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石原さとみ、思わぬ”リピーター”に歓喜! 映画『ミッシング』ティーチイン付き上映会レポート!

2022年の出産後、1年9ヶ月ぶりの芝居に臨んだ石原さとみが主演を務め、 『空白』(21)、『愛しのアイリーン』(18)、 『ヒメアノ~ル』(16)の吉田恵輔がオリジナル脚本でメガホンをとった映画『ミッシング』(配給:ワーナー・ブラザース映画)が全国公開中。

今回、主演の石原さとみ、石原演じる沙織里の弟、圭吾役で圧倒的な存在感を示した森優作、中村倫也 率いる地元TV局のカメラマン、不破役としてリアルな演技を見せた細川岳、そして脚本、監督を務めた田恵輔監督が登場する“心揺れる”ティーチイン付き上映会が行われた。平日の昼間にも関わらず、学生からシニア層まで幅広い年齢層の観客で満席となった会場は活発な質疑応答で盛り上がりをみせ、映画の魅力を再確認するイベントとなった。

身近な共演者がまさかのリピーターだった!!!
公開3週目で興行収入ランキングがアップし、口コミの熱さとリピーターの多さでも話題の本作。本日のイベントにも3回以上鑑賞しているという観客が多く、石原は「精神的な負担も大きい作品なのに体力がすごい!」とツッコミつつ、喜びの表情。司会者から、周囲の人からどんな反応があったかという質問には、レギュラー番組で共演している俳優の濱田マリが観てくれたことを明かし「1回目に見た時は本当に苦しくて辛かっただけど、一筋の光を感じた。その光をもっと欲しい、とおっしゃって。なんと、その2日後に2回目を観に行ってくださったんです!結末も知ってるし、最初からラストのあの光や優しさを求めて観たら、本当にそれをキャッチできたって言ってて。今はその感覚を自分の中に染み付けたいから、3回目を観に行きたいと思っている!って言ってくださってるんです。一番近くにいる共演者の方が、そんな風にリピートして下さるのがすごく嬉しくて!」と笑顔がこぼれた。

森は「大学生の甥っ子から『まじスゲー!』って言われたのが一番嬉しかったです」と喜びをあらわにし、細川は役者仲間から多くのリアクションをもらったそうで、「本当に良い映画だったと言ってくれて、それとセットで『虎舞竜、良かったな』と連絡をもらいます(笑)」と自身の見せ場のセリフへの思わぬ反響の大きさを感じたという。

田監督は、「初日に友人を連れて鑑賞して、みんなにひたすら褒めてもらうという会をしました!」と明かし、会場からは笑いが起きていた。笑顔で溢れる観客からは、さっそく質問の手があがる。

Q石原さとみが現場で感じた森優作、細川岳のスゴさは?
撮影現場での森、細川の凄さを実感したエピソードを尋ねられた石原は「2人は一瞬にして溶け込みますよね。その生活感といいますか、空気に。それが本当に羨ましいなって」と2人の佇まいを称賛。そして森との撮影で、クライマックスの車中でのシーンの際に森からハグを求められたエピソードを披露。「ハグを求められて、私、ショックだったんです…私から言うべきだった…!そして、そういう演技へのアプローチがあるのかと尊敬ししました」と悔しい表情を見せた。対して森は「撮影上、何回も撮ってると自分は毎回新鮮にやるテクニックがない役者なので、なんかしないとって思って、僕の中の“リトル森”が姉ちゃんだからお願いしても大丈夫!って言ってたんで(笑) 」と当時の心境を茶目っ気たっぷりに振り返った。

◆細川演じる不破のあの「虎舞竜」モンダイの裏側を語る!
映画全体はシリアスな内容にも関わらず、この映画を観た人のほぼ全員が共感するのが、細川岳演じるカメラマン、不破がふと発する「虎舞竜…」というセリフ。中村倫也演じる砂田率いる地元テレビ局の取材クルーが沙織里にインタビューするシーンで、娘との日常について「なんでもないような日常が・・」と真剣に語る中、「頭に虎舞竜が浮かびますよね」と水を差す箇所だ。厳しい現実と独特のユーモアが共存する田監督ならではシーンについて「虎舞竜のくだり、あれは笑っていいのかどうか、悩みました。あの場面を撮影したときの現場の雰囲気を知りたい」という質問が。映画を観た人全員が気になっているであろうこの「虎舞竜モンダイ」を細川は、「中村さんが面白く受けてくれてたから、本当にありがとうございます! と思いました」とコメント。さらには、「石原さんの演技が血が通い過ぎていて、言葉全部が生きていた。その演技を見ていたら、台本を読んで想像していたものとは全く違う形で『虎舞竜』が口から出てきた」と石原の熱演ぶりに圧倒されたことを明かした。

◆海外では、”クスクス笑い”がとまらない!?
海外の映画祭に続々と招待されている本作。「虎舞竜」などは果たして理解されるのか、翻訳の苦労や実際の反響について尋ねられた田は、先週、ドイツで開催された「第4回日本映画祭ニッポン・コネクション」に参加した際のリアクションについて、「何に対してどう笑ってんのかわかんないけど、日本よりもクスクスってしていた」と語り、「日本人は劇場で世界で一番笑わない。その環境で育っているので、海外へ行くとウケてるのが嬉しいなと思うんだけど、なかなか笑いが収まらないから、その後のシーンでもずっとクスクスしてた」と日本とはまた違った、海外ならでのリアクションを振り返った。

Q.重い映画かも?という先入観で観るのをためらっている人にはどう薦めればいいか?
石原は「観た後、絶対良かったって思うから観てほしい! と勧めています」森は「田監督の作品に共通してると思うのは、生きづらさを抱えてる人たちに対しての眼差しがすごい暖かい。この作品に関しては、失踪事件に注視せずにもうちょっと広げて大きい枠で見てみようかなって思ってもらえたら、必ず届くものがあるなって思います」と、おすすめポイントを語った。細川は「別に重い映画ではないというか、映画としてやっぱり良い作品だと思います。大事なものが一つ増えるような感覚がある作品。映画を観るのに1900円から2000円しますが、この映画は、それだけの価値があるものだと信じているので、、、薦めていただきたいです!」と語った。

Q.ワークショップで選ばれた方々の中で、お気に入りのキャラクターは?
その域を越えている、と内容の充実ぶりが評判のパンフレット。そのパンフレットを読んだ質問者からは「さまざまな場面の脇役に、ワークショップで選ばれた個性的な人がキャスティングされていると知った。私のお気に入りは印刷会社のおじさんだが、それぞれ凄いと感じた人やお気に入りのキャラクターは?」という質問。 

石原は、夫・豊(青木崇高)と警察署を訪れた際に対応する「警察官」を挙げ、「そのシーンは実は、ほとんどアドリブだったんです。セリフ以外のところもずっと(カメラを)回していて、全部に対してリアクションしてくださるんですよ」と撮影の裏側を明かした。さらに、「打ち上げの時に、沙織里と同じく娘が失踪してしまう母親役の方と、水難事故で子供を亡くしてしまう母親役の方のママ3人で、号泣しながら励まし合うみたいなことがあって!」と驚きのエピソードを披露!撮影を終えてもなお役そのままの気持ちで苦しさを抱えながら助け合いたいという思いを言い合ったといい、田も思わず「それは面白い対談だったかもしれない!」とコメントした。続いて、森が「細川の次に登場するカメラマン」を挙げると、細川も「俺も!」とシンクロ。森は「あの何とも言えない顔の感じ。見る人によって、捉え方が変わる顔というか、それってすごい表現として素晴らしい」と大絶賛し、細川が、「2人でカメラの練習しました」と撮影時を振り返った。さらに、田はワークショップの参加者の中で一番最初に決めたのがそのカメラマンだったとう裏話も明かした。最後に田は「沙織里と豊がビラ配りをしているときに遭遇する、サボテンを持ってるおばちゃん」をチョイス。「全然笑わせようと思ってないから。普通に真面目にやってんのにああなっちゃうから」とモノマネを交えながら語ると、役に入りきっていた石原は当時を振り返って「イライラした~」と語った。

最後の挨拶では、田は「だいぶ広がってはいるんですけど、それでもまだもっと多くの人に観ていただきたいなっていう欲が止まりません。なので、もっと一人でも多くの人に届くように、皆さんの力を貸していただけたら幸いです。今日楽しいと思ったり、いいなと思ったら、何かお勧めしていただけるとありがたいです」とさらなるヒットへ向けて拡散のお願い。石原も重ねて、「見てくださってあったかい気持ちになれたとか、光を感じられたっていう言葉がすごく大事な気がするんですね。もし落ちたとしても、そこから上がる光があるんだよってあったかいんだよってことを伝えていただいて、勇気を出して映画館に足を運ぼうっていう気持ちになってもらえたらいいな、とすごく思います。ここから皆さんの口コミだったり、SNSの力だったり、友達や家族を誘ったりということを行動に移してもらえたら本当に助かります。今後ともよろしくお願いします」と<宝物>だという本作への溢れんばかりの熱い想いを語り締めくくった。

熱心にティーチインを見守った観客も、映画を作ったキャスト、そして監督も作品の魅力を改めて噛みしめつつ、イベントは終了した。

 

『ミッシング』
全国の劇場にて絶賛公開中

【ストーリー】
とある街で起きた幼女の失踪事件。あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。そんな中、娘の失踪時、沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。その先にある、光に———

【キャスト】
石原さとみ、青木崇高、森優作、有田麗未、小野花梨、小松和重、細川岳、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純、 中村倫也

【スタッフ】
監督・脚本:吉田恵輔
音楽:世武裕子
企画:河村光庸
プロデューサー:大瀧亮、長井龍、古賀奏一郎
撮影:志田貴之
製作幹事:WOWOW
企画:スターサンズ
制作プロダクション:SS工房
配給:ワーナー・ブラザース映画
©︎2024「missing」Film Partners

公式HP:missing-movie.jp
公式X:@kokoromissing
公式Instagram:@kokoromissing #ミッシング