【#2019年気になった映画!】『ジェミニマン』〜映像技術の革新を見せた意欲作〜
トップスターのウィル・スミスが主演を務め、2度もアカデミー監督賞を受賞した巨匠アン・リーがメガホンをとり、ハリウッドの殿堂入りまで果たした名プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーが製作を務める映画なんて聞いたら興奮するに決まっている。しかもキャッチコピーが「ウィル・スミス VS ウィル・スミス」だ。
これまで数多くのアクション映画を手掛けたブラッカイマー映画らしい、激しい銃撃戦や市街地でのバイクチェイスなど、見どころは沢山あるものの、映画の内容だけで判断すると、残念ながら聊か展開が凡庸で古臭い往年のアクション映画といった評価になってしまうのだが、この映画の見どころはそこだけじゃない。
注目すべきは、これまでの映画のフォーマットである1秒間に24フレーム(fps)を大きく凌駕する、120fpsというハイフレームレート(HFR)の映像。製作側は「4K&3D&120fps」で観るのが最適とアナウンスしていたが、残念すぎるのがそれに応えられる映画館が世界中でも数えるくらいにしか存在しなかったということ。
筆者は幸いなことに日本での最高環境「3D&120fps」で観ることが出来たが(しかし全国でたったの3館のみ!)、想像を遥かに超える高精細ぶりに思わず笑ってしまうほどの映像体験だった。前述の古臭いアクションもHFRで観ればハッキリ言って別物に映るはず。この感覚は『アバター』で初めて3D表現を観た時の感じに似ている。もう何を観ても驚かないと思っていた自分のハードルを越えてきたときのゾクゾクするあの感覚。
今後、全ての映画がハイフレームレートになるとは思わないが、まずは名刺代わりにと新技術を存分に見せつけた『ジェミニマン』はとても貴重な作品なのだ。
(編集部:梅)
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