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【海外ニュース】アリ・アスター監督の新作『Beau Is Afraid(原題)』の予告編が解禁!

文:屋我平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

『ヘレディタリー 継承』や『ミッドサマー』の監督で、現代ホラーの旗手として知られるアリ・アスターの新作『Beau Is Afraid』の予告編が解禁された。元々は「Disappointment Blvd.(失望大通り)」というタイトルで発表されていたが、最終的にこの『Beau Is Afraid(ボーは恐れる)』に決まったようだ。

製作・配給のA24の公式サイトに掲載されたあらすじには、「偏執病的な男が母のもとに帰るために壮大な長旅に乗り出す」となっており、また「大胆で巧みに邪悪な新作」と謳われている。予告編も、全体的に主人公ボーの妄想なのか現実なのか分からないシーンが多く、謎が多い。キーになりそうなのは、冒頭で母親が幼いボーに向けて発する「パパがあなたに残したものについて本当に申し訳なく思うわ。でも私は子どもが欲しかったの。人生最高の贈り物よ」というセリフだ。『ヘレディタリー』を思わせる、何かの“継承”を匂わせているようにも聞こえる。

年老いたボーは「明日母親に会いに行くんだ」と話し、電話口からも母親の声が聞こえるが、現在の母親の姿は出てこない。ボーは自宅から飛び出したところを車に轢かれ、加害者の家で手当されるも再びそこを抜け出し、絵本の世界のような場所に迷い込む。そこに重ねられる何者か(母親?)のセリフも意味深で不気味だ。「あなたは何マイルも歩くことになる。数十は数百に。数百は数千に。冒険は何年も何年も続くでしょう」…。

アリ・アスターは2011年に、『Beau(原題)』という短編を撮っている。主人公こそ本作のホアキン・フェニックスのような白人でなく黒人だが、やはりボーという名の男が母親に会おうとするも上手くいかなくなる、という内容だ。その理由は荷物と鍵を何者かに奪われたためなのだが、他の人物がなぜかボーを罵ってきたり怪物が登場したりと、妄想的な部分が多分に含まれており、これがある程度本作のベースになっているのは確実だろう。

これまでのアリ・アスター作品のようなホラー要素も感じられるが、アスター自身は以前、米The Daily Nexusのインタビューで本作を「悪夢のようなコメディ」と表現している。しかも、上映時間は4時間になるとも。『ヘレディタリー』は127分、『ミッドサマー(ディレクターズ・カット版)』は170分だった。“2時間は3時間に。3時間は4時間に”…。全米公開日は2023年4月21日で、日本公開日は未定だが今年中での公開が予定されている。上映時間に関してまだ正式なアナウンスはされていないが、予想を超える作品になることだけは間違いないだろう。

ソース
https://dailynexus.com/2020-06-01/a-s-program-board-presents-ask-ari-aster/