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6月6日はホラーの日!悪魔の子が歩んだ『オーメン』地獄の系譜

6月6日。言うまでもなく「666」の日。ホラー映画ファンなら誰しも反応せずにはいられないこの数字にちなんで、日本では“ホラーの日”と制定されています。そんな日に観るべきは、やはり“悪魔の子”の異名を持つ存在――そう、『オーメン』シリーズのダミアンです。1976年に始まり、続編、スピンオフ、リメイク、そして前日譚まで展開された「オーメン」シリーズ。ホラーとしての完成度もさることながら、作品ごとに不吉なトラブルや“呪われた映画”と噂されるほどの出来事が重なったことで、いっそうの伝説となりました。

そこで今回は、そんな闇深きシリーズ全7作+1ドラマを総ざらい!

恐怖の描写やテーマ、時代ごとの映像表現、そして製作中に起きた“実際の不幸”にも触れつつ、「恐怖の誕生」を追っていきます!

 

『オーメン』(1976)
悪魔の子、地上に降臨す

記念すべき第1作。死産した子の代わりに引き取った赤ん坊ダミアンは、やがて“悪魔の子”としてその正体をあらわし始めます。神父の串刺し死、保育園での暴れ馬、母親の転落事故など、宗教的モチーフと死のビジュアルが徹底され、まさに70年代オカルトホラーの頂点を極めた一作。強烈なトラウマを残す音楽はジェリー・ゴールドスミスのアカデミー賞受賞作。日本でもテレビ放送で一躍話題となり、ホラーの“格”を一段上げた存在として語られています。そして、この作品を伝説化させたもう一つの要素が“撮影中の呪い”。主演のグレゴリー・ペックの息子が撮影前に自殺、彼が搭乗した飛行機が落雷で引き返す、プロデューサーが乗る予定だった飛行機が墜落して死者多数……など、数々の不幸が重なり「本当に呪われていた」と囁かれ続けています。

監督:リチャード・ドナー
出演:グレゴリー・ペック、リー・レミック
配信:AmazonプライムApple TVTELASA

 

『オーメン2/ダミアン』(1978)
少年、運命に目覚める

ダミアン13歳。軍学校に入った彼が、自分の血のルーツ=悪魔の存在を徐々に自覚していきます。エレベーターのワイヤーでの斬首シーンや、氷上の溺死など、続編ならではのバリエーションに富んだ“事故死”描写も冴えわたります。少年が成長するにつれ、政治や企業の中枢へと入り込んでいく展開は『ダークナイト』前夜ともいえる権力と邪悪の接続を予見。日本では第1作ほどの話題にはならなかったものの、欧米では「しっかりと地続きで不気味さが増した良続編」として高評価を得ました。

監督:ドン・テイラー
出演:ウィリアム・ホールデン、リー・グラント
配信:AmazonプライムApple TVTELASA

 

『オーメン/最後の闘争』(1981)
成人したダミアン、世界を狙う

完全に覚醒したダミアンは、大企業を操り政界にも進出。救世主の再来を恐れ、生まれたばかりのキリストの子を殺そうと暗躍します。ついに“世界を支配しようとするサタンの子”が、神の子との最終決戦へ――。本作では『ジュラシック・パーク』のサム・ニールがダミアンを好演。恐ろしい一方でカリスマ的な魅力を漂わせています。ゴア表現もアップし、串刺し、火あぶり、十字架での処刑など、宗教モチーフの暴力描写が一気に過激に。ファンの間では“静かなる終幕”として受け止められていますが、「ダミアンの三部作としては完結編にふさわしい」と再評価も進んでいます。

監督:グラハム・ベイカー
出演:サム・ニール、ロッサノ・ブラッツィ
配信:AmazonプライムApple TVTELASA

 

『オーメン4』(1991)
新たな“娘”に託された悪の血

TV映画として制作されたシリーズの番外編。今度は女の子・デリアが悪魔の子として育てられるが、周囲でまたしても不可解な死が相次ぐ……という構図は変わらず。ラストで明かされる「本当の悪魔の子は――」という展開が一部で話題に。ただし、映画としてのクオリティは正直かなり低く、IMDbスコアは「4.7」、Rotten Tomatoesでも10%台と酷評。ファンからも「これは黒歴史」「もはや“オーメン”を名乗ってはいけない」と手厳しい意見多数。ホラー表現も平凡で、唯一の見どころはラストのどんでん返し程度。

監督:ホルヘ・モンテシ、ドミニク・オセニン=ジラール
出演:フェイ・グラント、マイケル・ウッズ
配信:TELASA

 

『オーメン666』(2006)
悪魔の誕生日、再び

第1作のリメイク版。オリジナルへの敬意を払いながら、映像・演出はアップグレード。特にダミアン役の子役が“何もしないのに怖い”と評価され、演技の引き算による不気味さが際立ちます。注目は公開日。なんと2006年6月6日=「666」に合わせ、全米で一斉公開。プロモーションも“悪魔の復活”を前面に出したもので、話題性は抜群でした。ただし「オリジナルのほうが怖い」「ほぼ同じ構成ならリメイクの意味は?」という声も多く、賛否は拮抗。それでも、テンポの良さと現代的なビジュアルセンスで“入門オーメン”としては優秀な一本です。

監督:ジョン・ムーア
出演:リーヴ・シュレイバー、ジュリア・スタイルズ、ミア・ファロー
配信:AmazonプライムApple TVTELASA

 

『オーメン』(2016/TVドラマ)
もしダミアンが現代に生きていたら?

1976年版の正統な続編として企画されたドラマシリーズ。成人したダミアンが戦場カメラマンとして活躍していたが、自身の過去にまつわる不吉な出来事と向き合う中で、再び“悪魔の血”を思い出していく……という展開。企画・脚本は『ウォーキング・デッド』のグレン・マザラ。重厚なドラマ性は高評価でしたが、ホラーとしての恐怖演出は控えめ。全10話ながら視聴率はふるわず、シーズン1で打ち切られました。

製作総指揮:グレン・マザラ
出演:ブラッドリー・ジェームズ、メガリン・エキカンウォーク
配信:Amazonプライム

 

『オーメン:ザ・ファースト』(2024)
母は知っていた、世界を変える“誕生”を

18年ぶりに製作された劇場映画。シリーズの原点=“なぜ悪魔の子が生まれたのか”を描く前日譚。修道女マーガレットはヴァチカン内部の闇に触れ、やがて“禁断の出産”の意味を知ることに。演出は『ヘレディタリー』や『エクソシスト』を想起させる陰影の効いたゴシックスタイル。ジャンプスケアも多めで、近年のホラーとしては王道を踏まえつつ、見応えある仕上がりです。シリーズにおける“原点回帰”として意義深い一作。

監督:アルカシャ・スティーヴンソン
出演:ネル・タイガー・フリー、ビル・ナイ、ソニア・ブラガ
配信:ディズニープラスAmazonプライムApple TVTELASA

 

いかがでしたか?

“悪魔の子”の名を背負ったダミアンと、その周囲に巻き起こる死と災厄の物語。『オーメン』シリーズは、ただのホラーではありません。宗教、政治、メディア、そして家族という社会の基盤をじわじわと侵食していく、静かなパニックです。そして、製作中に実際に起きた事故や不幸が、作品そのものにさらなる“呪い”のようなリアリティを与えてきました。6月6日。あなたも一度、悪魔の視線と向き合ってみませんか?決して画面の向こうから目を離さないでください。彼は、あなたのすぐそばにいます…