【第21回東京フィルメックス】『泣く子はいねぇが』⽇本国内最速上映!佐藤監督がQ&Aセッションを実施!
第21回東京フィルメックス
日本国内最速上映!
『泣く子はいねぇが』
佐藤監督がQ&Aセッションを実施!
11月3日(火)、TOHOシネマズ シャンテ他で開催中の「東京FILMEX」にて佐藤快磨監督の劇場デビュー作となる映画『泣く子はいねぇが』の日本最速上映が行われた。上映後には佐藤監督によるQ&Aセッションも実施され、映画を見た観客からの質問に答えた。
「仲野太賀が演じる主人公・後藤たすくのキャラクター像はどうやって作り上げたのか?」という質問が来たところ、佐藤監督は「自分が20代後半を迎え、同級生たちが結婚し子供が生まれていく中で、自分も当たり前のように父親になれると思っていましたが、その未来が遠ざかっていく感じがありました。自分も父親になれるんだろうかという疑問を映画の中で探したかったんです。父親じゃない自分が父性を探す映画を撮りたいというところがスタートなので、主人公には自分が投影されている感じはあります。」とコメントした。
秋田県男鹿半島に伝わる伝統行事「ナマハゲ」を扱うことになった経緯について、佐藤監督は「一度だけ幼いときになまはげを友人の家で体験して、友人は父親に号泣し抱き着いていましたが、自分は抱き着ける大人がいなくて心細い想いをして、その時の記憶がトラウマのように残っています。ナマハゲは子供を泣かせるイメージが強いと思うんですけど、子どもが父親に抱き着くなど、父親の責任と自覚を芽生えさせる側面もあると思いました。その記憶と映画のテーマがリンクして、男鹿を舞台にした映画を撮りたいと思ったんです。」と幼いときの記憶から映画が誕生したことを明かした。
主演に仲野太賀を起用した理由について聞かれると、初めての出会いとなった佐藤監督の短編『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』(2015)を振り返り、「『ほとりの朔子』や『桐島、部活やめるってよ』で太賀くんを見ていたのでに出てもらえるなんてと言う気持ちでいました。そのときに忘れられない表情がたくさんあり、新人の自分と話し合いながら作品を作っていく姿勢に触れて、長編で商業デビュー作を撮れるならいつか太賀くんと撮りたいという想いがその時からありました。なので『泣く子はいねぇが』の脚本も当て書きのような感じで書いていました。」と語った。
本作の主題歌と劇伴を務める折坂悠太については「プロデューサーと映画音楽を誰にお願いするか悩んでいたところ、太賀くんから折坂さんはどうですかと薦めてくれました。太賀くんはロケハンの時から『今折坂さんの曲を聴いているんです』という話をしていました。そのときからそれとなく推薦してくれていたのかもしれないです(笑)」と実は仲野の推薦がきっかけであったことを明かした。折坂との作業では「『この映画は音楽を付けなくてもいいんじゃないですか?』と言ってくれたことが嬉しかった」と当時を振り返った。
本作はサン・セバスティアン国際映画祭で撮影賞を受賞している。撮影にこだわった点を聞かれると「撮影監督の月永さんが男鹿を訪れた時の印象を画面に入れてくれたので、撮影のこだわりは構図やアングルは月永さんに頼りました。演出面では、太賀くんと吉岡さんのシーンも仕掛けると言いますか、本番でお芝居が膨らんでいくような状況を作れたと思うので、そこで一瞬見せる表情だったり震えみたいなものを月永さん(撮影監督)が撮ってくれたのかなと思っています」とコメントした。
最後に佐藤監督は「今回初めて商業映画を撮らせていただいて本当に恵まれた環境でキャストやスタッフのみなさんと“今までにないものを撮りたいね”という想いで、全員で作ったという感覚がありまして、ひとりでも多くの方に見て頂けたらと思っていますので皆さんご家族ご友人などにご紹介いただけたら嬉しいです。」と締めくくった。
【あらすじ】
秋田県・男鹿半島で暮らす、たすく(仲野太賀)は、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことね(吉岡里帆)は、子供じみていて 父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿がテレビで全国放送されてしまうのだった。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波(寛 一 郎)からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった…。果たしてたすくは、自分の“生きる道”、“居場所”を見つけることができるのか?
【キャスト】
仲野太賀、吉岡里帆、寛一郎、山中崇、余貴美子、柳葉敏郎 ほか
【スタッフ】
監督・脚本・編集:佐藤快磨
企画:是枝裕和
エクゼクティブ・プロデューサー:河村光庸
プロデューサー:大日向隼、伴瀬萌、古市秀人
企画協力:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
製作:『泣く子はいねぇが』製作委員会
©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
公式ホームページ:https://nakukohainega.com/
Twitter:https://twitter.com/nakukohainega
Instagram:https://www.instagram.com/nakukohainega/
11/20(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー
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