【海外ニュース】『AKIRA』実写映画化権をワーナーが放棄、23年におよぶ企画が白紙に。
アニメ映画の金字塔『AKIRA』をめぐるハリウッド実写化プロジェクトが、ついに大きな転機を迎えた。米映画メディア「The Hollywood Reporter」の報道によれば、長年映画化を試みてきたワーナー・ブラザースが権利の更新を見送り、原作出版社である講談社に権利が戻ったという。2002年にワーナーが実写化権を取得してから、実に23年。世界中の映画ファンが動向を見守り続けたこの一大プロジェクトは、なぜ実現しなかったのか。そして、権利が講談社に戻った今、何が起こりうるのか。
“AKIRA”開発地獄──次々と浮かんでは消えた監督たち
実写版『AKIRA』には、これまでに数多くの監督の名前が挙がってきた。実際に契約まで進んだ人物もいれば、報道で候補と伝えられた者、あるいは検討されたと噂された者もいる。最初に動きがあったのは2000年代初頭。『ブレイド』のスティーヴン・ノリントンが初期開発に関与していたとされるが、企画は早期に流れている。2008年にはルアリ・ロビンソンが監督に起用され、脚本やコンセプトアート、リップリール(映像テスト)まで制作されるなど、初めて本格的な映像化への動きが見えた。
2011年にはジャウム・コレット=セラのバージョンが立ち上がるが、キャスティングや脚本の調整がつかず中断。その後もジョージ・ミラー、クリストファー・ノーランといった大物の名前が一時期報じられ、ジャスティン・リン、ダニエル・エスピノーサ、ジョーダン・ピールらも候補として噂された。
そして2017年、ついに『マイティ・ソー バトルロイヤル』で脚光を浴びたタイカ・ワイティティが監督に就任。レオナルド・ディカプリオの制作会社Appian Wayがプロデュースに名を連ね、2021年公開予定とまで報じられた。だが、ワイティティの他作品とのスケジュール調整が難航し、さらに新型コロナウイルス流行によって制作全体の見通しが立たなくなった。結果として企画は延期され進展のないまま、2025年にワーナーは実写化権を更新せず企画は終了することとなった。
この23年にわたる紆余曲折の中で、『AKIRA』という作品の映像化には、膨大な労力と調整が必要であることが繰り返し証明されてきた。関わったクリエイターの数も、描こうとしたビジョンの幅も、決して小さなものではなかった。だがそれ以上に、原作が持つ圧倒的な個性と文脈が、映像化を容易には許さなかったという事実がある。
講談社の手に戻った今、企画は再び動くのか
今回の権利返還により、講談社は新たな形での映画化、あるいは映像化の可能性を模索できる立場に戻った。現時点で新たな制作体制が発表されているわけではないが、候補としてはNetflixやAmazonといったグローバル配信プラットフォームが挙げられる。
また、原作コミック全6巻の物語を忠実に描くには、2時間の映画1本では収まりきらないという声も強く、連続ドラマ形式での再構築を望む声も多い。さらには、大友克洋自身が新しいアニメ版『AKIRA』を構想中と語っていたプロジェクトも、いずれ動き出す可能性がある。
何度も頓挫してきたこの企画だが、ようやくリセットされた今だからこそ、原作への理解と敬意をもって再構築できるチャンスでもある。“誰が、どこで、どう描くのか”。その未来は、これからの選択にかかっている。
★情報出店
‘Akira’ Rights Up for Grabs as Japanese Sci-Fi Leaves Warner Bros.
Warner Bros. Gives Up on ‘Akira’ Remake, But Hollywood Won’t
After 23 years in development hell, Warner Bros. gives up on making a live-action Akira – but others are lining up to try
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