MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

監督:藤井道人(38)×撮影:木村大作(85)前代未聞の初タッグ!映画『港のひかり』11月14日(金)公開決定!全編フィルム撮影で映し出す感動のエンタメ超大作!

昨年公開された映画『正体』で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人の最新作『港のひかり』が、2025年冬に公開されることが決定した。藤井監督はこれまでにも『余命10年』や、日台合作『青春18×2 君へと続く道』など、繊細な人間模様を描く作品に加え、『ヤクザと家族 The Family』のように現代任侠の葛藤を描く作品でも評価を得ており、ジャンルを超えて活躍する若手屈指の実力派として注目されている。

本作では、日本映画界を代表する名キャメラマン・木村大作(監督作『散り椿』『劔岳 点の記』、撮影『鉄道員(ぽっぽや)』など)と初タッグを組み、北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本に挑む。物語は、元ヤクザの“おじさん”と、事故で両親と視力を失った少年との十数年にわたる友情を描く。血のつながりがなくとも、「誰かのために生きる」という自己犠牲の精神をベースにした感動エンタメ大作となっている。

2023年10月から12月にかけて、能登半島と富山県で全編35mmフィルムで撮影され、映画撮影直後に発生した能登半島地震の影響も受けながら、大沢漁港や焼失してしまった輪島の朝市通りなどでの重要シーンを、美しい北陸の風景の中で撮影した。

主演は日本映画界の重鎮・舘ひろし。藤井監督とは『ヤクザと家族 The Family』以来の再タッグとなる。舘は以前から藤井との再共演を熱望しており、今回の企画には立ち上げから参加。監督との綿密な打ち合わせを重ね、自らの人生を捧げるような男を演じたいと直談判し、その思いが脚本にも反映された。撮影では、木村大作がその姿をフィルムに収めた。

舘は本作について「人の強さとは何か、誰かのために生きるとはどういうことかというテーマを胸に、孤独な漁師としての男を演じました」と語り、「“強い男”とは何かを考えたとき、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎりました。」と、自分を育ててくれた先輩の影を投影したという。

藤井監督は、木村との撮影について「発見と学びの連続で、沢山の偉大な背中を見せてもらいました」と振り返る。35mmフィルム、モニターなしの撮影現場では、キャスト・スタッフ全員が強い集中力を発揮し、「先輩たちはこの空気の中で映画を作っていたのか」と圧倒されたという。

一方の木村も、本作のショートプロットを読んで「これは他人への自己犠牲の物語であり、今までにない新しい映画ができると思った。」と語り、撮影方針についても監督と何度も打ち合わせを行ったという。「この作品は、元ヤクザの漁師が盲目の少年のために自らを犠牲にして光を与える、という限りなく非日常の物語。だからリアリティではなく、叙事として作りたい」と撮影手法だけではなく、どう観客に見せたいかまで議論を重ねた。

本作にはさまざまな映画人の思いがぶつかり合いながら結実しており、舘も「大スクリーンでこそ味わうべき作品。映画史に残る感動作になると自負しています」と映画の完成度に対して、並々ならぬ自信を見せた。 

そして物語のもう一人の重要人物、視力と両親を同時に失った不遇の少年・幸太役には、初の映画出演となる尾上眞秀が抜擢された。寺島しのぶの息子であり、歌舞伎界でも注目を集める尾上は、難しい役に挑むにあたり、盲学校での事前研修などを行った。特に苦労したという涙のシーンについても真摯に取り組み、「舘ひろしさんはいつも優しくて、撮影が終わったらよく焼肉屋さんに連れて行ってくださいました。藤井監督や藤井組のスタッフの皆さんにもとてもよくしていただきました。キャメラマンの木村大作さんもすごく優しかったです」と初の映画出演で緊張しながらも現場の空気を楽しみながら撮影に臨んだことを語った。藤井監督は、「日本映画界の未来といっても過言ではない尾上眞秀くんも、素晴らしい演技でスクリーンを彩ってくれています。」と語り、彼の演技をファインダーで見つめ続けていた木村も「映画初出演とは思えない、自然体で豊かな感情表現を見せてくれた。」と高く評価した。

<コメント全文>

 舘ひろし

2021年公開の映画「ヤクザと家族」の撮影が終わった時、藤井監督と「必ずもう一度ご一緒したいです」と約束しておりました。その後、東映さん、スターサンズの河村プロデューサー、藤井監督とともに、約3年間にわたり企画について議論を重ねてきました。

紆余曲折しながらも、「深みのある人間ドラマを作りましょう」と河村プロデューサーから一枚のプロットをいただき、即決しました。今回、私が演じたのは、すべてを捨てた元ヤクザという役どころです。  「人の強さとは何か」「誰かのために生きるとはどういうことか」かつて親分に教えられたその思いを愚直に守りながら、漁師として孤独に生きようとする男を演じました。この役は藤井監督と何度も話し合い作り上げたものです。

 “強い男”とは何かを考えたとき、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎりました。                           本作は、日本映画界を代表するキャメラマン・木村大作さんが、35mmフィルムに地震前の能登半島の美しい自然を、役者の心情と共に見事に焼き付けてくださいました。また、地元の皆様の多大なるご協力をいただきながら完成した作品です。現在、能登半島は復興の途上にあり、大変な状況が続いておりますが、 本作を通じて少しでも恩返しができればと願っております。

大スクリーンでこそ味わうべき、一見の価値がある映画です。きっと映画史に残る感動作だと自負しております。ぜひ劇場でご覧ください。

 

 ■尾上眞秀

港のひかりの撮影で一ヶ月くらい能登にいました。僕にとって初めての映画だったので張り切ってやりました。幸太は孤独で目が不自由な役だったので、撮影前に盲学校に行かせてもらったり色々準備をしました。お芝居の中で特に難しかったのは涙を流すシーンでした。

舘ひろしさんはいつも優しくて、撮影が終わったらよく焼肉屋さんに連れて行ってくださいました。

藤井監督や藤井組のスタッフの皆さんにもとてもよくしていただきました

撮影中寒かった時はみんなであったかくしてくださったりして、嬉しかったです。

撮影最後の日は本当に皆さんと別れたくありませんでした。

 キャメラマンの木村大作さんは怖い方なのかなと思っていましたが、すごく優しかったです。

この映画は二年前に撮影したのであまり細かいことは覚えていませんが、試写を見てまだ小さかったなぁと思いました。撮影中は沢山美味しいものを食べました。地元の方にもとても親切にしていただきました。地震や災害の事をとても心配しています。この映画で皆さんに少しでも元気になっていただきたいと思います。

 ■藤井道人

2022年に急逝した河村光庸プロデューサーの企画である『港のひかり』は、自分の人生においてもとても意味のある作品になりました。『自己犠牲』をテーマに描かれる本作は、『ヤクザと家族 The Family』以来、常に気をかけてくださっていた舘ひろしさんを主演に迎え、北陸・能登半島の美しい景色と地元の皆さまのお力で完成した日本映画です。

そして木村大作さんとの共同作業も、発見と勉強の連続で、沢山の偉大な背中を見せていただきました。ロケーションへの敬意、撮影現場での情熱、そして何より映画への愛。そのすべてが、デジタルによって便利に、そして簡易になった現代へのメッセージともとれる大作さんの哲学を感じました。35mmフィルムでの撮影、モニターのない撮影現場のスタッフ、キャストの集中力は凄まじく、

「先輩たちは、この集中力の中で映画を作っていたのか」と圧倒されました。

大作さんはじめ、美術の原田満生さん、音楽の岩代太郎さんなど、日本映画を代表する先輩方と若輩者の藤井組が一つの集合体となり、『港のひかり』を作れたこと、誇りに思います。

そして、何より主演の舘ひろしさんが現場の中心に立って下さり『監督、楽しんでますか?』といつも優しく声をかけてくれたことが、毎日の心の支えでした。

日本映画界の未来といっても過言ではない尾上眞秀くんも、素晴らしい演技でスクリーンを彩ってくれています。本作公開まで是非楽しみにしていてください。

そして撮影地でもある、北陸地方の皆さまの一日でも早い復興を、心より願っています。

■木村大作

映画100年の歴史の中で名作と言われる作品も、実は過去の作品の模倣の連続であり、その模倣を超えてオリジナリティを生み出している。この作品のショートプロットを読んだとき、これは他人への自己犠牲の物語であり、今までにない新しい映画ができると思った。

 キャメラマンとして「映画を撮る」のではなく、「映画を作る」というスタイルを貫き通してきた私は、「この作品は、元ヤクザの漁師が盲目の少年のために自らを犠牲にして光を与える、という限りなく非日常の物語。だからリアリティではなく、叙事として作りたい」という意志を藤井監督に伝え、その意志をベースに、

能登半島・富山の素晴らしい場所にこだわって撮影を行った。そこに立つ舘ひろしは、誰かのために生きる男を情感たっぷりに演じ、自分がこの人を一番表現できる位置にキャメラを据えた。

そして、本作の少年役はとても重要だと思っていて、尾上眞秀は映画初出演とは思えない、自然体で豊かな感情表現を見せてくれた。撮影・編集を終え完成した今、キャメラマンとしてこの映画のために全てを懸けた自負がある。

 

『港のひかり』
2025年11月14日(金)全国公開

【キャスト】
舘ひろし、尾上眞秀 ほか

【スタッフ】
監督・脚本:藤井道人
企画:河村光庸
撮影:木村大作
美術:原田満生
音楽:岩代太郎
配給:東映、スターサンズ
©2025「港のひかり」製作委員会