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『オッペンハイマー』が5冠!『君たちはどう生きるか』が日本映画史上初のアニメーション映画賞を受賞!ゴールデン・グローブ賞の受賞結果を振り返りつつ、アカデミー賞はどうなるかを予想する


本日、第81回ゴールデン・グローブ賞授賞式が行われ、クリストファー・ノーラン監督最新作の『オッペンハイマー』が最多5部門を受賞した。また日本作品が2本候補入りしたアニメーション映画賞はジブリ映画『君たちはどう生きるか』が受賞。他にも『哀れなるものたち』や『The Holdovers』などが受賞するなど、軒並み順当な結果となった。

◆受賞結果の振り返り
『オッペンハイマー』は原爆の父と言われるロバート・オッペンハイマーを描いた作品で、クリストファー・ノーラン監督が脚本と共同制作も務めた3時間を超える大作映画だ。伝記映画ではあるものの大ヒットを記録しており、現在発表されている賞レースでもほぼ独走状態。ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)の他にクリストファー・ノーランが監督賞、キリアン・マーフィーが主演男優賞(ドラマ部門)、ロバート・ダウニー Jr.が助演男優賞、そして作曲賞を受賞した。まさに今年を代表する作品で、文句なしのフロントランナーである。


2部門受賞したのが『哀れなるものたち』、『The Holdovers』、『落下の解剖学』の3本だ。『哀れなるものたち』はヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞も受賞したヨルゴス・ランティモス監督最新作。死んだ若い女性が、ある科学者の子どもの脳を移植されて奇跡的に蘇生するという奇抜な映画で、エマ・ストーンの演技が特に高く評価されていたが、今回作品賞に加えて主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。ちなみにドラマ部門は『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーンが受賞した。

『サイドウェイ』などの傑作ドラマを生み出したアレクサンダー・ペイン監督の久々の作品『The Holdovers』も2部門受賞。特に俳優陣の演技の評価が高くポール・ジアマッティが主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した。


日本関連で言うとアニメーション映画賞はジブリ作品『君たちはどう生きるか』が受賞。前哨戦でも勝利を重ねているが、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の方が有利に見られていたものの、見事に受賞した。ゴールデン・グローブ賞にアニメーション映画賞が設立されて以来、日本映画の受賞は今回が初めての快挙となった。恐らくアカデミー賞ノミネートまでは問題ないと思うが、今回の受賞で作品の勢いが増せば、アカデミー賞での受賞も見えてくるだろう。

全体の受賞結果は以下の通り。

<ドラマ部門>
◆作品賞
★オッペンハイマー(クリストファー・ノーラン監督)

◆主演男優賞
★キリアン・マーフィ『オッペンハイマー』

◆主演女優賞
★リリー・グラッドストーン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

<ミュージカル/コメディ部門>
◆作品賞
★哀れなるものたち(ヨルゴス・ランティモス監督)

◆主演男優賞
★ポール・ジャマッティ『The Holdovers』

◆主演女優賞
★エマ・ストーン『哀れなるものたち』

<共通部門>
◆監督賞
★クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』

◆助演男優賞
★ロバート・ダウニー Jr.『オッペンハイマー』

◆助演女優賞
★ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ『The Holdovers』

◆脚本賞
★落下の解剖学

◆作曲賞
★オッペンハイマー

◆主題歌賞
★「What Was I Made for?」(バービー)

◆アニメーション映画賞
★君たちはどう生きるか

◆外国語映画賞
★落下の解剖学(フランス)

◆シネマティック&Box Office業績賞
★バービー

◆アカデミー賞はどうなる?
この後発表される各種組合賞の結果次第で、流れが変わる可能性が有るが、ゴールデン・グローブ賞の結果を踏まえたここまでの賞レース結果を踏まえてアカデミー賞がどうなるかを簡単に予想してみる。


作品賞と監督賞は『オッペンハイマー』クリストファー・ノーランが堅いと言える。ゴールデン・グローブ賞の結果からも分かるように、今年を代表する作品であり、作品評価はもちろん興行的にも大成功を収めているこの作品がトップに立つと考えるのが自然だろう。


主演男優賞はキリアン・マーフィーとポール・ジアマッティの一騎打ち状態で、前哨戦もこの2人がほぼ受賞している。ゴールデン・グローブ賞はそれぞれ違う部門だったため両者とも受賞したが、この先の結果が明暗を分けるだろう。ただ、作品にパワーがある分、少しキリアン・マーフィーが有利か。


主演女優賞もこエマ・ストーンとリリー・グラッドストーンの一騎打ちと考えて良いだろう。主演男優賞同様、この先の賞レース後半戦の結果で明暗が分かれるだろう。この2人に割って入れる可能性が有るとすれば、今回のゴールデン・グローブ賞で2部門受賞した『落下の解剖学』に主演しているサンドラ・ヒュラーだろうか。

助演女優賞はもうダヴァイン・ジョイ・ランドルフの独走状態で、余程のことが起きない限り、アカデミー賞も彼女に渡るだろう。

助演男優賞はまだ少し読めない。ゴールデン・グローブ賞はロバート・ダウニー Jr.が受賞したが、前哨戦は『May December』のチャールズ・メルトンが強かったし、『バービー』のライアン・ゴズリングもまだ可能性を残している。それでも作品パワーで上回るロバート・ダウニー Jr.が一番手か。

日本関連の作品では、先述の通り『君たちはどう生きるか』は長編アニメーション映画賞のノミネートまでは問題なく進むと思われる。受賞の可能性も十分にある状況だろう。

賞レースは後半戦に突入。この後はアカデミー賞の前哨戦でも重要な賞と言われているブロードキャスト映画批評家協会賞、そして各種組合賞が発表される。そして現地時間1月23日にはノミネートが発表される。一体どんな結果になるのか、今から楽しみだ。

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写真:Photoshot/アフロ
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