妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、大友啓史監督登壇!映画『宝島』完成報告会見レポート!妻夫木聡が宣伝アンバサダーに就任「映画を超えた存在。『宝島』は、“人生のバトン”の物語」
戦後沖縄を舞台に、史実に記されない真実を描き切った真藤順丈による傑作小説「宝島」。審査委員から満場一致で選ばれた第160回直木賞をはじめ、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞し栄えある三冠に輝いた本作を、東映とソニー・ピクチャーズによる共同配給のもと実写映画化。9月19日(金)より全国公開を迎える。
今回、5月5日(月・祝)に【『宝島』完成報告会見】を実施!イベントには、姿を消した英雄オンの親友で、彼の行方を追うために刑事となった主人公・グスクを演じる妻夫木聡を始め、オンの恋人であり、教師になって彼の帰りを待つ幼馴染のヤマコ役の広瀬すず、オンの弟でありヤクザになって兄の背中を追うレイ役の窪田正孝、そして本作のメガホンを取った大友啓史監督が登壇し、完成を迎えた本作への熱い気持ちを語り合った。さらに、姿を消した英雄オンを演じた永山瑛太からのビデオメッセージや、妻夫木聡の「宝島宣伝アンバサダー」就任発表、メディアによる質問応答タイムも設けられ、「今こそ届けるべき物語」として情熱が注ぎ込まれた本作らしい熱量の高いイベントとなった。
戦後から本土返還の1972年まで、アメリカ統治下に置かれた沖縄を舞台に混沌とした時代を懸命に生き抜く若者たちの20年の物語を描いた『宝島』だが、本会見の会場となった丸の内TOEIは1960年に開業し、同じ時代を見守り続けた歴史ある映画館。そんな共通点をもつ場所で、本作初となるイベントがスタートした。
主人公・グスクを演じた妻夫木は念願の本作完成に対して「この映画は2回ほど延期になっていて、3度目の正直でやっと完成を迎えることができました。完成報告会見として今日を迎えることができて感慨深いです。」と笑みを浮かべた。ヤマコ役の広瀬すずは「本日は足を運んでくださり、ありがとうございます。」と来場者たちを労った。レイ役の窪田正孝は「作品を撮影した日々を思い返して、懐かしい気持ちとどこかたぎるような気持ちが混ざった、不思議な心持ちでこの場に立っています」と胸の内を明かした。大友啓史監督は「今日はありがとうございます。妻夫木さんが言った通り、この作品は成立するまでに紆余曲折ありました。今日こうしてお披露目できることを嬉しく思います。」と熱い気持ちを露わにした。
完成した映画を観て、妻夫木は「作品が持つ圧倒的な生命力を感じた」ことを明かし、「生きていかなければならないと心の底から思いました。死というものは終わりを意味すると思っていたけれど、実は死があるからこそ生があり、死が生きる糧になる。そして受け継がれるものが僕らにあって、そういう想いに支えられて生きている。だからこそ僕たちは精一杯生きていかねばならない」と作品から受け取った思いを噛みしめながら述べた。広瀬は「良い意味ですごく疲れました。監督には伝えてしまいましたが血が騒ぐようなシーンがとても多くて。撮影をした日々も濃厚だったなと思い返す瞬間もいっぱいありました。良い疲れがあります(笑)」と笑顔に。窪田は妻夫木の感想を受けて「みんな全力で生きていて。彼らの死という概念が、今の僕らとは違う感覚なのかなと思っていて。次の瞬間に命を奪われるかもしれなかったり、全力で今を生きている若き沖縄のうちなんちゅのみんなの、生きている魂を感じたのが大きかったですね。」と感慨深げにコメント。
また、映画化するにあたって監督は「原作を読んだときから生きるエネルギーを痛切に感じていた」と言い、「沖縄に宿る魂が直接、時空を超えて語りかけてくるような、原作から感じたパワーをどうやって映像に活かしていくか。色んなことがあるなかでも日々生きていくんだという決意を自覚し、その決意を誰かと連帯し、また大きなパワーになり、一つの歴史となり、今の我々とも繋がっているということ。それを映画というメディアが相応しいか分からないけれど、映画を通して彼らの人生を追体験してもらいたい。役者たちがそれを感じて演じてくれたんだなと、改めて思いました。」と俳優陣の熱演へ感謝を述べた。
また、妻夫木はオファーをもらった時の心境として「舞台となったコザが以前出演した『涙そうそう』から続くことで、縁があるなと感じていました。なので、自分はどこかでコザに導かれたのかもしれないと思いました。沖縄には今なお続く問題もあって、現地の方の声にならない言葉を表現する使命感があった。」と運命めいた巡り合わせに触れた。広瀬は「沖縄にある問題を体現、表現することは覚悟のいることで難しいこと。原作では、登場人物は男性が多いなかで太陽のような存在のヤマコという存在が眩しくて。彼女の持っている覚悟を自分ができれば良いなと思った。」と胸の内を明かした。窪田は「戦争や当時のものを舞台にした作品を演じる役者にとって、死の価値観の違いを認識しなければいけない。暴力という選択肢しかない時代と、役者という仕事を通して、大友監督の元で『宝島』に出演することで改めて原点、人間の生き様を荒々しく表現できることが画面から出ているのかなと思いました。」と思いの丈を述べた。
大友監督は、撮影の準備のうえで「アメリカ統治下の沖縄をどう表現するのか。とくに美術、米軍基地という存在」が、実際の沖縄の歴史的な背景がある中で映画を作り上げるためには難しいポイントに挙がることを明かした。「ローカルな琉球文化と、それに対峙するアメリカ文化もしっかり描くこと。例えば、車や音楽。ビンテージカーが無くてね!でも、この時代の歴史群像を描くのだから嘘をつけないし、覚悟がないとできない。調べるのは簡単だけど実現するのは一番難しい時代」といままでなかなか映画化されなかった原因に言及した。
また、広瀬は感情を爆発させるシーンは「頭で考えてもできることじゃないので、実際にシーンを通したり、沖縄で滞在中に色んなものに触れた」ことで臨んだという。ただ、監督の演出に対しては「テイクを重ねて、いろんな角度からシーンを撮影するのではなく、これ一発で全部取ろう!と。ほぼ一発撮りで、一連で撮影しました。」と予想外の事態になったことを明かした。対して大友監督は「僕の歴史のなかであまりないことだったんだけど、5日用意されていたシーンを2日で撮っちゃったんです。窪田くんとのシーンは最高でした!」とご満悦。
さらに、本作のクライマックスに控えているゴザ暴動シーンは延べ2000人を超えるエキストラを投入して撮影されたことを明かされ、妻夫木は「2000人もいたんですか!?」と驚きの表情。「このシーンはどう撮影するのかはみんな悩んでて。結果、大きいスタジオで撮影しました。初日に撮影を見学したときに、ロケセットではなくスタジオ撮影になったからこそ、好きなことやるぜ!という監督の発想の転換が見えて!」と監督の止まらない勢いが印象的だったことを明かした。また、「沖縄に役作りに行ったときに、コザ暴動は暴動だと捉えていない方も多いことを知って。実際に経験された方の中には、ただの憎しみや怒りだけで起こったことじゃないとおっしゃる方も多くいました。」と現実に起きた複雑な感情を受け、妻夫木自身が整理しきれない思いを抱えていたという。しかし、大友監督が演出するゴザ暴動のシーンを見て、「色んな感情が入り混じって出来た混沌とした感情が一つの塊となって流れていくような様を目の当たりにして、しびれましたね!これを大友監督がやりたかったんだ」と監督の手腕を大絶賛した。それを受けて大友監督は「コザ暴動はコザ騒動ともいわれていて、沖縄の穏やかな方が騒動を起こしたのは1回だけ。あの一晩にみなさんが色んな感情をぶつけている。これは沖縄という舞台じゃなくても、あの時代だったらああいうカオスな状態になったと思う。色んな感情のごった煮であり、感情のうねりがどこに向かうのかという『どう現場を混乱させるか』が僕の演出のテーマだった。」と明かした。
そして、なんと物語のカギを握る英雄オンを演じた永山瑛太よりビデオメッセージが到着!
「この役を演じるということの重圧にどう向き合えばいいかという葛藤はあったけど、大友監督や共演者の妻夫木くん、窪田くん、すずちゃんに全部委ねてもいいかなというつもりで、身を投げるような気持ちで今回は役に挑みました。」そして、「完成した作品を拝見した時に、何度も涙腺の弱い私はボロボロに。試写場で周りの方々にバレないように、涙を拭きながら観ました。本当にたくさんの方に観ていただきたいな、という作品に仕上がっていました。」と熱いメッセージが会場の4人に届けられた。妻夫木は「長い付き合いで、もう何回共演したんだろうというぐらいの間柄。彼がいるということが僕にとって心強い。それだけで僕のなかではっきりオンちゃんを追いかけることができるだろうなと自信があった。彼に助けられました。」と旧知の仲だからこそ寄せた信頼感をにじませた。広瀬は「作品の中でも、現場でも、どうみてもヒーローで、その姿がかっこよくて。ついていきたくなる姿を見せていただきました。完成した映画を観て想い続けてきて良かったなと思えるオンちゃんが存在していて、ご一緒できて良かったなと思いました。」とコメント。窪田は「瑛太さんにしかできない偉大なオンちゃんだったと思います。沖縄で誰よりも大きい背中で、誰よりも自由に、誰よりも駆け抜けていった姿が目に残ってますね。」と大絶賛した。
さらに、妻夫木が「宝島宣伝アンバサダー」に就任して大友監督とともに全国を回ることが発表!スクリーンに映し出された「『宝島』宣伝アンバサダー 妻夫木聡」と自身の名前が記された名刺を見て、「この映画は撮っている時から、是非皆さんの前に立って、会いに行って宣伝したいなと思っていて。映画を越える存在になっているこの作品を体感してほしい。『ウォーターボーイズ』の宣伝の時に監督と一緒に全国を回って、行った土地でその映画がその人のものになる姿を拝見しました。まさしくこの映画はそうあるべき映画なんじゃないかなと思ってます!」と自身の経験から思いを語った。また、「この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています。人生のバトンの物語として受け継がれていって、未来にバトンを渡すため、皆さんに映画を観てもらいたいです。皆さんに直に届けに行こうと思います!」と意気込みを述べた。
そして、6月7日の沖縄プレミアを皮切りに静岡、富山、長野、北海道など全国を監督とともに巡ることを明かした。また、沖縄プレミアには広瀬も登壇することを受け、窪田も「どこかで馳せ参じたいと思います!」と座長の気合いを受け取った。
そして、会見ではマスコミからの質疑応答タイムも!
1問目の「大友監督がつけた演出のなかで強く印象に残ってるものは?」という質問に対して、窪田が「確実にこうしてください…ということは言わず、役者が動いた方向にカメラが付いていく、というような。大事なシーンで腑に落ちないことがあったとき、段取りからやり直してくれたり、それ迄組んでいたものを更地にして進めてくれたことは印象的でした。」と答えた。
2問目の「撮影期間での印象的なエピソードは?」という質問に対しては、沖縄で妻夫木の親友宅に窪田と広瀬がそれぞれ招待してもらったことを明かし、広瀬は「一緒にカチャーシーを踊りました。昔から知り合いなんじゃないかと思うぐらいファミリーというものを感じました」とコメント。
最後は妻夫木に対して「『この映画をただの映画で終わらせたくない』と以前コメントしたことについて、具体的に届けたいメッセージや思いは?」という質問が投げられ、妻夫木は「映画ってひとつのビジネスだけど、この映画は観てもらって『ああ、よかった』で終わらせず、これを覆す力がある作品だと思っています。だからこそ、今回宣伝アンバサダーのキャンペーンというかたちをもって映画というものの力を信じたい。」と回答した。
会見の最後には、大友監督は「渾身の作品です!持てるものをすべてかけた作品で、すごく手応えのある芝居が撮れました。沖縄が舞台だけど、日本の人に見てもらいたい。誰もがこんな境遇にあたったらそうしたんだろう。一人でも多くの人に届けるために、日本中走り回ろうと思っています!」と映画公開まで走り抜けることをアピール。また、妻夫木からは「ひとりでも多くの人に見てもらいたい渾身の作品だと思っています。9月19日の公開となります。応援歌というものが歌にあるように、この映画が日本を応援する映画になれればいいなと思っています。」とイベントを締めくくった。
『宝島』
2025年 9月19日(金)より全国公開
【ストーリー】
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える‟戦果アギヤー“と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の三人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人はやがて、憧れのオンの失踪の謎を追いながらも、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがて警察、ヤクザ、小学校の先生になり、それぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。そして、オンが基地から持ち出した”何か“を追い、米軍も動き出すー。消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とはーー。
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
監督:大友啓史
原作:真藤順丈「宝島」(講談社文庫)
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会
公式サイト:https://www.takarajima-movie.jp
オフィシャルX:https://x.com/takarajimamovie
オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/takarajimamovie/
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