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映画『おいしい給食 Road to イカメシ』公開記念!市原隼人&綾部真弥監督インタビュー(前編)|市原「何とか這いつくばりながらここまで来た感じです」、綾部監督「毎回この1本で終わりだと思って全力で作っていました」

2019年からスタートしたドラマ『おいしい給食』。キー局ではない30分尺のドラマ、さらに原作のないオリジナル脚本でありながら、3シーズン、劇場版も3本を数え、回を重ねるごとにファンは拡大。今や大手企業とのコラボCMまで流れるコンテンツへと成長した。そんな『おいしい給食』の劇場版第3弾である映画『おいしい給食 Road to イカメシ』が5月24日から全国の劇場で公開される。『おいしい給食』シリーズの中心にいるのが、主演の市原隼人と監督の綾部真弥だ。彼らがこれまで何を思いシリーズを続け、そしてこれからどうなっていくのか。公開を前に、二人に話を聞いた。

取材・文:稲生D(共感シアター)

 

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全力で積み重ねてきた『おいしい給食』シリーズ

―――― 『おいしい給食』もシーズン3を終え、劇場版も3本目を迎えました。 もはや『おいしい給食』は、『踊る大捜査線』や『ガリレオ』シリーズと並んだと言ってもいいと思います(笑)。

市原さん綾部監督:あはは!

綾部監督:その位置なんだ(笑)。ありがとうございます。

―――― 給食を題材に、キー局のドラマでもなく、原作モノでもないオリジナル脚本のこのドラマがここまで来たのは快挙だと思います。改めて率直なお気持ちを伺えますか?

市原さん:本当に奇跡だと思ってます。シーズン1が始まるときのことを今でもはっきり覚えてるんです。撮影の前日まで芝居にも迷いがありまして。ナチュラルにすべきか、漫画のように突き抜けるべきなのか。綾部さんに電話して「メガネはどうしますか?」とか話したり。とにかく決まっていないことがたくさんあったんです。

綾部監督:そうだったね。

市原さん:とにかく原作モノではない、オリジナル作品という環境をフルに生かそうと思ったんです。綾部さんには「使わなくてもいいので、いろんな芝居を挑戦させてほしい」とお願いしました。とにかくいろいろやってみようと。それを綾部さんが快く引き受けてくれたからこそ、ここまで振り切った芝居ができたし、独特の世界観を作っていけたんだと思います。綾部監督には本当に感謝しています。そしてなにより大事なのは、ご覧いただいているお客様です。みなさまに続編を熱望していただいたからこそ、劇場版の第3弾までたどり着くことができました。本当にありがたいですし、役者冥利に尽きると思っています。

―――― 綾部監督はいかがですか?この5年は長かったですか?それとも短かったですか?

綾部監督:すごく長かったような、でもすごく短かったような(笑)。そもそもシーズン1の時は続編があると思って作っていないんです。毎回この1本で終わりだと思って、全力で作っていましたから。その積み重ねがあったからこそ、こうしてみなさまに支持していただけたのかなと思います。

―――― 最初の劇場版のサブタイトルは「ファイナルバトル」で、第二弾は「卒業」ですもんね(笑)。

綾部監督:終わらない閉店セールですよね(笑)。なので、この劇場版第3弾も総決算のつもりで作りました。初見の方にもわかるように『おいしい給食』の魅力を余すところなく詰め込みつつ、シリーズのファンにも楽しんでいただけるようにいろんな伏線もちりばめています。みなさんがより楽しんでいただけるように取り組んだつもりです。

 

シリーズが続くからこそ生まれる、マンネリへの対処

―――― 長く続けると「あ、これ前やったな」とか、被ってくる部分も出てくると思います。そこにはどう対処されましたか?

綾部監督:いつもマンネリとの戦いです。僕も市原くんも「このシチュエーションは前にやったなぁ」っていうのが当然出てくるんです。かといって、そこから逸脱しすぎてもお客様が見たいものからズレてしまう。いい意味での「おいしい給食」のマンネリズムは大事にしつつ、芝居や撮り方をちょっと変えたり、少しアクセントをつけたりというのはものすごく意識してやっていました。なので、このシーズン3から劇場版までの撮影というのは楽しい反面、苦しさを伴うものでもありました。前作、前々作を超えなければいけないというプレッシャーもありましたし、ここでつまらないと思われてしまったらどうしようと。そんな重圧がのしかかってきた作品でもありました。

市原さん:そこについては綾部さんと話しました。ここは後でこうするかもしれないから、この芝居は残しておこう、と通常は思ってしまうんです。でもそれはやめようと。全部今やりましょうって。次にそれを超えればいいだけじゃないですか。『おいしい給食』の芝居は緻密に計算して構成しているのですが、変に計算高いものにはしたくなかったんです。とにかく今できるすべてを尽くしましょう、という話を何回もしました。そうなると当然撮影もハードになっていくんですが、撮影も佳境に入ったころで綾部さんを見てて、「あ、今結構来てるな」って思うこともありました(笑)。

綾部監督:あはは(笑)

市原さん:もちろん僕もそうです。「もうダメかもしれない」という日々を、何とか這いつくばりながらここまで来た感じです。何とか面白いものを創ろう、今までになかったものを創るんだ、金字塔を打ち立ててやるんだ、という想いでずっとやってきました。もう意地ですよね。笑わせたいのではなく、笑われたい。そこまで必死にならないと甘利田幸男という人間の生きざまは楽しんでもらえないですから。

 

カットされるとわかってても、ついつい演じてしまう市原さん

―――― そんな『おいしい給食』の大きな見どころのひとつが甘利田先生の給食シーンですが、以前も市原さんは8割カットされているとおっしゃっていました。

綾部監督:8割というと表現が難しいところではあるんですけど(笑)、食べるシーンでも冒頭のモノローグの部分とかはほとんどそのまま使っています。でもカットしたところって、これも説明が難しいんですが・・・、僕らの”魔法”というか、マジックのタネあかしを見せてしまうところでもあると思うんですよね。現場でのノリや感情の高ぶりを利用して突き抜けた芝居をしてもらって、それを撮影する。そして編集でその順番を入れ替えたり、様々なテクニックを駆使しながら、最終的にどう料理するのが一番おいしいのかを判断しています。バレたくないところもたくさんあるんですよ。隠したいというよりも、知ってもらってもメリットにならないというか。

―――― 市原さんはどうですか?「ここ使わないのかよ」って思うところはあります?

市原さん:(即答で)いっぱいあります(笑)。 

綾部監督:そりゃあるよね(笑)。

市原さん:でもそれも当然だと思ってます。テイクを重ねるたびに芝居が変わっていきますし、テイクを続けたからこそ生まれる芝居があることわかってますから。ちょっとした瞬間の動きだけ使えるもの、流れで全部使えることだってあります。まるで千本ノックですよね。でもたとえ使われなくても、それを見せたいと思わされてしまうのが綾部真弥という監督なんです(笑)。

綾部監督:(爆笑)

市原さん:あー、この人にこれ見せたいな、こうしたら楽しんでもらえるかなって、ついつい思っちゃうんです(笑)。

綾部監督:いい演出家と俳優の関係ですよね(笑)。それに市原くんって編集をすごくわかってるんですよ。自分で撮影したりしてますし、グレーディングもするから、映像のいじり方を知ってる。だから演じている時も、例えばいい感じで食べてて、スプーンですくうのに失敗したとしても「ここからやり直せば繋いでくれますよね?」みたいなことを瞬時にやるんです。映像のことをわかってるんで、こっちも編集しやすいんですよ。

―――― それはもう『おいしい給食』のチームワークのなせる技ですよね。

綾部監督:熟練の技ですよ。撮影で食べることに関して、今の日本の映画界で市原隼人の右に出る者はいない (笑)。

市原さん:(爆笑)。その辺はもう阿吽(あうん)の呼吸です(笑)。

 

甘利田の新しいライバル、粒來ケン

―――― 給食バトルを描く『おいしい給食』最大のポイントでもあるのが、ライバル役の生徒です。そこに現れたのがシーズン3の粒来ケンでした。ここまでの2シーズンは神野ゴウというカリスマがいましたが、今回の田澤泰粋さん演じる粒来ケンはいかがでしたか?

綾部監督:シーズン3は粒来ケンという存在が救いでした。例えば神野ゴウと同じような構成であっても、ケンならではの持ち味がだんだん出てくるようになったんです。それこそが“シーズン3らしさ”なので、本当に救いでした。同じ甘利田とふたりのシーンでも、ケンだとちょっと違う感じになるんです。泰粋(たいき)自身、神野ゴウのような天才的なひらめきタイプではないんですが、地道に積み重ねて吸収して、回を追うごとに生き生きしてくる。役者としての成長が見て取れたんですよね。今回の劇場版はまさにそれが爆発しています。彼自身かなりプレッシャーもあったと思うんですよ。ほかの生徒たちがワイワイ騒いでる時でも、一人ぽつんと台本を読んでいたりしてましたから。そうやって重圧をしっかり感じている姿を見ているからこそ、僕や市原くんがそれこそマンネリで悩んでいるときに、ケンという存在がアイデアの助けになったことは多かったですね。

市原さん:本当にそうだと思います。僕も甘利田と一緒で、毎回彼に負けてるんですよ。彼の思春期だからこその芝居というか、「こんな芝居できないよ」って思わされることが毎回ありました。『おいしい給食』の現場は、子供たちから学ぶことが本当に多いんです。ですので、子供たちから何かをしたい、現場に来たいと思えるような環境づくりをしたいと毎回思っています。モノづくりはその延長線上にあると思うんです。押し付けではなく、自らが楽しむ。でも楽しむにはスキルが必要で、ただの仲良しクラブではなく、本質を理解している必要があります。我々はお客様に楽しんでいただく作品を作るために集まっているわけで、そのために必死に共闘し、それを楽しむ。そのことができる子どもたちだったので、僕自身いつも彼らを頼りにしていました。

―――― 粒来ケンの食べっぷりは見事でした。

綾部監督:クランクインの前には、泰粋にも市原くんの食べ方を見せてレッスンしました。顔を動かさずに自分の前に(食べ物を)持ってくるから表情がついてくるんだよ、とか。麺類は途中で噛み切らないとか。コンビニで買ってきたもので実際に食べてもらって、かなり事細かくやりました。そういう意味では僕にとって粒来ケンは神野ゴウより愛しいんですよ。僕や市原くんと一緒にシーズン3を背負ってもらわなければいけないので、何とか育ってほしいという気持ちで熱心に指導してましたから。

 

後編に続きます!!

映画『おいしい給食 Road to イカメシ』公開記念!市原隼人&綾部真弥監督インタビュー(後編)|2人の”同志”が考える「おいしい給食」これからとは?

 

『劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ』
5月24日(金) 霊長類最強の給食愛。

【キャスト】
市原隼人 大原優乃 田澤泰粋 栄信 いとうまい子 六平直政 高畑淳子 小堺一機 石黒賢

【スタッフ】
監督:綾部真弥、田口桂
企画・脚本:永森裕二
プロデューサー:岩淵規

©2024「おいしい給食」製作委員会

公式HP:https://oishi-kyushoku3-movie.com/
公式X:@oishikyushoku

 

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