「この映画を育ててくれてありがとう」──BABEL LABEL 15周年キャラバン in 出町座!『青春18×2 君へと続く道』前田浩子プロデューサー&劇中絵画の吉田瑠美が制作秘話と感謝を語る!
映画・ドラマの注目作を数多く手がけてきたコンテンツスタジオ・BABEL LABELが、設立15周年を記念して全国のミニシアターを巡回する特集上映企画「全国ミニシアターキャラバン」を展開中だ。その第6弾となる上映イベントが、8月29日から9月4日まで、京都・出町座で開催された。
上映ラインナップには『青春18×2 君へと続く道』『青の帰り道』『ジャパニーズスタイル』『日本製造 メイド・イン・ジャパン』の4本が並び、初日の29日には『青春18×2 君へと続く道』の上映後に舞台挨拶を実施。BABEL LABEL所属プロデューサーの前田浩子と、劇中絵画制作を担当した吉田瑠美が登壇した。今回の会場「出町座」は、元立誠小学校の「立誠シネマ」閉館後、クラウドファンディングによって商店街に再オープン。“映画×書店×カフェ”が融合したカルチャー拠点として多くの観客を惹きつけている。
BABEL LABEL全国ミニシアターキャラバン in 出町座 概要
【日程】2025年8月29日(金)
【場所】出町座(〒602-0823 京都府京都市上京区三芳町133)
【登壇】前田浩子(プロデューサー)、吉田瑠美(劇中絵画制作担当)
厳しい暑さが続く中、今日も多くの観光客で賑わう京都。そんな、京都の中心街から少し離れた場所に位置する「出町座」には、映画を楽しんだり、本を探したり、カフェで食事をしたり、多くの方々がそれぞれの目的を持って訪れていた。年齢も性別も幅広いお客さんが往来していたが、全ての方に共通することは、帰り際の表情が多幸感に溢れていることだ。その満足した表情から「出町座」が愛されている理由が伝わってくる。15時が迫ってきた頃、スピーカーからは『青春 18×2 君へと続く道』の主題歌、Mr.Childrenの「記憶の旅人」や、劇中で使用された楽曲が流れ始め、『青春 18×2 君へと続く道』の上映を待ち侘びる観客で溢れていた。場内の準備が整うと、スクリーンのある2階へ続く階段を上がる観客の足取りは軽やかで、足音からも映画を楽しみにしているのが伝わってきた。
上映が終わると、改めてスクリーンに帰ってきた作品を、それぞれの想いを胸に噛み締める多くの観客で席が埋まっていた。そんな、感動も冷めやらない中、BABEL LABEL所属プロデューサー:前田浩子、劇中絵画制作担当:吉田瑠美の2人が登壇する、上映後イベントが開催された。
はじめに、前田は「この暑い中、汗をかいて、涙を流されて、たぶん、今、カラカラになっていると思うので、ぜひ、水分補給をしてください。藤井監督も、ここは本当にすごく素敵な映画館だから、絶対行った方がいいよと言われました。きょうの上映会にもたくさんの方がお集まりいただいていると聞き、楽しみに来ました」と、厳しい暑さの中ご来場いただいた方々へご挨拶。次に吉田は「藤井監督の姉の吉田瑠美です。いろいろなところでお話しさせていただいてきましたが、映画館でお話するのは初めてです。本日はよろしくお願いします」と続いた。
さっそく、トークセッションがはじまると、本作に携わることになったきっかけについて、前田は「台湾のプロダクションの方から、旅のブログをまとめて、映画にしようと思ってるんだけど、なかなか台湾の監督の人選がうまくいかず、藤井監督に直接、相談が入って、その流れで藤井監督から“一緒にやってくれないか“という電話をいただき参加することになりました」と話し、吉田は「私は絵を描いているのですが、弟が絵を見たいと連絡をくれたんです。どんな絵か知ってるじゃんと思いながら、見れる場所を教えたら、次は絵を1枚描いて欲しいという連絡があって…結局1枚じゃなくてたくさん描くことになりました」と、劇中でも印象的な絵画がたちが、どのように生まれたかを明かし「この絵をきっかけに、たくさんの方との出会いがありました。本当にすてきな作品に出会えて感謝しています」と感謝の気持ちを述べた。
続いては、観客とのQ&Aコーナーへ。観客から「発売されたばかりのBlu-rayのオーディオコメンタリーで、前田プロデューサーが“姉弟がこういう形で共演することは、本当に親孝行だよね“というコメントが印象的でした。この共演について、ご両親はどのような反応でしたか?」と吉田に質問が飛ぶと、「両親に話したら“よかった““素敵“と、ずっとキャッキャしていました(笑)弟とは、彼も忙しいので、かつてないほど連絡を取ったのですが、それが家族の会話にもなりました」と、この映画が家族の新しい絆を生んだエピソードを明かすと会場は穏やかな雰囲気に包まれた。
続いて、前田に「主演のお二人はどういった経緯でキャスティングされたのでしょうか?」という質問が。前田は「最初は、年代を分けて2人の俳優に主人公を演じていただくという案があったのですが、ピンと来なかったんです。そんな中で藤井監督と、もう一度1人で演じ切れる人を探そうという話しになりました」とキャスティングが一筋縄にはいかなかったことを話すと続けて「それから1週間から10日間かけて、リサーチをして監督と話す機会を設けて時に、私も監督も“1人しか思い浮かばなかった“という話になって、“じゃあせーのでその人の名前を言おう“と言って出た名前がシュー・グァンハンだったんです」と運命的であり、必然的な人選になったことを明かすと、会場からは大きな拍手が巻き起こり、「シュー・グァンハンに初めて会った時は、藤井監督には“こちらが205歳の魔女です“って紹介されたんですけどね(笑)」と、会場に大きな笑いを誘った。また、ヒロインのアミを演じた清原果耶のキャスティングについては「藤井監督は『デイアンドナイト』で彼女と出会って、その後『宇宙でいちばんあかるい屋根』で私もご一緒したのですが、役になり切る芯の強さだったり、実際の年齢を問わない演技力を持つ彼女しかいないと思ったんです」と、強い思いで選ばれたことを明かしてくれた。
最後に、吉田は「本当にこの映画を通じていろいろな広がりを感じていて。映画って、もうちょっとビジネスライクなのかなって思っていたら、全然違って、本当に一個一個の作品を作ることを大事にしていて、うそがないように、ちゃんと伝えてっていう気持ちを一個一個重ねてっていうのに、私はこの映画が初めての映画で、多分最後の映画だけど、本当に大好きになりました。
これからも愛してほしいと心から思っています。」と、この作品を通しての出会いに全て感謝し、続いて前田は「こういった皆様の前で話す機会をいろいろ頂戴していて、最後に皆さんにお伝えしたいのは、監督や私のような立場のものや、また、たくさんのスタッフキャストと映画を作って、生みの親だとすると、こうやってお届けして見てくださるお客様は、育ての親だと思っています。この映画を、ここまで愛して、育ててくれてありがとうございます」と感極まりながら、いつまでも作品を愛してくれる観客の方々への感謝を改めて伝え、たくさんの笑顔で溢れたイベントは大きな拍手と共に幕を閉じた。
「全国ミニシアターキャラバン」は今後も全国各地を巡回する。次回は大分「ブルーバード」(9月26日〜10月2日)、その後も鹿児島「ガーデンシネマ」、秋田「御成座」、大阪「第七藝術劇場」、山形「鶴岡まちなかキネマ」、群馬「前橋シネマハウス」と続く。詳細はBABEL LABEL15周年特設サイトで随時更新されている。
★「全国ミニシアターキャラバン」第一弾、新潟シネ・ウインド舞台挨拶レポート
★「全国ミニシアターキャラバン」第二弾、シネマ・ジャック&ベティ舞台挨拶レポート
★「全国ミニシアターキャラバン」第三弾、札幌・サツゲキ舞台挨拶レポート
★「全国ミニシアターキャラバン」第四弾、兵庫・元町映画館舞台挨拶レポート
「BABEL LABEL」とは
BABEL LABELは、ドラマや映画において数々の話題作を生み出し、日台合作映画『青春 18×2 君へと続く道』や映画『正体』を手掛けた監督の藤井道人を筆頭に、映画『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利、藤井とともに監督を務めたNetflix シリーズ「イクサガミ」の山口健人など気鋭のクリエイターが所属するコンテンツスタジオです。
15周年特設サイト:https://retrospective.babel-pro.com/
公式X:@BABEL_LABELdirs
公式Instagram:@babel_label
<上映予定作品>
映画『LAPSE』(監督:志真健太郎、アベラヒデノブ)©BABEL LABEL

映画『青の帰り道』(監督:藤井道人)©映画「青の帰り道」製作委員会

映画『デイアンドナイト』(監督:藤井道人)Ⓒ2019「デイアンドナイト」製作委員会

映画『ヤクザと家族 The Family』(監督:藤井道人)©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会

映画『DIVOC-12』(監督:藤井道人、林田浩川、ナカモトユウ)
©2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.
映画『ジャパニーズスタイル』(監督:アベラヒデノブ)©2020 映画「ジャパニーズ スタイル」製作委員会

映画『生きててごめんなさい』(監督:山口健人)©2023 ikigome Film Partners

映画『青春18×2 君へと続く道』(監督:藤井道人)©2024「青春 18×2」Film Partners

映画『帰ってきた あぶない刑事』(監督:原廣利)©2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

映画『朽ちないサクラ』(監督:原廣利)©2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会

映画『正体』(監督:藤井道人)©2024 映画「正体」製作委員会

<上映予定劇場>
北海道:サツゲキ
秋田:御成座
新潟:シネ・ウインド
神奈川:シネマ・ジャック&ベティ
群馬:前橋シネマハウス
山形:鶴岡まちなかキネマ
愛知:刈谷日劇
兵庫:元町映画館
京都:出町座
大阪:第七藝術劇場
広島:横川シネマ
大分:別府ブルーバード劇場
鹿児島:ガーデンズシネマ
沖縄:シネマパレット 他
※上映時期、上映作品は各劇場によって異なります。
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