映画『mentor』ジャパンプレミア開催!磯村勇斗&末澤誠也&綾野剛&田恵輔監督が登壇!綾野の別人級の肉体美や“狂犬”イジりのクロストークで会場沸かす

映画『空白』『ミッシング』などを手掛け、人間の深層心理や痛烈な可笑しみをえぐる名手・田恵輔監督によるオリジナル最新作『mentor』(10月16日公開)のジャパンプレミア舞台挨拶が9月30日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催された。上映前の壇上には、W主演を務めた磯村勇斗、末澤誠也(Aぇ! group)、物語の鍵を握る“メンター”埜本(のもと)役の綾野剛、そして脚本・監督を務めた田恵輔監督が登壇。本作はワルシャワ国際映画祭コンペティション部門への正式出品も決定しており、国内外から熱い注目を集めるなかでのイベントとなった。
15年前の花火遊びによる火事の罪悪感を胸に抱え、アーチェリーでオリンピック代表を目指す益子龍之介を演じた磯村は、吹き替えなしで挑んだアーチェリーについて「アーチェリーは今回初めて挑戦したのですが、ずっとやりたかったスポーツだったので熱意を持ってトライすることができました。ただ、実際の本番では70mを射つ予定ではなかったんです。でも練習初日に監督が急に『70mでもやろうよ』と言い出して。『70m!? 俺まだ射ってないですよ』と(笑)。50mまでは形をしっかり作って飛ばせるように練習していたのですが、70mにするために急に部品を調整して弦を硬く張ったりして。『この監督やばいな』と初日に思いましたね」と無茶振りを明かした。これに対し田監督が「ごめんなさい、俺ね、50mと70mの差をあんまり分かってない(笑)。あんまり練習に付き合ってこなかったからね」とあっけらかんと返すと、磯村は「でもアーチェリーの20mの差って相当なんですよね、しっかり飛ばすのには。最初からすごい難題が来たなと思いましたけど、ちゃんと飛ばしましたよ。」と語り、息の合った掛け合いで会場を沸かせた。

個人として映画初出演にして初主演を飾った神谷拓海役の末澤は、クランクイン前の心境について「現場に入る前はめちゃくちゃ怖かったんですよ。綾野さんと磯村くんの間に入ってお芝居をするって、怖いじゃないですか! 本当に怖かったです。でも現場に入ってからはお二人とも本当に気さくに話しかけてくださいましたし、すごくお芝居のしやすい温かい雰囲気を作ってくださったので、僕としてはものすごくありがたく、肩の力を抜きながらお芝居ができたなという感じでした」と述懐。そんな末澤の演技について磯村が「本当に役者・末澤誠也がいましたね。完全に拓海にはまっていて、とても心強かったです」と絶賛する一方、話題は劇中で象徴的に描かれる拓海の“土下座”へ。末澤が「土下座って種類があるんだなって今回知りました。あんなに鏡の前で土下座を練習したのも、もう今後の人生ではない方がいいじゃないですか(笑)。これ以上土下座をすることはないだろうなと思いつつも、どうしたら拓海らしくいろんな土下座ができるかなと考えて挑みました」と振り返ると、綾野は現場での裏側をユーモアたっぷりに告白。
「この作品はすごく重そうなヘビーな作品をイメージされていると思うんですけど、現場は全然違いまして。末澤くんの土下座のレパートリーに僕らが耐えられなくて、毎回現場を止めちゃうんですよ。『こんなに腰の位置って上がるんだ!?』って(笑)。末澤くんが一切遊びなしでフルスイングでやってくれているので、より効果的というか、本当の力を発揮しているような気がして最高でした」と綾野が明かすと、末澤は「僕はすごく自分のすべてをそこに注いで土下座していたんですけど、お二人がちょっと笑って何回かNGを出されていたので、『ちょっと先輩……』とは思っていました(笑)」と返し、会場の笑いを誘った。

大火傷を負い妻子を失った過去を持ちながら二人の前に現れる埜本を演じた綾野は、特殊メイクや白髪混じりの人物造形について「別の作品で体重を上げていたマックスの時だったので、監督に『僕、相当デカいですけど大丈夫ですか?』と相談したら『まあ大丈夫』ということで。でも現場に行ったら、末澤くんと僕のカットバックを撮る時に、僕の広背筋で末澤くんが隠れて映らなくて、同じ距離でカットバックが撮れないという事件が起きてしまって(笑)。ずっと僕舐めで撮りたいのに、僕の広背筋しか映らない。ずっとこう体を傾けながら末澤くんとお芝居するみたいなことはありました」と肉体づくりならではのハプニングを披露。初対面の末澤も「現場でお会いした時、『デカっ!』と思いました。厚みもすごかった」と驚きを明かした。さらに綾野は「特殊メイクも初めは3時間かかっていたのですが、チームのプロ意識が本当に高くて、最終的には1時間半でできるようになっていました。白髪に関しては、勇斗と末澤くんの二人の物語なので、彼らに対して僕がどういう形で存在していれば作品の深度がより深まるかを考えた結果、黒々とした髪よりも、乾いた髪の毛という全く枯渇された人物造形から入っていこうと思い提案させていただきました」と徹底したこだわりを語った。
プライベートでも親交のある磯村は、「綾野さんの体の変化は普段から見てはいたんですけど、この埜本という役を現場で見たときには笑ってしまうくらい違う人がいましたね。『まだ出してないものがあるんだ』『いくつ武器を隠してるんだ』というくらい、見ただけで直感的に埜本だと捉えられる体や動きを深く追求してくださって、現場で見ていて面白かったです」とリスペクトを込めて証言した。また綾野も、磯村の主演作に出演することが念願だったと明かした上で、末澤についても「彼が培ってきたオリジナルな部分を役に投影している姿を見て感銘を受けました。彼にしかできないものがたくさんこの作品に詰まっています。新鮮な血が巡るような感覚があり、勇斗と末澤くんの存在が役作りにおいてコアな部分になりました」と熱い言葉を寄せた。

作中の「登場人物3人ともちょっとおかしい」という設定にちなみ、MCから「この中で一番ちょっとおかしいのは誰?」と問われると、波乱のクロストークへ発展。田監督は綾野を挙げ、「綾野さんは普通に変な人だなと思っていて(笑)。夜のライティングなどを準備している時に、マネージャーさんが『綾野が呼んでます』と言うから、次のシーンの相談か何かかなと思ったら、綾野さんが満面の笑顔で『監督、暇だから喋りましょう!』って。『ごめんね、俺暇じゃないんだ。見ての通りめっちゃ準備してるから。話したいならちょっとここ座ってくれれば準備しながら話せるかな』って(笑)」と現場でのマイペースな一面を暴露。さらに監督が「二人はまだ猫かぶりな感じがするし、末澤くんは“かぶり猫”って感じがする。『狂犬』って言われてるけど、まだ狂犬の匂いがしない」とイジると、末澤は「周りが勝手に言ってるだけで、狂犬じゃないです! 犬か猫かどっちなんですか(笑)」と猛反論。
一方、綾野と末澤は田監督を指名。末澤が「演出の時もそうなんですけど、『ここのポールにセミみたいにつかまって』と言われて。『え、セミ!? どういうことだろう?』みたいな(笑)。監督が実演して見せてくださるんですけど、発想が面白すぎて、どういう脳みそをしていたらそういうのが出てくるんだろうなっていうのが撮影中も結構あったので、変だなと思いますね」と独特な演出手法を明かした。すると、末澤を指名した磯村は「セミをやったり土下座をしたりいろいろあるけど、カットがかかった後の顔が急に普通の顔に戻るから、『この人、何を考えてるんだろう?』って現場でずっと思っていました」と告白。末澤が「集中してたんです! それは集中してる顔ですから!」と全力で弁解するなか、綾野が「普段の人当たりのトーンが明るいのにミステリアスさがあって、それがうまく共存しているように見えないから余計にそう感じたんじゃないかな。でもちょっとズレがあるとオリジナリティがあってかっこいいですよね。僕たちにもちゃんとツッコんでくれる頭の回転の早さがあるのに新ジャンル。僕は興味津々です」と温かくフォローし、仲の良さを伺わせた。

締めの挨拶では、田監督が「脚本からだいぶ長い時間を使って、やっと皆さんに届けられる日がやってきました。一人でも多くの方に観ていただきたいと思っておりますので、皆さんの力をぜひ貸していただけるとありがたいです」とコメント。
続いて綾野が「本当にこの二人が作品の中で時間を1秒1秒刻んでいます。その中で、静かにぽっかりと開いてしまった穴を必死に埋めようとしている二人を見ていると、何かに穴が開いてしまっていることに見て見ぬふりをするより、気づいて生きていくことの再生力や人間力みたいなものを僕は二人から感じさせてもらいました。何よりラストシーン、この作品が本当に向かっていくその先のシーンも大変見応えがありますので、ぜひ二人を通してこの劇を面白がっていただけたら幸いです」と語った。
末澤は「試写を観てくださった周りのスタッフさんたちから本当にいろんな感想をいただいたんですけど、皆さんバラバラなんですよね、感想や感じていた感情が。だから本当に人によって観終わった後の気持ちが違う作品だと思うので、このおかしな3人を楽しみながら、皆さん各々の感情を抱いていただけたらと思います。ぜひSNSなどでも感想を呟いて教えてください」と呼びかけた。
最後に磯村が「田恵輔監督の作品、そしてそこに末澤くんと剛さんと共にこの作品に参加できたことは僕自身とても幸せな時間でした。この3人の織りなすトライアングルの人間関係をぜひとも堪能していただきたいです。そして、僕の地元・静岡で撮られた作品から、とんでもないエンターテインメント、化け物が生まれたなと思っています。『笑っていいんだよ』という映画ですので、肩肘を張らずに、声を出したかったら声を出して楽しんで観ていただけたら僕はすごく嬉しいです」と締めくくり、温かい拍手のなか舞台挨拶は幕を閉じた。

『mentor』
10月16日(金) 劇場公開
【ストーリー】
龍之介と拓海、二人の少年の無邪気な花火遊びがアパートを全焼させた。火災で妻子を失い、自身も全身に火傷を負った住人・埜本(のもと)。 それから、15年。罪の意識に蓋をしたまま、“普通”に生きようとしている龍之介(磯村勇斗)。一方、あの日から時間が止まったままの拓海(末澤誠也)。そんな二人の前に、突然、埜本(綾野剛)が再び姿を現す。恨みをぶつけられるはずだった。しかし埜本は、なぜか優しい。優しすぎる。その優しさは、龍之介には拭えない違和感となり、拓海には救いの光のように見えてしまう。本来なら二度と交わらないはずの、いびつな再会。その出会いが、三人の人生を確実に動かし始める——。
脚本・監督:田恵輔
出演:磯村勇斗、末澤誠也、木南晴夏、酒井若菜、川上麻衣子、二村仁弥、黒沢あすか、田村泰二郎、綾野剛
製作幹事:エイベックス・ピクチャーズ
企画製作:スターサンズ
制作プロダクション:SS工房
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ、スターサンズ
Ⓒ2026「mentor」製作委員会
公式HP:www.mentor-movie.jp
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