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ロボットの日記念〜魅惑のコックピット #ロボットの日 #マジンガーZ #劇場用マジンガーZ 

 エンタメ世界のロボットの進化はなぜか逆行している。ロボットのロボットたる所以の一つ、自律性は「鉄腕アトム」のアトム、「禁断の惑星」のロビーの昔から徐々に失われて、いつの間にか、乗り物になって進化している。

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 考えるに昭和の男子がロボットに期待するものは「乗りたい!」、この一心であったためだろう。「ロボットとコミュニケーションをとりたい」とか、「ロボットに探査などで役立ってほしい」とかそういう発想は女やオトナのものだ。男子の場合はいかめしいマシンがそこにあれば、まずそれに乗って駆けたいのだ、飛びたいのだ。

 そういう意味で、初の乗り込み型ロボット、マジンガーZは偉大であったろう。ちょっと前の鉄人28号があれだけぽってりしたタルボディを持ちながら中に人は入れず、外から(どうしてあんなもので人型のメカが動くのか全く理解に苦しむ)リモコンで操縦するため、フラストレーションばかりがたまるロボットであるのに対して、男子度MAXの漫画家・永井豪の英知を結集させたマジンガーZはなんと空飛ぶコクピットともいえるホバーパイルダーにのって、上空から合体するという発明というにふさわしい機構を有した誠に画期的なマシンであった。

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 マジンガーZの大ヒットは、ロボットにコクピット革命をもたらした。様々な機構でロボットに乗り込むことが考えられ、そこがエンタメの見せ場になっていったのだ。「勇者ライディーン」「機動戦士ガンダム」そして「パシフィックリム」、特徴的なのは、どれほど図体が大きくてもコクピットは小さい(マジンガーZのホバーパイルダーは残念なくらい小さい)事。スポーツカーも兵器もそうだが、男の仕事場というのは広くてはイケない。体内回帰願望と相まって子宮的な適度な狭さが大事なのだ。(※イデオンは例外的に広い。中で生活できるほどで、4畳半くらいはありそうだ。これは女子や赤ちゃんを乗せなければならない必然性があったからだろうか?)

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 ところが近年のエヴァンゲリオンのコクピットは狭いんだが気持ちよくない。操作系のリアリティを追求した結果、パイロットの神経と乗り物を直接シンクロさせる仕組みにしたまではよかったが、乗り物のエヴァンゲリオンにはそれまで日本のエンタメロボットたちが置き去りにしてきたテクノロジー=【自律性】が備わっていたため、思い通りに操れない、神経どおしが干渉し合ってお互いによろしくない、ヒリヒリした痛そうな関係になってしまったのだ。

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新しい劇場用のマジンガーZが今度できるそうだが、この痛そうなコクピットにはしないでほしい。男子度MAX永井豪の世界では行きたい方向は自分の意志で決めるのだ、そういうロボットのままであってほしい。