【『グレタ GRETA』公開記念】現実には会いたくない!「こんな女は嫌だ」特集
【今夜なに観る?】
『グレタ GRETA』公開記念
現実には会いたくない!「こんな女は嫌だ」特集
フランスの大女優イザベル・ユペールと若手実力派クロエ・グレース・モレッツが初共演にしてW主演を果たすサイコスリラー『グレタ GRETA』が11月8日(金)より全国ロードショーとなる。拾ったバッグをきっかけに、一度は育まれた未亡人グレタと若い女性フランシスの友情。しかし、その絆は、やがてストーカーのようなつきまといに発展し、さらに仰天の展開へと突入していく。
物語を面白くするスパイス的な存在から、メインを張れるほどの方まで様々な立場で何かと現れる「嫌な女」。今回は、グレタのようにサイコパスさんは当然ながら、男を手玉に取る小悪魔など、現実世界においては出来たらお会いしたくない女キャラをご紹介します!
ジェネシスとベル:『ノック・ノック』(2015)
身から出た錆とは言え「そこまでするか!」と叫ばずにはいられない。1977年の映画『メイク・アップ』をキアヌ・リーヴス主演で現代版にリメイクした作品。
家族思いの献身的な父親・エヴァン(キアヌ・リーブス)は週末に仕事の都合で一人留守番をしていた夜、ドアをノックする音がし、開けるとそこには雨でずぶ濡れになった二人組の美女が立っていた。道に迷ってしまったというジェネシス、ベルと名乗る二人を家に招き入れてしまったために、エヴァンの週末は地獄と化す。
要するに、愛する家族がいるにも関わらず、魔が差したエヴァンが2人(後に未成年と発覚)と一晩楽しんでしまった為にとんでもない目に遭うという話なのだが、払わされる代償があまりにデカすぎる。確実に悪いのは羽目を外したエヴァンではあるが、相手の正体が言葉の通じないノリだけで暴力と破壊の限りを尽くす異常者だったために、しっぺ返しのレベルをはるかに超えて家族も仕事も何もかもを失ってしまう。
家族を持つ男ならば、いつ自分の身に起きるかもしれない教訓映画として観てみるといいだろう。もしも自分だったらと思うとゾッとすること間違いない。
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サマー・フィン:『(500)日のサマー』(2009)
この映画は妄想に恋するような恋愛白帯男子たちにとっては現実の厳しさを突き付けられる、ある意味で残酷物語と言えるかもしれない。本作のヒロインであるサマーは、美人で明るくて頭も良い、本人にそのつもりがなくても周囲を巻き込んでしまう魅力を持つ、現実世界でもお目にかかることもある所謂「小悪魔系女子」だ。一方のトムは典型的な草食系男子。イケてる女子から音楽の趣味を褒められただけでドキドキしっぱなし、肝心なところで推すことができず、ついついスカした態度で余裕をかましてしまう。
この映画の面白いポイントは、基本的に主人公トムの一方的な視点で語られていて、サマーが何を考えているかなどは分からない作りになっているところだ。見方によってはサマーは目茶苦茶「イヤな女」として見れるかもしれないが、決してそういうわけではない。サマーからしてみれば、自分のペースで自由に生きているだけなのに、トムは何が正解かがわからず勝手に翻弄されていく。妄想に恋する男子がリアルな女性に恋をしフラれて、男として成長していく姿を本作は描いているのだ。
この2人の関係性は妙にリアルで、実際に似たような経験したことのある男子諸君も大勢いるのでなないだろうか。というのもこの映画、脚本を務めたスコット・ノイスタッターの実体験がネタになっており、映画の冒頭で「この作品はフィクションです。似ている人が生きていても死んでいても一切関係ありません。特に君はね Jenny Backman 〇ッチ!」と名前入りで清々しいまでの恨み節を炸裂させているところも見どころだ。
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キャットウーマン:『ダークナイト ライジング』(2013)
言わずと知れた、クリストファー・ノーランが手掛けた「バットマン」シリーズの最終作。本作に登場する、アン・ハサウェイ演じるキャットウーマンことセリーナ・カイルは中々のイヤな女だ。セリーナはゴッサムシティにおいては貧困層の住人で、過去に何度か窃盗で捕まったため警察に犯罪歴が残ってしまっている。すべてをチャラにして新しい人生を得るため、犯罪歴を抹消するソフト「クリーン・スレート」と引き換えにブルース・ウェインの指紋を盗む依頼を受け、メイドに変装してウェイン邸に忍び込む。
前作のラストでダークナイトとして警察から追われる身となったバットマン。ゴッサムシティでは犯罪は激減し、満身創痍だったブルースは隠居して静かな日々を過ごしていたわけだが、セリーナと関わったことで再び表舞台に担ぎ出されてしまう。ベインというスーパーヴィランが現れるのでどのみち戦いに繰り出すことになっただろうけども、セリーナがあっさりとベインにバットマンを売り渡さなければ、罠にかかって半殺しにされて穴倉に捨てられることもなかったかもしれない。
最終的に2人は手を組んでベインの計画を潰すことに成功するわけだが、結果オーライなだけでどうにもモヤモヤ感が残る。美人過ぎてブルース・ウェインが惚れちゃったから仕方ないけども、一度正式に謝罪は頂きたいところだ。
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フュリオサ・ジョ・バサ:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)
全世界の度肝を抜いた、当時70歳のジョージ・ミラー監督が作り上げた伝説級のアクション超大作。この映画を生涯ベストに挙げる人も多いかと思うが、本作に登場する実質的に主人公&ヒーローであるフュリオサ大隊長(シャーリーズ・セロン)ほど現実に会いたくない方はいないだろう。人として強すぎるのだ。
「嫌な女」などと言ったら義手でぶん殴られそうだが、現実世界であんな人に出会ってしまったら自身喪失は免れないだろう。幼少の頃に母と共にイモータン・ジョーに捕まり、数日後には母が死に、その後はジョーの下で奴隷として働かされるわけだが、生きるためにジョーの信頼を勝ち取り、ウォーボーイズたちを率いる車両軍団の大隊長まで上り詰める。しかし、心までは屈服しておらず、ジョーの5人の妻たちに対する扱いに怒り、これまで築いた信頼を捨ててまで反乱を起こす。
何から何までカッコよすぎる。こんな凄い人とは並んで歩くことなんて出来るはずもなく、憧れ込みで負け犬の遠吠え的にあえて「嫌な女」として挙げさせて頂きます。
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『グレタ GRETA』
11/8(金)TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
【キャスト】
イザベル・ユペール、クロエ・グレース・モレッツ、マイカ・モンロー、コルム・フィオール、スティーヴン・レイ
【スタッフ】
監督・脚本:ニール・ジョーダン
原題:GRETA/2018年/アイルランド、アメリカ/英語/98分/カラー/シネスコ/5.1ch/字幕:川又勝利
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
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公式サイト:greta.jp