なぜ私たちは夢を見るのか？未だ明かされない現象「夢」を扱った映画特集③『バニラ・スカイ』どこからが夢でどこからが現実なのか？

2020.08.05

人間は眠ると夢を見ます。しかし、その「夢を見る原理」は未だ解明されていません。なぜ私たちは夢を見るのでしょう？その夢は幸せなものでしょうか？それとも悪夢でしょうか？今週の「今夜何観る」では、未だに解明されない「夢」を扱った映画を特集します。

『バニラ・スカイ』(2001)

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夢というのは時に恐ろしい程までに現実的です。それは夢が恐ろしければ恐ろしい程リアルで、目が覚めた瞬間、一瞬何が夢で何が現実なのかが分からなくなります。夢だと分かるととても安心した気持ちになると言うのは、多くの人が経験しているでしょう。

本作『バニラ・スカイ』もそう言う映画で、トム・クルーズ演じる主人公は美貌も富も手にした、何不自由ない生活を送っている男ですが、ある出来事をきっかけにそれが一変します。次第に何が夢で何が現実か、その区別が付かなくなっていくのですが、それは私たち観客も同じです。結局何が現実で何が夢なのか、混乱します。

ちなみにこの映画はリメイク版でオリジナル版の英語タイトルは『Open Your Eyes』。目を開けてと言う意味です。目を凝らして映画を観ていれば、現実と夢を見極めることが出来るのかもしれません。そして改めて思うのは、リアルすぎる夢は恐ろしいと言うことでした。

＜ストーリー＞
マンハッタンの豪邸に住み、高級車を乗り回し、おまけにハンサム。完璧な人生を謳歌する出版界の若き実力者デヴィッド・エイムス。ジュリーという美しい恋人もいて、何不自由ないはずが、どこか物足りなさを感じていた。そんなある日、デヴィッドは親友の恋人ソフィアに一目惚れしてしまう。しかし、デヴィッドの心変わりを敏感に察したジュリーは、嫉妬に駆られて自ら運転する車でデヴィッドとともに崖に突っ込んでしまう。奇跡的に一命を取りとめたデヴィッドだったが、その顔は怪我のために見るも無惨に変わり果ててしまう……。