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【編集部が選出!】ムービーマービーアワード2020「ぜったい面白い映画」大賞 ノミネート作品⑫『ワイルド・ローズ』

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ノミネート作品⑫『ワイルド・ローズ』

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ミュージカルに限らず、音楽や歌が大きなテーマになる作品は何本も観てきたが、本作以上に歌声が心に残り、映画を観終わった後に何度もサントラをリピートした映画はない。本作『ワイルド・ローズ』の魅力は、物語はもちろんだが、何と言っても主演を務めたジェシー・バックリーの繊細でありながも力強い歌声だ。何も知らずに彼女の曲を聞けば、プロの歌手が歌っていると誰もが思うだろう。

彼女が演じるローズは、子供が2人いるシングルマザー。真面目に仕事をしなければいけない事を理解しつつも、一方で自身が夢見るミュージシャンとしての成功を諦められないでいる。夢と現実の狭間で思い悩むその姿に、多くの人は覚えがあるだろう。夢を追うというのは難しいことだ。彼女のように子供もいて、シングルマザーであるならば尚更であろう。

それでも本作は夢を追う彼女を暖かく見守る。挫折や苦悩を経験しながらも、夢を追うローズ。そんなローズが歌う楽曲は、時に切なく、時に軽快で、時に豪快だ。劇場で彼女の歌唱シーンを観ていて思わず涙を流してしまった。それくらい強烈な「力」がローズというキャラクター、そして歌声にはあるのだ。日本では残念ながらサントラは発売されていないが、是非映画の方を借りてもらって彼女の歌声を思う存分堪能して頂きたい。

主演を務めたジェシー・バックリーは本作のほか『ジュディ 虹の彼方に』、『ドクター・ドリトル』、そしてNetflixの『もう終わりにしよう』が2020年に日本で公開・配信された。ドラマで言うとHBOの『チェルノブイリ』にも出演している。今まさに旬な女優なのだ。そういった意味でも本作は見逃せない作品である。

<編集部・大西>

【ストーリー】
カリスマ的な歌声を持つシングルマザーのローズは、故郷のスコットランドからアメリカに渡り、歌手としての成功を夢みていた。だが、不器用にしか生きられない彼女は、夢を追い求めるあまり、愛する母親や幼い二人の子供たちを時に傷つけてしまう。夢か家族か、若さと才能を兼ね備え、遂に掴んだチャンスを前に、葛藤する彼女がたどり着いた答えとは?書き下ろした初のオリジナルソング。ラスト5分、魂のステージが幕を開ける──!

【キャスト】
ジェシー・バックリー, ジュリー・ウォルターズ, ソフィー・オコネドー, ジェイミー・シーベス, クレイグ・パーキンソン

【スタッフ】
監督:トム・ハーパー

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