柄本佑主演×渡辺謙初共演!映画『木挽町のあだ討ち』2026年2月27日公開決定!直木賞&山本周五郎賞W受賞作を映画化
直木賞と山本周五郎賞を同時受賞し話題を集めた永井紗耶子の小説『木挽町のあだ討ち』が映画化される。公開日は2026年2月27日(金)。主演に柄本佑、共演に渡辺謙を迎え、監督・脚本は源孝志が務める。
原作は江戸の芝居町を舞台に、仇討ち事件の裏側に潜む人間模様を描いた時代小説。確かな時代考証と重層的な人間描写が高く評価され、ミステリーランキングにも軒並みランクインした。舞台化も行われた作品が、今度はスクリーンで再構築される。永井は「撮影現場の芝居小屋に入ったとき、まるでタイムスリップしたような臨場感がありました」と語っている。
主人公・加瀬総一郎を演じるのは柄本佑。観察眼に優れた田舎侍が、仇討ちの真相に迫っていく。柄本は「ホンを読んで『そうきたかぁ』と唸りました」とコメントした。一方、芝居小屋「森田座」を束ねる立作者・篠田金治役には渡辺謙。重厚な存在感で物語の陰影を際立たせる。渡辺は「脚本はミステリーと群像劇の要素が入り、痛快なチャンバラ時代劇になりました」と話している。監督の源孝志は、ドラマ「グレースの履歴」などで知られる演出家。今回の映画化にあたり「最後まで疾走感を感じるエンターテイメントになっていると思う」と意気込みを述べた。
あわせてティザービジュアルも公開された。雪景色の中で向かい合う二人の男、その間を進む赤い着物姿の女性。もう一方には雪原に落ちた赤い傘と花弁を前に佇む総一郎。いずれも作品の謎を示唆する構図となっている。
物語は、雪の夜に若衆・菊之助が仇討ちを成し遂げた出来事から始まる。美談として語られた事件の真相を探るため、1年半後に菊之助の縁者と名乗る侍・総一郎が芝居小屋を訪れる。聞き取りを重ねるうちに、当時の出来事の裏側が少しずつ浮かび上がっていく。
江戸の芝居町を舞台に、証言や記憶が交錯する物語をどう描き出すのか。柄本佑と渡辺謙の初共演が、その構図にどのような厚みをもたらすのか、今後の動向が注目される。
<コメント全文>
柄本佑(加瀬総一郎役)
何を隠そう、うちの父は木挽町の生まれでして、今作の小説が出た時に「これは読まなければ」と、あまり本を読まない僕が珍しく買って読んでいた小説なわけなのですが、まさか自分にお話が来ようとは思いもしませんでした。源監督は出演数の一番多い監督。スタッフも勝手知ったる旧知の仲間。皆さんとのお仕事はいつも楽しいばかり。加えて京都・太秦撮影所でのがっつり撮影ですから、隅から隅まで“俺得”でしかない現場でした。原作を読んだことのある方は「あれ、どうやって映画にするのん??」と思われるかもしれませんがご安心を。流石源監督。ホンを読んで「そうきたかぁ」と唸りました。ぜひお楽しみにしていただけたら、これ幸いです。
渡辺謙(篠田金治役)
原作を読んだ時、この作品を映画でやりたいなと思っていました。源さんから出演をオファーされた時、二つ返事でした。
脚本はミステリーと群像劇の要素が入り、東映らしい痛快なチャンバラ時代劇になりました。
永井紗耶子(原作者)
この作品は、読者の皆様を江戸の芝居小屋にご案内するような気持ちで書いていました。それが、オーディブル、歌舞伎に続き、映画に。実際に撮影現場で芝居小屋のセットに入った時、まるでタイムスリップしたような臨場感がありました。監督、スタッフのみなさんのパワーと、役者さんたちの熱演によって、新しい角度から表現される『木挽町のあだ討ち』。ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。
源孝志(監督)
直木賞を受賞して間もない『木挽町のあだ討ち』を映画化したい、監督してもらえないか?というオファーを受けたのは、「赤坂大歌舞伎」「中村仲蔵」など、江戸歌舞伎の世界を舞台とした作品が続いていた時期でした。正直、私としては歌舞伎ものはお腹いっぱいで、半ば断ろうと思っていた。思っていたのですが……渡された原作を、ついつい一晩で読んでしまった。生き場所を失って芝居小屋に流れ着いた江戸の演劇人たち。彼らの細やかな悲しみが丁寧に織り込まれたエピソードが重層的にストーリーを動かし、次第に仇討ちへと収斂されていく展開が見事だった。
脚本をどう書くべきか悩んでいた頃、別作品のミーティングでたまたま会った渡辺謙さんが、
「『木挽町のあだ討ち』読んだ? あれ、面白いよね。映画にならないかなぁ」
と私に言った。私はシレッと聞き返した。
「謙さんなら、どの役がやりたいですか?」
「そりゃ○○○でしょう?」
「いや、△△の方がいいと思いますよ」
「何それ? 源さんが撮るの?」
「いやいやいや……」
――キナ臭い役者と監督の会話でした。
この作品を映画化するにあたって、一つ難度の高い問題がありました。私に監督を依頼したプロデューサーは、この人情あふれる物語をサスペンスタッチのエンターテインメントに仕立ててほしいという。無茶な話です。
この無茶振りに対する打開策を数日ぐるぐると悩み、やがて唐突に「解」を得た。ダラっと家で観ていた『刑事コロンボ』の再放送が、その「解」をもたらしてくれたのです。
コロンボのように、ニュルっと仇討ちに隠された謎に切り込んでいくのは、原作では一言も喋らない男。すぐに、柄本佑のニュルっとした笑顔が思い浮かびました。
その前に立ちはだかるのは、渡辺謙率いるクセ強めの“森田座アヴェンジャーズ”。彼らが守ろうとしたものはいったい何なのか。役者の顔が見えてきたら、脚本は一気呵成に書き終えた。まだ完成前ですが、原作を読んだ人も読んでいない人も、最後まで疾走感を感じるエンターテインメントになっていると思います。
須藤泰司(プロデューサー)
クリスティの『オリエント急行殺人事件』を江戸の町に置き換えたような上質のミステリー、粋で痛快なストーリー。そして歌舞伎の華やかさ。そんな原作小説の持つ魅力をさらに膨らませ、作品が誕生しました。柄本佑を筆頭に、全員クセ者、訳あり男女。締めるは大ボス渡辺謙。誰が本当で、誰が嘘なのか。時代劇が再び脚光を浴びる中、東映京都の職人たちが咲かせた「あだ討ち」の花、とくとご覧ください。
『木挽町のあだ討ち』
2026年2月27日(金)全国公開
原作:永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社刊)
監督・脚本:源孝志
出演:柄本佑、渡辺謙
配給:東映
公式サイト:https://kobikicho-movie.jp
Ⓒ2026「木挽町のあだ討ち」製作委員会
- 『落下の王国 4Kデジタルリマスター』11月21日公開決定!17年の時を超えて甦る“映像詩”の傑作、ポスタービジュアル解禁!
- 妻夫木聡「映画の力を信じたい」――映画『宝島』東京プレミア開催!広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太らキャスト陣が集結!












