【今夜何観る?】クエンティン・タランティーノ作品特集②『パルプ・フィクション』名実ともにトップ監督の仲間入りした大傑作!
クエンティン・タランティーノ作品特集②
『パルプ・フィクション』
初期タランティーノ作品の中でも突出した人気を誇る傑作『パルプ・フィクション』(1994)。前作『レザボア・ドッグス』から2年後に作られた本作は、特徴的だった時系列をバラバラに入れ替える手法や、クセのある役者たちによるほとんど無駄話ともいえるクールな台詞回しがさらにパワーアップしている。
本作のタイトルは、1930年代から流行した低俗な短編犯罪小説が掲載されていた雑誌群“パルプ・マガジン”にオマージュを捧げられている。短いストーリーの集合体である映画本編や、メインのポスタービジュアルはまさに当時の雑誌そのまま再現していると言えるだろう。
映画マニアのタランティーノが仕掛ける、オマージュ満載かつ独特なストーリー構成に加え、サーフ・ギターの帝王と呼ばれるディック・デイルの奏でる名曲「Misirlou / ミザルー」、そして出演者の一人であるユマ・サーマンが単体で看板を張るポスタービジュアルはアイコンと化し、当時の映画ファンたちだけではなく、映画に興味のない層までも巻き込んで熱狂させた。
タランティーノの噂は世界中に広まり、第47回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し、さらに第67回アカデミー賞でも脚本賞を受賞するという快挙を成し遂げ、彼はたった2作で名実ともにトップクラスの映画監督としてその座に上り詰めた。
ちなみにメインキャストの一人、サミュエル・L・ジャクソンは作中で彼の代名詞ともいえる“Fワード”をなんと250回以上も口にしている。本作に出演するまでいまひとつパッとしない俳優だったが、本作以降の出世ぶりは言わずもがな。今ではアベンジャーズを組織するまでの存在になるとは何とも感慨深いものである。そんな彼を見出し起用したタランティーノの真贋は流石としか言いようがないだろう。
パルプ・フィクション(1994)
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
キャスト: ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン、ブルース・ウィリス 他
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【あらすじ】
強盗の計画を立てるカップル。盗まれたボスのトランクを取り戻そうとする二人組のギャング。ボクシングの八百長試合で金を受け取るボクサー。それぞれのエピソードが時制を超えて交じり合いラストに収束していく傑作バイオレンスアクション。
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