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映画『宝島』公開初日舞台挨拶レポート!妻夫木聡、6年越しの想いを観客へ託す「想いの力を信じたい」

映画『宝島』の公開初日を祝う舞台挨拶が9月19日、新宿バルト9で華やかに開催された。会場には主演の妻夫木聡をはじめ、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、そして本作で本格的に俳優デビューを果たした栄莉弥とその実弟・光路、さらに大友啓史監督が勢ぞろい。満員となった場内は上映直後の余韻と熱気に包まれ、拍手と歓声が途切れることなく鳴り響いた。

『宝島』は真藤順丈の直木賞受賞作を原作に、アメリカ統治下の沖縄を舞台とした若者たちの友情と葛藤を壮大なスケールで描いた超大作。企画立ち上げから6年、コロナ禍による二度の撮影延期を経てついに完成したこの映画には、キャスト・スタッフの並々ならぬ情熱が注ぎ込まれている。上映時間は191分、総製作費25億円という日本映画の常識を超える規模で挑んだ本作がついに封切られた初日、舞台に立つ面々の表情には、長い道のりを乗り越えた達成感と観客と出会えた喜びがあふれていた。

最初にマイクを握ったのは主演の妻夫木聡。大きな拍手に迎えられると、一人ひとりの観客の顔を見渡し、感慨深げに「初日から観に来てくださりありがとうございます!」と挨拶した。そして「2019年に企画が立ち上がってから、コロナの影響で二度の延期を経て、6年越しでこの日を迎えることができました。こうして初日を喜べるのも、皆さんの想いのおかげです」と声を震わせるように語ると、会場には再び大きな拍手が湧き起こった。

隣に立つ広瀬すずも「こんなにたくさんの方々に足を運んでいただけて本当に嬉しいです!」と笑顔で応じ、窪田正孝は「『宝島』を通して皆さんと出会えることが何より幸せです」としみじみとした声色で感謝を伝える。さらに永山瑛太は「俳優をやっていて、この瞬間が一番ドキドキします。自分は幸せ者だなと感じています」と率直な胸の内を明かし、客席に視線を送ると「ポップコーンが全然減ってないお客さんがいらっしゃいますね。それだけ集中して観てくださったんだと。本当に嬉しいです」と笑いを誘った。すかさず妻夫木も「本当だ!ありがとうございます!」と声を上げ、場内は和やかな笑いに包まれた。一方、大友啓史監督は万感の想いを込めてマイクを握った。「個人的には20年近く温めてきた企画で、その後6年かけてようやく今日という日を迎えました。ここにいないキャストやスタッフの力もあって映画は完成したんです。どうか皆さん、彼らにも拍手をお願いします」と呼びかけると、会場中に力強い拍手が広がった。

舞台挨拶の途中には、この日のために用意されたサプライズ演出も。会場後方にそびえ立っていた巨大パネルの除幕が行われ、妻夫木と大友監督が布を外すと、そこには全国キャラバンで集められた観客の直筆メッセージがびっしりと掲げられていた。

「魂が震えた」「3時間ずっと感動」「日本国民全員に観てほしい」といった熱い言葉の数々に、登壇者も観客も息をのむ。思わず妻夫木は「本当に嬉しい、感動的です」と言葉を詰まらせ、「訪れた先々で家族が増えていくような感覚がありました」と振り返ると、共演者たちからも感嘆の声がもれた。大友監督も「『宝島』は成立するかしないかの瀬戸際に何度も立たされながら、みんなで壁を乗り越えてきた映画。メッセージをくださった皆さんの顔を全員覚えて帰りたい」と語り、その場を一層感慨深いものにした。

さらに話題は全国キャラバンの思い出へと及ぶ。広瀬は「沖縄の方々に観ていただくのは不安もありました。でも上映後に“ありがとう”と言っていただけた瞬間、すごく熱い気持ちになりました」と振り返り、窪田も「上映後に観客の皆さんの目がキラキラしていて、映画を通じてつながっていることを実感しました」と感慨をにじませた。

本作で主人公たちの“英雄”であるオンを演じた永山は、出演にあたっての心境を率直に吐露。「オンはこの映画にとって非常に大きな意味を持つ役で、自分に務まるのかという不安とプレッシャーを強く感じていました」と明かしたうえで、「監督の熱意と仲間たちの支えによって覚悟を決め、カメラの前に立つことができました」と力強く語った。

沖縄ロケのエピソードも次々と飛び出した。大友監督は「辺野古の特殊飲食街を再現したセットで撮影した際、地元の方々が集まり、懐かしさに涙しながら当時を思い出されていたと聞きました。やがて皆さんで宴会を始められたとも。映画の力が地域の記憶を呼び覚ます瞬間に立ち会えたことが嬉しかった」と誇らしげに振り返る。妻夫木も「撮影初日のコザでのシーンで、瑛太さん演じるオンの背中を追う場面は忘れられません。あの姿はまさにオンそのものだった」と熱を込めて語り、広瀬は「沖縄の海を眺めていると自然の循環を感じ、感情があふれて止まらなくなった」と自身の体験を重ねる。窪田は「御嶽で撮影した時、生きているような鼓動を感じました」と神聖な体験を明かし、永山も「エンドロールで多くの町や人々の名前を見て、この映画が本当に多くの力に支えられていることを実感し、胸が熱くなりました」と語った。キャスト・スタッフの思いが折り重なり、『宝島』がいかに総力を挙げたプロジェクトだったかが伝わってくる場面だった。

そして舞台挨拶はいよいよ終盤へ。締めの言葉を託された妻夫木は、ゆっくりと観客に視線を送りながら語り始めた。「『宝島』は6年がかりでようやく完成しました。不死鳥のように蘇るこの映画を通して、“想いの力”のすごさを改めて感じました。想いがある限り、人は何度でも立ち上がれるのだと思います」。続けて「この映画は、想いがつながっていく物語でもあります。オンから託された命のバトンをグスクが受け取り、その先に未来を思い描いたように、今度は僕たちがこの映画から受け取ったバトンをどうつなげていくか。それを問われている気がします」と強調した。

さらに「もしこの映画の力によって、誰かの人生を1%でも変えることができるなら、僕はその力を信じたい。たかが映画、されど映画。『宝島』は僕たちにとって子どものような存在です。これから育ててくれるのは皆さんです。どうか立派な大人になるように、愛情を持って育ててください」と、深い愛情を込めて語りかけると、客席は割れんばかりの拍手に包まれた。

こうしてキャストと監督の満面の笑顔に見守られながら、『宝島』公開初日の舞台挨拶は幕を閉じた。時代の波に翻弄されながらも懸命に生き抜いた若者たちの姿を描いた本作は、観る者の心にも確かな火を灯す。圧巻の191分を駆け抜ける映画『宝島』は、全国で公開中だ。

 

『宝島』
2025年 9月19日(金)より全国公開

【ストーリー】
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える‟戦果アギヤー“と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の三人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人はやがて、憧れのオンの失踪の謎を追いながらも、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがて警察、ヤクザ、小学校の先生になり、それぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。そして、オンが基地から持ち出した”何か“を追い、米軍も動き出すー。消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とはーー。

出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
監督:大友啓史
原作:真藤順丈「宝島」(講談社文庫)
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会

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