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石原さとみ、中村倫也 、青木崇高、吉田恵輔監督 登壇!映画『ミッシング』公開記念舞台挨拶レポート!石原「私の中に沙織里の気持ちが住み続けていることも知りました。」

2022年の出産後、1年9ヶ月ぶりの芝居に臨んだ石原さとみが主演を務め、 『空白』(21)、『愛しのアイリーン』(18)、 『ヒメアノ~ル』(16)の吉田恵輔がオリジナル脚本でメガホンをとった映画『ミッシング』(配給:ワーナー・ブラザース映画)が5月17日(金)に全国公開となる。

ある日突然いなくなった幼い娘。その帰りを懸命に待ち望みながらも、自分たちの力ではどうにもできない現実との間でもがき苦しみ、事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親とその家族。事件により世間の注目を浴びた事により、謂れのない誹謗中傷や好奇の目に晒されながらも、いつか必ず会える、その日を信じてー。出口のない迷路を彷徨い続ける母親・沙織里を演じるのは、今までの自分を壊して欲しいと、7年前、自ら田恵輔監督に直談判をした石原さとみ。出産を経て母となった彼女が魅せる、これまでのイメージを一新させた新境地に既に話題が沸騰している。さらに、中村倫也、青木崇高を筆頭に、森 優作、小野花梨、細川 岳、有田麗未(ありたつぐみ)、小松和重、カトウシンスケ、山本直寛、柳 憂怜、美保 純ら豪華実力派キャスト陣が集結。“人間描写の鬼”田監督が「自分のキャリアの中で最も覚悟のいる作品」と語る本作。あらゆる好奇心と無関心、名前のない善意と悪意にあふれる世の中でも、私たちが自分以外の誰かに手を差し伸べれば、“光”は必ずそこにある。異色のケミストリーが肉迫する、限りなく“哀しくて、愛しくて、優しい”物語。

今回、本作の公開を記念して新宿ピカデリーにて舞台挨拶が実施され。主演の石原さとみ、中村倫也 、青木崇高、吉田恵輔監督が登壇した。

主演を務めた石原は「映画館に足を運んで頂き、とても嬉しいです!昨日映画は公開されましたが、素晴らしい天気の中でのスタートだと思います。暖かな柔らかい風を感じて、映画の余韻に浸って頂ければと思います。本当にありがとうございます!」と感無量な表情で感謝を述べた。さらに、「この映画は言葉にするのが難しいと思うんです。誰かとお話しをして思い出しながら、いろいろ合点がいったり、共感したり、ざわざわした気持ちに少しだけ光が感じられるかなと思います。ぜひ語っていただけたら嬉しいです」とコメントした。

続いて中村は、「たくさんの方に観ていただいて、じんわりとした気持ちになっていただければと思います」と余韻に浸っている観客へ挨拶。青木は観るのに、心を凄く使われたと思います」と観終わったばかりの観客を気遣いつつ、「けれども観てよかった、そう思われるような映画だったのではないでしょうか」と力強くコメント。最後に田監督は「4年前くらいから企画をして、結構長い時間かかってやっと公開することができました」と感慨深い表情。しかし「余韻を壊さないようにしたいんですけど、多分僕と中村さんは無理だと思う(笑)」と少しおどけた挨拶し、会場は和やかな空気に包まれた。

MCから注目してほしいシーンについて聞かれると、石原は【行方不明になった娘・美羽の捜索ポスターにイタズラで目に画鋲が刺さっているのを一生懸命抜くシーン】を挙げ、「美術が揃った状態で段取りに入ったんですが、これを見て本当に苦しくなって、泣くシーンではなかったのですが、涙が止まらなくなってしまって…。撮影が終わって車に戻ったら青木さんがいらっしゃって『俺も見た』と。」語る。青木は「本当に鬼だなと。演出なんだけど、演出するにもほどがあるだろうと思いました」と同意していた。吉田監督は「思いついちゃうんですよね。俺も病気だと思ってる。」とあっけらかんと答えると、石原は「発想が怖すぎる!」、青木「残酷!」とツッコまれていた。

失踪事件を唯一追いかけるローカルTV局の記者・砂田を演じた中村は、【飲み会でみんながウェーイってなっているのに、真面目なことを言って白けさせる砂田】をお気に入りのシーンにセレクト。「僕も急にマジレスモードになるときがある」と中村自身にも砂田に似た一面があり、共感したそう。これには石原も「ずっとボケ続けるかと思ったら、時折すごい鋭く冷静に突っ込まれますよね」と同調。中村は「楽しく話をした後にバランスを取りたいのかも」と語った。

青木は自身のシーンではなく、【森優作さんが演じる沙織里の弟・土井圭吾の存在。TV局のインタビューを受けるシーンや、そのインタビューが流れる番組観て頭ポリポリするところやトーストの焦げをカリカリ取るところ】と数々の土井圭吾のシーンをレコメンド。「なんかヤベーな」と感じたことを率直に語りつつも、「とんでもないキャストを放り込んできたなと思いました」と、独特の存在感を放つ森を絶賛した。圭吾が頭を掻くシーンも、トーストの焦げを落として食べるシーンもアドリブではなく台本にしっかりと書かれていることに話題が移ると、劇場パンフレットに台本が丸々掲載されていることが紹介され、石原も「どれが台本に書かれたことで、どれがアドリブかが分かりますね」と二度三度楽しめることをアピールした。

田監督は【夫婦が蒲郡駅前でビラ配りをしている最中に、変なおばさんからしつこく話しかけられるシーン】と回答。シリアスな中にも「こういう人、いるいる」というユーモアあふれる象徴的なシーンをモノマネも交えながら説明すると、思わず客席から笑いが巻き起こった。田監督は撮影を振り返り、「沙織里の気持ちになると可哀想だけど、実はかなり笑いを我慢していました」と告白。対して石原は、「高い声で何か叫んでるけど、その声がこっちの感情を逆撫でして、もっと苦しくなる」と語り、田監督は石原の集中力に驚かされ、まさに石原に沙織里が”憑依”していたと賞賛した。

本作について吉田監督は「物事に折り合いを付ける話というより、折り合いを付けるのが無理な状況にいる人が、この先生きていくには何が必要なのかをテーマにしたいと思っていました。大事な人が亡くなったとかだったら、時間が癒してくれるとか、新たな出会いで癒されるとかあると思いますが、このシチュエーションの場合はなかなか厳しい。沙織里自身が自発的に変わらないと前に進めない。一番つらいはずの自分が他者のために行動することで、それが一周回って自分に返ってくる。そういうことが救いになるんじゃないかという、俺の願いみたいなものを込めて作っています」と語った。

最後に石原は、つい最近公園で迷子の男の子を探す母親と出会ったというエピソードを披露。まさに劇中で沙織里が体験したような場面に遭遇し、石原もその子どもの行方を気に掛けていたところ、その母親が大号泣しながら走り去るところを目撃。その姿に恐怖を感じ、サービスセンターで迷子の男の子の特徴を確認しようとしたところ、実はその男の子が無事見つかり、母親の涙は安堵の涙だったことが判明。「沙織里という役を演じて、自分の財産となる、知らなければならない感情を知ることができました。撮影から1年以上経っても、私の中に沙織里の気持ちが住み続けていることも知りました。どうか少しでも彼女の苦しさ、つらさが伝わったらいいなと思います。そして誰かに優しくて温かい言葉を掛けてくださるようなことが、ひとりでも増えたらと心から願っています」と思いを観客に伝えイベントは終了した。

『ミッシング』
5月17日(金)全国公開

【ストーリー】
とある街で起きた幼女の失踪事件。あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。そんな中、娘の失踪時、沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。その先にある、光に———

【キャスト】
石原さとみ、青木崇高、森優作、有田麗未、小野花梨、小松和重、細川岳、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純、 中村倫也

【スタッフ】
監督・脚本:吉田恵輔
音楽:世武裕子
企画:河村光庸
プロデューサー:大瀧亮、長井龍、古賀奏一郎
撮影:志田貴之
製作幹事:WOWOW
企画:スターサンズ
制作プロダクション:SS工房
配給:ワーナー・ブラザース映画
©︎2024「missing」Film Partners

公式HP:missing-movie.jp
公式X:@kokoromissing
公式Instagram:@kokoromissing #ミッシング