MOVIE MARBIE

業界初、映画バイラルメディア登場!MOVIE MARBIE(ムービーマービー)は世界中の映画のネタが満載なメディアです。映画のネタをみんなでシェアして一日をハッピーにしちゃおう。

検索

閉じる

A24最新作『Men(原題)』のアレックス・ガーランド監督、アニメ『進撃の巨人』から影響を受けたと語る!?

文:屋我 平一朗(日々メタルで精神統一を図る映画ブロガー)

ちょうど今、フランスではカンヌ国際映画祭の真っ最中だ。カンヌと言えば最高賞のパルム・ドールの名が有名だが、それを争うのはコンペティション部門に限った話。その他にも、賞の絡まないアウト・オブ・コンペティション部門や、個性が際立つ作品を選出する「ある視点」部門などがある。これら映画祭の公式部門とは別に同時開催されるものとして、監督協会主催の「監督週間」がある。こちらも賞とは関係なく、主に若く作家性の強い監督の作品が集まる部門で、今回『エクス・マキナ』、『アナイアレイション -絶滅領域-』のアレックス・ガーランド監督最新作『Men』が上映された。

『Men』は、ハーパーという若い女性が夫を飛び降り自殺で亡くした後、訪れたイギリスの田舎で遭遇する恐怖を描くホラーだ。予告編では、ハーパーはロリー・キニア(『007』シリーズ)演じる謎の男ジェフリーに追い回されている。ジェフリーは何故か別人のような髪型、服装で何度も登場しており、ハーパーを演じるジェシー・バックリーが以前出演した『もう終わりにしよう。』のような悪夢感が漂っており不気味だ。タイトルは「男たち」を意味するため、従来の男性性がもたらす悪影響がテーマになっているのかもしれない。そうだとすれば、進化するAIの恐怖や、生態系を変容させる奇妙な空間の不条理さが描かれたこれまでの作品よりも身近に感じられるものになるだろう。

ところで、米Polygonのインタビューで、ガーランドは興味深いことを語っている。日本のアニメ『進撃の巨人』から影響を受けたというのだ。娘から勧められて見始めたそうだが、「ただ圧倒された。(中略)人間の形をわずかながら滑稽になるギリギリまで変化させているのに、それを本物の勇気と自信をもって行っている。不条理と非常に恐ろしいことの間の奇妙な空間を漂っている」と激賞。このインタビューでは直接的な影響が見られるシーンは『Men』にないと述べているが、米Colliderのインタビューでは映画の終盤にそれらしいシーンがあると示唆されている。

「本作は突然変異の観点から書かれている。(中略)プリプロダクションに入るところで、あらゆるイメージと格闘していたが上手くいかず不安を感じていた時、娘が『進撃の巨人』にハマった」とのことで、その後に続くのはやはり巨人の独特なデザインへの賛辞の言葉。思い返せば、ガーランドはこれまで人体と機械、人体と植物が合わさった奇怪でショッキングなイメージを提示してきた。『進撃の巨人』と波長が合うのも不思議ではない。『Men』は今年中の日本公開が決定している。ガーランドがどのようなインスピレーションを得たのかが分かるまで、そう時間はかからないだろう。

元記事:https://www.polygon.com/23076652/alex-garland-men-movie-attack-on-titan?utm_campaign=polygon&utm_content=chorus&utm_medium=social&utm_source=twitter