣きが生で伝わってきて、感情の揺れを肌で感じられた」と語る。永田監督も「世界が注目してくれたことを実感した」と胸を張り、海外の舞台で得た手応えを振り返った。

役作りに触れた北村は「撮影の日々は、生きることに向き合う時間だった。剛さんから受け取ったものを自分が裕太につなぐ。どうバトンを渡していけるかを考えていた」と語り、「軽やかで美しい映画ですが、目を覆いたくなるほど過激な場面もある。それでも最後まで見届けてほしい」と呼びかけた。林も「匠海くんに導かれ、剛さんに見守られながら、自分にとって大切な作品になった」と誇らしげに語った。綾野は「この映画が観客に届いて育ててもらえることに感謝している」と真摯に話し、作品が観客のもとで成長していくことへの期待を込めた。

共演を振り返る場面では、綾野が「匠海とのシーンは人としてシンパシーを感じた。声を聞くだけで通じるものがあり、フルスイングの仕方も近い」と北村との相性を強調。林も「匠海くんがそばにいてくれて、剛さんが見守ってくれた」と二人への感謝を述べ、世代を超えた信頼関係を示した。永田監督は「撮影は歌舞伎町で深夜に行うことも多かった。大変だったけれど、その場でしか撮れない“今”を作品に刻もうとした」と振り返り、現場での覚悟を明かした。

「愚か者だと感じる瞬間」についての質問には、北村が「欲望に負けて深夜にラーメンを食べてしまう」と打ち明け、「買い溜めしたカップ麺が夜中にこちらを見ている気がして、つい手を伸ばしてしまう。翌朝は顔がパンパンになって後悔する」と苦笑。これに綾野も「深夜に食べるあれ、なんであんなに美味いんだろう」と共感し、「人間の業。あれは愚かだよ」と笑いを誘った。その流れから綾野は「役者というのは、自分ではない誰かを生きること自体が果てしなく愚か。でもその愚かさがあるからこそエネルギーになる」と自身の役者観を語り、北村も「役者は恥をさらす仕事。その愚かさをどう力に変えるかが大事」と応じた。

「生まれ変わったら?」というテーマでは、北村が「ヤドカリ」と答え、「役者はヤドカリ。ひとつの役という宿を借りて、また違う宿に移っていく。センスのいいヤドカリもいれば、不器用なヤドカリもいる」と独自の比喩を披露した。綾野は「言語」と答え、「言葉は世界をつくり、人と人との距離を変える」と語る。林は「世界一速く走りたい」と話し、陸上経験者の綾野が「最高だったよね!」と世界陸上の話題で盛り上げると、北村も「小3からリレー選抜で走っていて、高3ではアンカー。マラソン大会も学年10位だった」と俊足エピソードを披露して会場を沸かせた。永田監督は「ダンサー」と答え、最後まで和やかな雰囲気を作り出した。

最後に北村は「この映画の美しさは、僕らが受け取ったものを観客がさらに受け取り直す循環にある。3人のことを愛してくれれば、それ以上にうれしいことはない」と語り、日本公開への期待を観客に託した。『愚か者の身分』は10月24日より全国公開。運命に翻弄されながらも生き抜こうとする3人の若者の姿を、ぜひ劇場で見届けたい。

『愚か者の身分』
2025年10月24日(金) 全国公開

【ストーリー】
SNSで女性を装い、言葉巧みに身寄りのない男性たち相手に個人情報を引き出し、戸籍売買を日々行うタクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)。彼らは劣悪な環境で育ち、気が付けば闇バイトを行う組織の手先になっていた。闇ビジネスに手を染めているとはいえ、時にはバカ騒ぎもする二人は、ごく普通の若者であり、いつも一緒だった。タクヤは、闇ビジネスの世界に入るきっかけとなった兄貴的存在の梶谷(綾野剛)の手を借り、マモルと共にこの世界から抜け出そうとするが──。

【キャスト】
北村匠海、林裕太、山下美月、矢本悠馬、木南晴夏、綾野 剛

【スタッフ】
プロデューサー:森井輝
監督:永田琴
脚本:向井康介
原作:西尾 潤「愚か者の身分」(徳間文庫)
製作:映画「愚か者の身分」製作委員会
製作幹事:THE SEVEN
配給:THE SEVEN、ショウゲート
(C)2025映画「愚か者の身分」製作委員会 
公式サイト:orokamono-movie.jp
オフィシャルX:@orokamono_1024 #映画愚か者の身分