事実は小説よりも奇なり。実話を基にした映画特集③『エミリー・ローズ』悪魔祓いの最中に起きた悲劇の謎に迫る
先週末公開された『MOTHER マザー』や『アングスト/不安』は実話を基にした映画です。時として信じられないような出来事が現実として起こり、それを描いた映画も多く作られています。そこで今週の「今夜何観る」ではまさに「事実は小説よりも奇なり」な映画を特集します!
『エミリー・ローズ』(2005)
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今でも「悪魔祓い=エクソシズム」というものは行われていますが、本作『エミリー・ローズ』は、アンネリーゼ・ミシェルという女性が、実際に悪魔祓いで死亡してしまった事件を題材にした映画です。ホラー映画に観られがちですが、本作の大部分は法廷劇の様相を呈しています。
悪魔祓い中に栄養失調で死亡してしまった女性。この映画のキーとなるのは「なぜ彼女は死んでしまうほどの栄養失調に陥ってしまったのか」という点です。医学的な原因か?それとも悪魔祓いが原因か?この映画はホラー映画ではなく、悪魔祓いという宗教的文化の非科学的な影の部分を描いた映画なのです。
悪魔祓いとは本来、人間に宿った悪魔を払うためのものですが、その悪魔払いを利用した虐待や死亡事件も起きているのも事実です。日本人にはあまり馴染みのない題材かもしれないですが、この国では見ることのない宗教的文化の影の部分を知ることができる、非常に興味深い映画ですので、ぜひご覧ください。
<ストーリー>
03年、当時27歳だったアーロン(フランコ)は一人でユタの険しい谷へロッククライミングに行くが、誰も通りそうにない谷間で落下し、右手を岩に挟まれてしまう。そこから5日間、身動きの取れなくなったアーロンは必死に脱出をはかるが……。
監督:スコット・デリクソン
キャスト:ローラー・リニー、トム・ウィルキンソン ほか
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