ドキュメンタリー映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』完成披露試写会を実施!山田あかね監督「何か一歩を踏み出せれば、世界は少し良くなるんじゃないかなと思っています」
ドキュメンタリー映像作家の山田あかね監督が、2022年2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻から約1ヶ月後、自ら現地に赴き、戦禍の中で動物を救うために奔走する人々を約3年に渡って取材・記録した作品『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』が2025年2月21日(金)より全国公開となる。今回、本作の完成披露試写会が東京・日比谷コンベンションホールで開催され、山田監督が映画に込めた想いを語った。
映画の上映前に登場した山田監督は「2022年2月24日に始まったロシア軍による侵攻、そこから映画を撮ろうと思って行ったわけじゃなくて、とりあえず行ってみようと思って撮影を始めました。そこから3年経って、今日映画が出来て嬉しいですと言ってしまうと、今も戦争が続いているので、そんなに素直に嬉しいですとは言えないんですけど、でも映画が出来たので皆さんに見ていただけたらと思います。」と挨拶した。
舞台挨拶には、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使もゲストとして登壇。コルスンスキー氏は「皆様もご存じのように、ロシアがウクライナに対する戦争を始めてから3年が経とうとしています。山田あかね監督はウクライナに行かれて取材し、実際に何が起きていたかを世界の人たちに知らせようとしてくれました。非常に勇気が必要だと思います。私も3歳になる大阪生れの犬を飼っていますが、犬を飼う人として、動物が好きな人として、本当にこの映画を見るのが大変で、涙を流して見ていました。この戦争がどれだけ大変なものであるか、どのような悪であるかということを理解するのには、おそらくこの映画を見る必要があると思います。」とコメントし、山田監督に敬意を表していた。
現地に行こうと考えた時のことを訊かれると、山田監督は「2011年の東日本大震災の時に、原発の20キロ圏内に入って動物を救う人たちを取材したりもしてたので、そういった被災地とか災害の中で動物がどういう状況になるかっていうのを10年ぐらい取材をしてきました。今回は戦争という状態で、どうしたって人間の命最優先になって、動物は後回しになるのだろうと思ったんですけど、実際に現地の人たちはどういう選択をするんだろう、動物を置いて逃げたりするんだろうか。一緒に逃げることができるんだろうか。そういうことを知りたいと思ったので行きました。」と当時を振り返る。
戦禍を取材する中、山田監督が危険な状況にならなかったかと訊かれると、「自分が撮影していた時に、泊まっているホテルの歩いて5分ぐらいのところにあるキエフの小児病院にミサイルが落ちたりとか、カホフカ・ダムが崩壊して、ヘルソン州が水浸しになって、反対側にロシア軍がいるっていう前線まで行ったりしました。すごく大変な状況ではあるんですけど、自分がそんなに激烈な被害を受けたわけではなかったので、本質的に大変だとはあまり思わなかったです。どこの町も行けば『よく撮影しに来てくれた』『世界にこのことを伝えてくれ』『自分たちがどんな被害に遭ってるか伝えてくれ』と、皆さんすごく歓迎してくださって…。『でも私は犬猫を撮影しに来たんです。そんなすごいジャーナリストとかじゃないんですよ』と言うと、『そんなことない。犬猫を撮りにこんな所まで来てくれたなんて、ありがとう』って言って、みんなハグしてくれて。だから何か大変なことより、温かい思い出の方が大きい感じです。」と現地民との交流を振り返った。
映画では、現地の動物たちを救うために、世界中から愛護団体など動物を愛する人たちが集まっている様子が見れる。彼らとの交流について訊かれると「とにかく本当に動物を撮りに来たっていうと、みんながウエルカムで。私たちがあたふたしていると、『あっちに愛護団体いるよ』とか『あっちに避難所あるよ』とか教えてくれて。とにかくみんな優しくて、本当に全員が協力的だったっていうのが大きかったです。ウクライナで13匹の猫と1匹の犬を飼っているおばあちゃんがいて。近くにミサイルが落ちているんだけど、犬や猫を置いて逃げるくらいならここで死ぬ!みたいに言ってる方がいて。そういう気持ちすごくよくわかるんですけど、その時に愛護団体の人たちが駆けつけて、おばあちゃんと犬と猫全部連れてポーランドまで運んだということがあったんです。そういう状況で、『猫なんか置いて逃げなさい!』みたいなことじゃなくて、どれだけそれが人を支えるかっていうのがわかっている人が多いので、そのために手を尽くす人たちに会えたことが、戦争の悲惨さを見に行くつもりだったのに、逆に人間の希望を毎度見ることになるという感じでした。」と、現地での動物たちに対する価値観を教えてくれた。
ペットたちが空爆で飼い主と離れ離れになったり、その爆撃音などで、ストレスを抱え、人間に対して恐怖心を持ってしまったりするのか、実際に目にしてどうだったのか訊かれると、「ミサイルが落ちた動物のシェルターがあったんですけど、ショックを受けて亡くなる子たちもいました。ただ、大多数の動物っていうのは、特に猫が強いと思ったのは、猫は数日で野生化するので、なんかこう『大丈夫だ!人間いなくても生きてく!』みたいな感じで、森の中で蛇をくわえて走り回ったりとか、そういう生き物の強さみたいなものがあって。犬はやっぱり人間を待つので、戦地とかに行くと、バーッて走ってきて車の音が聞こえると、『人間だ!』ってみんなご飯くださいって来るんですけど、そういう動物の生命力、強さみたいなものが、人間が戦争にあって、もうどうなっちゃうんだろうって思っている時に、生きている犬が飛び跳ねている姿を見るだけで、何かみんなの気持ちが楽になったりするので、動物を救っているんですけど、十分動物からも救われていると思います。」と動物たちの存在が人間の支えになっていることを語った。
最後にこの映画を観る人へ向けて山田監督から、「この映画は最初にちょっと衝撃的な映像が流れるんですけど、自分がこれを撮ってちゃんと無かったことにしないようにしたいと思ったんです。戦争っていう中で大きな人間の被害っていうのは歴史に残っていくんですけども、こういった小さな命がどうなったか、多分忘れ去られ、無かったことにされてしまう。せめて私は覚えていようと思うし、見た方にも覚えていてほしいなと思います。一つ何か出来ることがあるとすれば、ウクライナの動物のために、例えば寄付をしていただくとか、何か一歩を踏み出していただければ、世界は少し良くなるんじゃないかなと思っています。」とメッセージが送った。
『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』
2025 年2 月21 日(金)より全国公開
監督・プロデューサー︓⼭⽥あかね
ナレーション︓東出昌⼤
⾳楽︓渡邊 崇
製作︓四宮隆史
プロデューサー︓遠⽥孝⼀ ⻑井 ⿓
撮影︓⾕茂岡 稔
編集︓前嶌健治
サウンドエディター︓丹 愛
バンドゥーラ演奏・ヴォーカル︓ナターシャ・グジー
アソシエイトプロデューサー︓⾏実 良
構成協⼒︓松⾕光絵
アシスタントプロデューサー︓泉野 真依⼦
宣伝︓加勢 恵理⼦
制作プロダクション︓スモールホープベイプロダクション
配給︓スターサンズ
製作:『⽝と戦争 ウクライナで私が⾒たこと』製作委員会
©『⽝と戦争』製作委員会
公式HP:inu-sensou.jp
公式X:@inu_sensou(https://x.com/inu_sensou)
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