【第37回東京国際映画祭】『化け猫あんずちゃん』トークショー/山下監督「作品と少し距離感がある感じが楽しかった」
第37回東京国際映画祭のアニメーション部門で10月30日、日仏合作アニメ『化け猫あんずちゃん』が上映され、その後のトークショーには久野遥子監督と山下敦弘監督、日仏共同製作担当の高橋晶子氏が登壇した。
本作は、いましろたかしの同名コミックを原作とし、お寺のおしょーさんに拾われた子猫のあんずちゃんが、10年、20年経っ ても死なずに、30年経つ頃には化け猫になっていたという物語。
本作では実写で撮影した映像からトレースする「ロトスコープ」という手法で制作された。 実写部分は山下監督、アニメーションは久野監督が務め、俳優の森山未來が主人公の化け猫の声と動きを担当し、第 77 回カンヌ国際映画祭「監督週間」にて公式上映され、アヌシー国際アニメーション映画祭 2024 ⻑編コンペティション部門への正式出品されるなど、世界中から注目を集めた。
今回、ロトスコープを使っての撮影に挑戦した山下監督は、「純粋に楽しかったです。自分が監督した映画であるんですが、最終的にアニメという形になるので、作品と少し距離感がある感じがすごく楽しかったです。」と語った。
一方で、久野監督は「あんずちゃんのフォルムと、森山さんのシュッとしたフォルムが異なるので、あんずちゃんが縦に伸びるみたいなことがありました(笑)」と実写からアニメ化する際の苦労を明かした。また、「実際の映画の撮影現場のようなに撮っていたので、役者さんたちの掛け合いなどの熱量がすごかったです。本当に田舎の風景のような場所で撮っているので、足に虫が来たりしましたが、それはそのままアニメーションにしたりしたことがおもしろかたったです」とロトスコープならではのおもしろさを語った。
今作は、日仏共同制作ということで、特に美術をフランスが担当することを聞いたときの感想を聞かれると、高橋氏は「個人的にフランス人にあんずちゃんのユーモアが通じるのか?といった懸念がありましたけれど驚くほど理解されましたし、日本の風景をフランス人が書けるんだろうか?と最初はちょっと驚きと不安がありましたけれども、本当にフランスの方々がとても楽しんで日本の風景を描いていて、久野監督とたくさんやり取りをしながら描いていたので、とても新鮮な体験でした。」と感慨深げに語った。
公式サイト:https://ghostcat-anzu.jp/
©いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会
<第37回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
<TIFFCOM2024 開催概要>
■開催期間:2024年 10 月30日(水)~11月1日(金)
■公式サイト:www.tiffcom.jp
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