橋本愛「日本の素晴らしいところと、改善すべきところを見つめ直すきっかけに」東京国際映画祭上映作品が発表!【第35回東京国際映画祭】
本日9月21日(水)、第35回東京国際映画祭のラインナップ発表記者会見が開催された。発表会にはフェスティバルアンバサダーを任命された女優の橋本愛ほか、自身の作品がコンペ部門に出品された今泉力哉監督、福永壮志監督、松永大司監督が参加した。
昨年に続き2年連続でフェスティバルアンバサダーに任命された橋本愛は「去年は自分が思っているものよりも『楽しい、ワクワクする』という興奮の方を発信していった気がするんですけど、今年は2年連続ということで自分にできることは何かを考えた時に、今の日本の映画界に色々と立ちはだかる課題について、自分の気持ちを話せたらと思っています」と2年連続でアンバサダーを務めることについての意気込みを語った。
さらに橋本は昨今色々と問題に上がっている映画界の労働環境についても「ハラスメントや労働環境の問題、色んな問題があるなと自分が現場を経験していて思うことがたくさんあります。そういった事に対して、世代間での溝があると思うので、お互いの声を聞くことがものづくりにおいて大切なことだと思います」と自身の想いを語った。
また昨年アンバサダーを務めたことで映画そのものや映画祭の役割について考えるようになったとも語り、続けて「今の日本で同性婚が認められていなかったりとか、LGBTQ+への理解がまだ浅かったり、環境問題への意識も世界と比べて薄いところがあると思います。歴史や伝統を守って言うこと言う姿勢は素晴らしいと思うんですけど、それを守り抜く過程で零れ落ちてしまう人がたくさんいます。そういった人たちの苦しみや悲しみに寄り添って、それでも生きていて欲しいという気持ちを込めて物を作っていくのが映画であるし、芸術でもあると思います。世界に開かれる東京国際映画祭で、改めて今の日本の素敵なところと、改善した方が良いと思うところを、改めて見つめ直すきっかけになれば良いなと思っています」と熱い胸の内を語った。
なお、コンペ部門の審査員長は舞台演出家であり映画監督のジュリー・テイモアが務める。また審査員には『新聞記者』などの女優のシム・ウンギョンほか、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス(映画監督)、マリークリスティーヌ・ドゥ・ナヴァセル(元アンスティチュ・フランセ館長)、柳島克己(映画監督)が務める。
今年の映画祭にはヴェネツィア国際映画祭で男優賞を受賞した『イニシェリン島の精霊』、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督最新作『バルド』、ノア・バームバック監督の『ホワイト・ノイズ』など、世界の映画祭を席巻した傑作や、名匠監督の新作映画が上映される予定だ。
オープニング作品は瀬々敬久監督の『ラーゲリより愛を込めて』、クロージング作品は黒澤明監督の名作をリメイクした『生きる LIVING』となっている。
第35回東京国際映画祭は10月24日(月)~11月2日(水)で開催される。
コンペティション部門、アジアの未来、ガラ・セレクション上映作品は以下の通り。
【オープニング作品】
『ラーゲリより愛を込めて』(監督:瀬々敬久)
【クロージング作品】
『生きる LIVING』(監督:オリヴァー・ハーマナス)
【コンペティション部門】
『1976』(監督:マヌエラ・マルテッリ)
『アシュカル』(監督:ユセフ・チェビ)
『ザ・ビースト』(監督:ロドリゴ・ソロゴイェン)
『窓辺にて』(監督:今泉力哉)
『エゴイスト』(監督:松永大司)
『ファビュラスな人たち』(監督:ロベルタ・トーレ)
『輝かしき灰』(監督:ブイ・タック・チュエン)
『カイマック』(監督:ミルチョ・マンチェフスキ)
『ライフ』(監督:エミール・バイガジン)
『マンティコア』(監督:カルロス・ベルムト)
『山女』(監督:福永壮志)
『孔雀の嘆き』(監督:サンジーワ・プシュパクマーラ)
『テルアビブ・ベイルート』(監督:ミハル・ボガニム)
『This Is What I Remember(英題)』(監督:アクタン・アリム・クバト)
『第三次世界大戦』(監督:ホウマン・セイエディ)
【アジアの未来部門】
『アルトマン・メソッド』(監督:ナダヴ・アロノヴィッツ)
『蝶の命は一日限り』(監督:モハッマドレザ・ワタンデュースト)
『クローブとカーネーション』(監督:ベキル・ビュルビュル)
『へその緒』(監督:チャオ・スーシュエ)
『i ai』(監督:マヒトゥ・ザ・ピーポー)
『消えゆく燈火』(監督:アナスタシア・ツァン)
『アヘン』(監督:アマン・サフデワ)
『私たちの場所』(監督:エクタラ・コレクティブ)
『少女は卒業しない』(監督:中川 駿)
『突然に』(監督:メリサ・オネル)
【ガラ・セレクション】
『アムステルダム』(監督:デヴィッド・O・ラッセル)
『そして僕は途方に暮れる』(監督:三浦大輔)
『イニシェリン島の精霊』(監督:マーティン・マクドナー)
『バルド、偽りの記録と一握りの真実』(監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
『神探大戦』(監督:ワイ・カーファイ)
『ドント・ウォーリー・ダーリン』(監督:オリビア・ワイルド)
『フェアリーテイル』(監督:アレクサンドル・ソクーロフ)
『ザ・メニュー』(監督:マーク・マイロッド)
『母性』(監督:廣木隆一)
『ノースマン 導かれし復讐者』(監督:ロバート・エガース)
『月の満ち欠け』(監督:廣木隆一)
『あちらにいる鬼』(監督:廣木隆一)
『ホワイト・ノイズ』(監督:ノア・バームバック)
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(監督:ジュゼッペ・トルナトーレ)
『ラ・ハウリア/ルーム・メイド』(監督:アンドレス・ラミレス・プリード、ルクレシア・マルテル)
『パシフィクション』(監督:アルベルト・セラ)
その他の上映作品は東京国際映画祭公式HPをご覧ください。
【開催概要】
日程:10月24日(月)~11月2日(水)
会場:日比谷、有楽町、丸の内、銀座エリアの各映画館やホールなど
主催:公益財団法人ユニジャパン
公式サイト:https://2022.tiff-jp.net/ja/
上映作品一覧ページ
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