金獅子賞はヨルゴス・ランティモス監督作品『哀れなるものたち』!濱口竜介監督作品『悪は存在しない』も審査員大賞を受賞!【第80回ベネチア国際映画祭】
世界三大映画祭の一つに数えられるベネチア国際映画祭が先日閉幕し、その結果が発表された。最高賞の金獅子賞はヨルゴス・ランティモス監督作品『哀れなるものたち』が受賞した。
『哀れなるものたち』はアラスター・グレイの同名小説を映画化した作品。自殺を図った若き女性が、自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に生き返るという物語だ。主演のエマ・ストーンの演技が大絶賛を受けており、早くも2度目のオスカー受賞を推す声も大きい。ヨルゴス・ランティモスは、エマ・ストーンも出演した、前作の『女王陛下のお気に入り』では同映画祭にて審査員大賞を受賞しており、2作品連続でヴェネツィア国際映画祭での受賞を果たした。
審査員大賞は、『ドライブ・マイ・カー』でアカデミー賞にも候補入りした濱口竜介監督作品『悪は存在しない』が受賞。『ドライブ・マイ・カー』でも組んだシンガーソングライターの石橋英子との共同企画で、長野県のある街を舞台に、開発計画とそれよって発生する環境汚染に動揺する町内の人々を描いた映画だ。濱口は過去にカンヌとベルリンでも受賞歴があり、本作で遂に世界三大映画祭全てで受賞歴のある日本人監督となった。
男優賞は『Memory』のピーター・サースガードが受賞。数々の佳作に出演し、『ニュースの天才』ではアカデミー賞候補一歩手前まで迫った実力派俳優の、嬉しい初受賞となった。女優賞はソフィア・コッポラ監督作品『Priscilla』のケイリー・スピーニーが、こちらも初受賞。エルヴィス・プレスリーの妻であるプリシラ・プレスリーを主人公に置いた映画で、タイトルロールを演じ、見事受賞となった。
ベネチア国際映画祭は近年はアカデミー賞の前哨戦として位置づけられている。今回受賞した作品はもちろん、他にも映画祭で高評価を獲得した作品は多数あった。映画祭単体としてはもちろん、この先のオスカー賞レースに向けても注目度の高かったこの映画祭、受賞結果一覧は以下の通り。
◆金獅子賞
★哀れなるものたち (ヨルゴス・ランティモス監督)
◆銀獅子賞(監督賞)
★マッテオ・ガローネ『Io capitano」
◆男優賞
★ピーター・サースガード『Memory』
◆女優賞
★ケイリー・スピーニー『Priscilla』
◆脚本賞
★ギレルモ・カルデロン、パブロ・ラライン『伯爵』
◆審査員賞
★悪は存在しない(濱口竜介監督)
◆審査員特別賞
★Green Border(アニエスカ・ホランド監督)
◆若手俳優賞
★セイドゥ・サル『Io capitano』
◆フィルムメイカー賞
★ウェス・アンダーソン
◆栄誉金獅子賞
★リリアーナ・カヴァーニ
★トニー・レオン
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