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管理社会の恐怖!ディストピア映画特集①『THX-1138』

今の社会はあらゆることがデータ管理されている。マイナンバーと言うものが発行され、個人情報はいよいよ本格的に番号で管理される時代になった。私たちの情報はいつ、どこで、どのように見られているか分からない。そこで今週の「今夜何観る」は「管理社会」がテーマの映画を特集。未来で本当に起きるかもしれない管理社会の恐ろしさを、今改めて考える。

『THX-1138』(1971)
名前すら持てず番号で管理される人類

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ジョージ・ルーカスの名を一躍有名にしたのは『スター・ウォーズ』だが、そのルーカスが大きな注目を集めるきっかけになったのが本作『THX-1138』だ。人名さえも番号で管理されるようになった25世紀、感情までもが抑制された世界で戦う主人公の姿を描いたのがこの映画だ。

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一個人が番号で管理される世界というのは、マイナンバーという形で今私たちの世界にも現実に起きている。この映画の世界では恋愛はおろか、肉体関係を結ぶことも許されない。まさに感情までも抑制された世界だ。つまりこの世界の人間は考えることを停止させられ、何も考えずに生きることを強要されているのだ。禁忌を犯せばすぐに密告されてしまうほどに監視の目は行き届いている。恐ろしい世界だが、冷静に考えれば今私たちが生きている世界と何ら変わりないことが分かる。そう思った瞬間、思わず背筋が凍りつくような思いをした。

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情報化社会が進むということは必然的に、番号で管理される事柄が増えていくことだ。既にそれが現実になっている今、もはやこの映画は単なるSF映画の枠組みで捉えられる映画ではない。感情すら管理される日がいつか来てしまうのかと思うとゾッとする。為政者が何を思っているかは分からないが、くれぐれも本作のような生き過ぎた管理社会を作ろうとすることだけはやめて欲しいものだ。

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【ストーリー】
人類は地下に広がるシェルターで、コンピューターに支配されながら暮らしていた。人々は名前すら持たずに番号で管理され、精神安定剤の服用を義務づけられながら黙々と作業に従事する。そんな中、THX-1138とルームメイトの女性LUH-3417は、自らの意思で精神安定剤の服用をやめる。2人は精神安定剤から開放されて愛し合うようになり、禁止されている肉体関係を交わす。これに気づいたコンピューターは2人を引き離し、THX-1138を裁判にかけて投獄。THX-1138はLUH-3417を求め、逃亡を決意する。

【キャスト】
ロバート・デュヴァル、マギー・マコーミー、ドナルド・プレザンス ほか

【スタッフ】
監督・脚本・原作:ジョージ・ルーカス

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